北海道の気候

道内主要都市の月別平均気温
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間平均
札幌 -4.6 -4.0 -0.1 6.4 12.0 16.1 20.2 21.7 17.2 10.8 4.3 -1.4 8.2
函館 -3.4 -3.0 0.6 6.6 11.5 15.3 19.3 21.6 17.5 11.3 5.1 -0.4 8.5
旭川 -8.4 -7.7 -2.5 5.0 11.6 16.4 20.4 20.9 15.3 8.5 1.8 -4.2 6.4
帯広 -8.2 -7.2 -1.9 5.2 11.1 14.6 18.3 19.9 15.6 9.2 2.5 -4.0 6.3
釧路 -6.1 -6.0 -1.7 3.4 7.9 11.4 15.3 17.8 15.2 9.8 3.7 -2.0 5.7
網走 -6.5 -7.2 -2.7 4.1 9.4 12.8 17.1 19.1 15.7 10.0 3.2 -2.5 6.0
稚内 -5.5 -5.7 -1.5 4.4 8.7 12.4 16.8 19.2 16.4 10.5 3.2 -2.1 6.4
東京 5.2 5.6 8.5 14.1 18.6 21.7 25.2 27.1 23.2 17.6 12.6 7.9 15.6
1961年〜1990年の30年間の気象庁観測データ(単位℃)
道内主要都市の最高最低気温と積雪量
札幌 函館 旭川 釧路 稚内
最高気温[℃]※ 36.2 33.5 36.0 31.0 31.3
最低気温[℃]※ -23.9 -17.9 -41.0 -28.3 -19.4
累計降雪量[cm] 496 300 647 142 397
最深積雪[cm] 98 43 90 29 78
積雪日数[日] 132 109 148 92 143
※は各観測地点における観測開始年から1998年までの最高値と最低値
資料:気象庁「気象観測平年値(1971〜2000)」
北海道の気候
北海道地方は温帯気候と言われる地域の北限にあたるため、梅雨がなく台風の影響も少ない気候条件が特徴です。夏場は湿度が低くすごしやすく、冬場は気温が低く湿度は高め(といっても気温が低いので水蒸気量は少なく、暖房するとカラカラになります)で雪が降るというのが一般的です。太平洋側は雪が少なく、日本海側は雪が多いのは本州地方と同じで、内陸部は夏暑く冬寒いといったところも基本的には変わりません。雪質は気温の影響か密度の小さいサラサラ雪が標準的です。

地域差としては道南地方は年間通して比較的温かく、道東、道北地方は夏がないと言っても過言ではないほどに年間通して気温が低い傾向にあります。道内でも地域差がかなり大きいので、広域を旅行される際は天気予報などで事前にチェックして、いらないと思っても一枚余計に着るものを用意して行くのが無難です。

降雪時期の服装など
雪が降っているときはどんな格好をすればいいでしょうか。北海道の人は雪が降っても傘をさすことはあまりありません。サラサラ雪の上に気温が低いため屋外にいる限りは雪が融けて濡れることがないからです。大抵の人はフード付きのコートやジャケットを着用して雪を防いでいます。フードがない場合は帽子などを被って防ぎます。その他、手袋は必須、マフラーもあったほうが良いです。

では、足下はどうでしょうか。歩道や道路は雪が固まってツルツルになっていますので、金具付きや滑りにくい素材でできた冬靴を履くのが一般的ですが、ずり足をすれば普通の靴でも何とか歩けます。普通の靴と言っても靴底に溝がないものや、すり減った靴などは面白いように滑りますので出発前に確認して見て下さい。最近の冬靴はとても優秀ですから土産話的に購入して違いを体感してみるのも面白いかもしれません。

冬の道路状態など
本州の降雪地帯ではスプリンクラーで道路の雪を融かす光景を目にしますが、北海道の冬道はどうでしょうか。北海道では頻繁に氷点下となるため同じ手法は取れず、道路に埋めこんだヒーターで雪を融かすロードヒーティングが一般的です。しかしながら、近年では燃料費節減のため、よほどの危険箇所以外はロードヒーティングを停止して除雪で対応しているため、必然的に雪の上を走行することになります。雪道には大まかにの3つの状態があります。


ブラックアイスバーン
濡れた路面にしか見えないが薄い氷が張っている状態。昼間溶けた雨雪が夜になって凍ることで発生する。初冬など気温が高い時期に多く発生する。スタッドレスタイヤが最も苦手な状態で、視認もできないので一番恐ろしい。
圧雪、圧雪アイスバーン
道路に降り積もった雪が車重で圧縮された状態。スタッドレスタイヤが最も得意な状態で、交通量の少ない地方で多く見られる。車の操作もしやすく、特に気温が−10℃を下回るような極寒時は夏場の乾燥路面と似たような感覚で走れる。
ミラーバーン
圧雪アイスバーンが通行車のタイヤに磨かれ鏡面仕上げされた状態。交差点や交通量の多い都市部で多く発生する。ブラックアイスバーンよりは車の取り回しはしやすいが困難な状態。交差点付近ではわだちも共に発生するので、行きたい方向に行けないなどの苦労もある。

圧雪以外は「発進できない」・「曲がらない」・「止まらない」と困難な状況に置かれることもあります。そういう時はスピードを落とし、急操作を避ける以外に方法はないので、行程にはかなりの余裕を持たせ、ルート選びも雪の少ない道南まわりを選択するなどの工夫があったほうが良いでしょう。一見遠まわりでも結果的に安全で時間的にも速かったということは十分にありえます。また主要国道や高速道路をはずれると除雪回数が少なくなったり夜間除雪がないこともありますので、ルート選びは高速道路や国道を中心に考えることが大切です。また、同じ国道でも番号が3桁よりも2桁や1桁の国道のほうが安心です。また、実際に走ってみて路面状況が掴み難い場合は、信号待ちなどの時間を利用して実際に路面を触ってみるという手もあります。セダンなど車高の低い車では座ったままでも確認ができます。恐い思いをすることもありますが、車の挙動を感じながら運転できる冬のドライブは運転好きにはとても楽しいものだと思いますで、無理のない範囲で挑戦してみて欲しいと思います。
参考文献:観光体験ハンドブック北海道(北海道観光連盟発行)、国土交通省北海道開発局冬季道路管理