◆ ピンク商売のオーナー ◆ |
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「ピンク商売のおねーさん」でも述べたがウチの会社のあるビルは |
1〜2階が店舗&会社事務所仕様になっていてそれより上の階はマンション。 |
そのマンションの3階か4階に風俗部屋がある。 |
ビルの1階には「エステ○○」などのカンバンがあるからおそらくソレだろう。 |
いつもこのビルの前におじさんがいる。 |
ぼ〜っと立っている(笑) |
ビルの前にバイクを停めている私がバイクで出入りする度に必ずジーっと見つめられる。 |
ある時、ビルの曲り角でそのおじさんとぶつかりそうになった。 |
わっと思って、そのおじさんだと分かり、とっさに |
「あ、ごめんなさい。こ、こんにちわ」と挨拶をした。 |
これがきっかけになり、そのおじさんとよく話をするようになった。 |
聞いてみると、そのおじさんはビルの風俗「○○エステ」のオーナーで |
オーナーといっても小さい経営なので自ら「客引き」をすべくビルの前にいるんだそうな(笑) |
でも不景気でなかなか客は捕まらないのだと苦笑いしていた。 |
おじさん:「僕は真面目な付き合いしかしないからね」 |
おじさん:「ところで君はカレシいるの?」 |
私:「はい。いますよ〜。(はいそこ!つっこまない!(笑))」 |
おじさん:「そうか〜、ならアカンな〜」 |
私:「Σ( ̄Д ̄;)....(なにが??)」 |
ある日、私が会社の備品を買いにすこし離れたディスカウントショップに行こうと外に出た。 |
おじさん:「どこ行くの〜?」 |
私:「ん?そこのア○ーズまで」 |
おじさん:「一緒に行こ〜っと♪」 |
暇なんかい...おじさん。(;^_^Α |
ディスカウントショップで買い物を済ませ、さあ帰ろうかと思った時、 |
おじさんがブランドもののコーナーに私を連れて行き、 |
おじさん:「こんな店で悪いんやけど一応ブランドもんやし..好きなん選び」 |
私:「はいい?(;^_^Α 」 |
おじさんはにっこり微笑んで |
おじさん:「いつも話し相手になってくれてるからさ、プレゼント♪」 |
私:「いや、いいっすよ〜(;^_^Α 」 |
おじさん:「まぁまぁ、そういわずに。なんでも好きなん選び〜」 |
う〜ん..困った(笑) |
悪い人ではないんだが、なんだか怖い(笑) |
いくらディスカウントショップといえど、このコーナーのものは結構な値段だ.. |
そこで私の目に写ったのがすこし離れた所にあったドラえもんキーホルダー100円 (笑) |
私:「あっ。これこれ!私ドラえもん大好きなんよ〜(大嘘)(爆)」 |
おじさん:「Σ( ̄Д ̄;)..でもこれって..100円だよ...」 |
私:「ダメなの?(目をうるうるさせる)(笑)」 |
私&おじさん:「...........」 |
おじさんはハニワ顔で |
おじさん:「わ、わかった...」 |
と100円のドラえもんキーホルダーを買ってくれた(笑) |
帰り道、買ってもらったドラえもんキーホルダーを手に持ち |
「わ〜いわ〜い」とスキップして見せた(バカ丸出し) |
おじさんはそれはそれは複雑な表情で苦笑いをしていた(笑)。 |
その日の晩、仕事を終え帰宅の為、私がバイクに乗ろうとしていると |
おじさんがやってきて |
おじさん:「気をつけて帰りや..バイクは特に..」 |
となぜか寂しそうな笑みをくれる。 |
いつもならそれだけで「んじゃね〜、おやすみ〜」と別れるんだが |
おじさんはおもむろに自分のズボン裾をめくって見せてくれた。両足。 |
...すごい傷跡。何針も縫った跡?ふくらはぎの肉も一部無い。 |
そういえば、このおじさんは歩く時、ずっと足をひきずって歩いている。 |
おじさん:「僕もね、若い時はバイク乗りやったんよ。」 |
おじさん:「今はもう乗られへんけど..」 |
と遠い目をして言った。 |
翌日、会社にくるとおじさんはいなくてカンバンも無くなっていた。 |
経営がうまくいかなくて店を閉めてどこかに移っていったらしい。 |
あれ以来おじさんには会っていないが |
どこかでまた客引きしてるのかなぁ... |