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ニセイカウシュッペ山 ~中越ルート~

今日はいよいよニセです。北海道百名山とか日本三百名山など肩書きのある由緒ある山で、なだらかな山頂に対比した急峻な大槍小槍の組み合わせなど地形的にも魅力十分な山です。

札幌を朝5時30分に出発し、先週と同じルートで上川層雲峡インターへ。国道273号線の中越から林道へ入ると、いきなりダートに突入。ここは登山口まで10kmらしい。当のあこは意外と御機嫌だったが、私が気を使って走ってると途中で2台に追い付かれることに...登山口に着くと既に7台は停まっている。ここも人気の山みたいだ。登山口は標高1200m。あこの頑張りのおかげで楽できそうである。

8時20分、歩き始めると林道の延長のような立派な登山道が徐々に狭くなっていく。傾斜は殆どなく藻岩山を登っているようだ。ニセの山頂まで片道5.5km。いつものペースで行ったら2時間で山頂に着いてしまう。意図的にのんびりペースで進みつつも30分ぐらいで木々の隙間から大槍が見え始める。

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更に30分ほどで展望台に到着。展望台とは言え少し広がったスペースがあるだけだ。傍の大岩に上ると表大雪が見える。展望台を過ぎると山頂と槍の景色を楽しみつつなだらかな道を進む。右側の視界が広がるとすぐに見晴台だ。展望台よりも表大雪がきれいに見える。先週登った平山からの展望よりも表大雪の山々が近くに見える。ここまで同じペースで登ってきた女性と山を見ながらの会話が弾む。見晴台をすぎると岩が多くなる。昨日の雨で所々濡れているので注意して進む。左側は谷へと続く急な斜面で、最低部を流れる沢の音がここまで聞こえる。

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道中、花は殆どなかったが、この辺りまで来てようやくエゾノハクサンイチゲを発見。ツガザクラやシラタマノキなど次第に賑やかになってくる。

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花を見ながらのんびり進むと風が出始め、周囲が白くなってくる。山頂はすぐそこなのに残念。結局、山頂からの景色はガスのかった中。それでも時折比麻良山や東大雪の稜線が顔を出す。下界の水蒸気を風でひっかき回している状態なので、1時間も待てば晴れるだろうと予測してゆっくりと昼食。しかし一向に晴れない。

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ガスの中待つのも退屈な話で、諦めて下山し始めた矢先に晴れ始める。予想は当たったが心境は複雑。登り返そうかとも思ったが、途中で見つけた大槍への登頂ルートをトライしてみることにする。急峻な斜面に道が巻いて上のほうに延びている。途中まで進むと反対側の景色が見えてくる。小槍よりも小槍っぽい巨岩の向うには東大雪湖が見える。ここから先は斜面も急でルートの状態も悪くて諦めることに。それでも十分楽しめた。

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滑る岩場を抜けて見晴台まで下りると、後から下山してくるパーティの鈴の音が全く聞こえなくなる。私と同じく大槍のルートを試しているのかもしれない。退屈な下りの森歩きを終えて登山口まで戻ってくると駐車場は3台のみ、あこも1台でポツーンと(写真)。それでも天気も良いし機嫌は良さそう。靴の泥を落としてザックと共にあこに積み「帰りは追い付かれる心配もないのでゆっくり行こうな」と声を掛け帰路についた。


行き: 登山口(8:20)→展望台(9:20)→見晴台(9:45)→大槍分岐(10:30)→山頂(11:00)
帰り: 山頂(12:10)→大槍中腹(12:35)→展望台(13:35)→登山口(14:10)

P.S. 今回のあこの燃費 12.4km/L (高速でちょっと飛ばしすぎ(^^;。眠くてつい)

比麻良山 ~大雪随一の稜線歩き~

比麻良山に行ってきました。ヒマラ山です!えっ、ヒマラヤ? 初めての北大雪行きにこんな珍妙な山を選んでしまったのも、先々週の縦走時に通りすがりの人が「ヒマラヤマなんていう山があるんですよ」って話してたのを耳にしたから...前から行きたいと思っていたニセイカウシュッペ(以降ニセ)の地図を調べてたら、東側に何やら良さそうな稜線を発見、ピークに比麻良山と書いてあります。何て読むのかなと思った矢先「ん?ヒマラヤマ??これじゃん!」みたいな感じで...よくよく調べるとこの稜線の山々、層雲峡側からヒラヤマ、ヒマナヤマ、ヒマラヤマですって!何という適当な名前。もう行くしかないだろうということで。

朝4時に札幌を出発し6時過ぎに白滝着。高速がつながったので驚くほど速い。白滝から上支湧別を過ぎると、あこ初めての難関10km近いダート道である。土煙を上げて疾走(?)するあこ。下回りに当たる小石の音が痛々しい。登山口はすでに4台ぐらい車が停まっている。人気の山のようだ。ここは既に標高1000m。稜線までは藻岩山+αぐらいかと高をくくっていたら、浮石が多くて足場が安定せず思いのほか苦戦。反面、稜線は安定して歩き安い。まずは平山山頂へ快適に到着...入山届では先発隊がいるはずなのに誰もいない。周囲を見渡すと山頂碑の向こう側に続く道を発見。進むと人がいた。気の良さそうなじいちゃんだ。

というか、その前に景色が半端ないんすけど。左側には東大雪の石狩岳から沼の原、正面には五色の稜線から黒岳、御鉢平、北鎮岳の表大雪まで全部一望できる。じいちゃん曰くココは大雪の展望台でニセなんかよりこっちの方がいいと。いや、確かに。自分が今まで数年掛けて登った山々が一望できるとは素晴らしい。手前の渓谷からは白い小さな点が移動していくのが見える。黒岳ロープウェーだ。先々週の下山時に乗ったときは、あれ程文明を感じたロープウェー駅が四角い点にしか見えなくて、あとは緑一色、リフトなんて形すら見えない。大雪の地図を広げつつじいちゃんとあそこのピークは何だと話しながら自然の大きさを感じた瞬間であった。

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平山のじいちゃんと別れ、いざ比麻良山に...別れ際「ヒマラヤに行って参ります!」と言ったら苦笑された。ここが長い稜線歩きの起点。ここの地形的特徴は標高差100mちょっとの稜線が4km近く続くこと。稜線歩きが好きな人にはたまらない条件。というか大雪でこんな地形は他にないと思う(高根ヶ原は平坦だが高原歩きの印象だし)。

歩き始めると両側の視界を遮る樹木がない地図でイメージした通りの稜線らしい稜線。岩場からはナキウサギの声が聞こえる。途中、道の不明瞭な箇所で念のためケルンを積んだりしつつ40分弱で比麻奈山へ。山頂標識はないが、この稜線の最高峰でケルンも積んであるので山頂だと理解できる。ここで急峻なアンギラスの背からニセに向かう踏跡が左に分岐する。右は比麻良山から文三岳に続くなだらかな稜線だ。何と対照的な絵だろう。

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比麻奈山からは左手に見えるニセの変化を楽しみつつ20分ほどで比麻良山に到着。数年前はあったらしい山頂標識が見当たらないが、三角点が山頂であることを主張している。ここで記念撮影。管理人は滅多に自分を撮ることはないが、何となく今日はそういう気分。夏の終わりを感じさせるトンボの群れも一緒に写真におさまった。奥にはニセイカウシュッペが顔を出している。夏休みの縦走で出会った増毛組が来週アタックするらしい。天気が良ければ同じ日に行ってみようと思う。

ヒマラヤと言うには何とものどかな山頂で、2平米ぐらいの平らな巨岩に腰を下ろすとお腹が鳴る。先の文三岳まで行ってから昼食と思っていたが、雰囲気に負けてお店を広げる。食事をしながらホゲ~としていると、文三岳なんてどうでも良くなってくる。ここで引き返そうかと思い始めた矢先に文三岳に向かう男性が通り過ぎる。地図を広げると片道1km高度差80m。腹ごなしには丁度良さそうだ。

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比麻良山から先は急に道が悪くなる。道というよりは踏跡という形容が似合う。行く人が少ないのだろう。ブヨブヨしたハイマツの根の道を進むとクマの糞を見つけ気を引き締める。先の踏跡にはコマクサなど高山植物も多い。気を付けてたがうっかり踏んでしまう。あと5年もすると地図から消えてしまいそうな道を進むに連れ、今通っておいて良かったと思い始める。ふと前を見るとキタキツネがいる。私の食料を狙っているのかと警戒しつつ進むと猛スピードで逃げていく。本当の意味で野生だ。里のキツネと違って全く媚を売らない。

この区間は足下と周囲に気を配っていたので景色の印象が残っていない。山頂に着いてアンギラスの背とニセが並んできれいに見えるので驚いたほどだ。平山が大雪の展望台なら、文三岳はニセの展望台だなと思う。ここも山頂標識はなくケルンのみ。なだらかな稜線は北大雪スキー場の方に傾斜がついて下っていく。ここでも記念撮影をしてみる。なんだか80年代のアイドル写真のような構図になった。

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ここからは来た道を折り返す。比麻奈山でティーブレイクをした後下山。途中で多くの人とすれ違い人気の山なんだと再認識。下り道では見事に浮石を踏んで転ぶも無傷。2時間40分で文三岳から白滝コース登山口に帰ってきた。案の定、駐車場は満車。あこは仲間が大勢いて楽しそうだ。が、帰りの高速でトンボが激突。高速下りたら取ってやるからと言っていたが愛別の協和温泉への道で迷って忘れていると、あこの小さな反抗。メーターが突然全消灯。殆ど見えなくなったメータに苦労しつつ協和温泉着。汗を流した後、トンボの残骸を取ってやると機嫌が良くなる。とても人間的な車だ。高速に戻ると2時間弱で札幌。途中のトンネルでは進路変更時に無灯火で突っ込んで来た車に気付かずニアミスになるが、それ以外大きなトラブルもなく無事帰宅。とても充実した休日になった。さあ来週はニセだ。


往路 白滝コース登山口(07:10)→平山分岐(8:50)→平山(09:10)→比麻奈山(10:20)→比麻良山(10:45←昼食→11:30)→文三岳(11:50)
復路 文三岳(12:00)→比麻良山(12:30)→比麻奈山(12:50)→平山分岐(13:20)→白滝コース登山口(14:40)

今回のあこの燃費 13.4km/L。コンスタントに良い。

表大雪縦走記3日目 ~黒岳石室・黒岳・層雲峡・天人峡~

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朝5時起床。桂月岳に登ろうと言いだした張本人が隣で寝ている。私も二日酔いだ。フラフラする。そうは言いつつノソノソと起き出し食事の支度。前日の4人の内の一人、帯広から来たと言っていた彼だけは登ったらしい。みんなから裏切り者呼ばわりされたが、良く話を聞くと寒くて眠れなかったらしい。それで一睡もせずに登ったとか。黒岳石室は朝も賑やか。石室の管理人が遠くの熊(殆ど黒い点)を見つける。みんなで写真をとったり大騒ぎ。私も直接見るのは初めてでワクワクだった。

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本日も天気は良好。二日酔いで気持ち悪いが、せっかくなので朝日を逃した桂月岳に登る。途中はナキウサギの合唱にコマクサが奇麗に一輪。エゾシマリスも活発でしばらく観察したがいい写真は撮れなかった。風が出て寒くなってきたので、石室に戻って一息ついた後出発。この旅のラストピークである黒岳はすぐそばだ。日帰りで訪れたときは然したる感動もなかったが、今回ばかりは同じ風景でも違う。

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黒岳山頂で天気の良い大雪を眺めながらのんびり。少し早いが9:20には黒岳を出発。何故かというとここは花の誘惑が多いから。下りはじめると、案の定花満開だ。トリカブトにハイオトギリ、チシマノキンバイソウ等々。途中できれいなエゾウサギギクを見つけた時に思わず「あっ、ウサギちゃん」と言ったら、登って来た人がびっくりした様子でこちらを見る。本物のウサギがいると思ったらしい。そんな感じで約2時間かけてリフト乗り場へ。

層雲峡で風呂と昼食をすませバス停へ。ここからがいつもと違って小旅行だ。天人峡で待っているあこを回収しにいかなくてはいけない。バス待ちの間に隣の人に話かけると、銀泉台まで車を回収しにいくそうだ。私と同じような人いるなぁと思いつつ、時間が来たので旭川行きのバスで上川まで行く。ここでJRに乗り換えると早くて安い。

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上川からキハ40にゆられること1時間ちょっとで旭川到着。旭岳温泉行きのパスに乗り換える。乗客は私とこれから旭岳-トムラウシを縦走すると話してた人の二人。途中眠っていて気がついたらもう東川。窓の外は雨が降っている。天人峡に着くと可哀想に雨の中ポツンと一台であこが待っている。3日間お世話になったザックをあこに積み、「君といるといつも雨だねぇ」と言いながら帰途についた。

3日目の行程
黒岳石室(7:20)→桂月岳(7:35)→黒岳石室(8:00)
黒岳石室(8:15)→[黒岳(8:50)]→黒岳七合目リフト(11:10)→層雲峡(11:50)
層雲峡(13:30)→JR上川駅(13:55)→JR旭川駅(15:10)→天人峡(16:30)

今回のあこの燃費 12.1km/L(途中で渋滞があった割には...)

表大雪縦走記2日目 ~忠別小屋・忠別岳・高根ヶ原・北海岳・黒岳石室~

夜は小屋のトタン屋根が剥がれて風が吹くたびにすごい音がしていたが、耳栓のおかげでぐっすり眠れた。筋肉痛が心配だったが、前日のケア(ストレッチとバンテリン)が良かったのか痛くない。4:30ぐらいからモソモソと食事や出発準備をして、6:10に小屋出発。天気は薄曇りだが高い雲で視界も良好。この日は時間的にも余裕があるし、小屋周辺の高山植物の写真をとりながらのんびりとスタート。

1日目は不幸の連続だったが、2日目は幸運の連続。小屋分岐から忠別岳までの登りのハイマツ漕ぎで体力消耗するのイヤだなぁと思っていたら全部きれいに刈られている。快適に登っていくとトムラウシの山頂が五色岳の稜線から顔をのぞかせる。トムラウシ方向は快晴だ。そうこうしているうちに忠別岳に到着。今年は花が残念な感じで山頂のアキノキリンソウの群生もチラホラな感じ。しかしながら山頂からの景色は最高。前回来たときはガスにかかって見えなかった景色が目の前に広がる。景色を堪能した後、山頂碑とトムラウシのピークを入れて写真を撮る。写真を撮りおわるのを待ってくれたかのように、突然ガスがかかる。


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山頂から忠別沼までの下りは終始ガスがかかり、ツキもここまでかと思われたが、忠別沼の木道に差しかかったあたりで晴れ始める。

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リシリリンドウやウメバチソウ、ワタスゲがいい感じに咲いている。木道を占拠しつつゆっくりと風景や花写真を撮りながら進んで行くと暑いほどの陽気に。ここで白雲小屋からピストンのおじさんに会う。旭岳から縦走する予定が悪い天気のせいで白雲で二泊してここまでピストンに切り替えたらしい。みんな今年の天気には苦労してルート変更等考えているようだ。

私が今回このルートを通りたかったのは、忠別岳からの景色と、リシリリンドウの写真が撮りたかったため。もうこの時点で目的はほぼ達したと言ってもいい。それでも幸運はまだまだ続く。

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忠別沼を堪能した後、白雲小屋に向けて出発したが進行方向は曇っている。さすがにそううまくはいかないだろうと思っていたら、私が動くと晴れ間もあわせてついてくる。いやぁ、なんてツイてるんだと思いつつ軽快に高根ヶ原を通過。足下は多少ぬかるんでいるが問題ない。

新道分岐ではクモイリンドウが奇麗に咲いている。また白雲小屋近くではトカチフウロがちょうど見頃。エゾウサギギクやダイセツトリカブトなどと一緒に一面に花が広がっている。数メートル進んではカメラを構えるという状態が続く。結局、新道分岐から白雲小屋までは地図のコースタイムと同じ。私にしてはかなり遅いペースだが、この日はのんびり山行と決めていたので、こういうのも良い。

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白雲小屋で昼食を取った後、午後の部スタート。昼食中は曇っていたが、私が動き始めると徐々に晴れ間が広がっていく。本当に私を中心に天気が動いているようだ。白雲岳分岐から北海岳に向けては雪渓渡りでルートがわからなくなるトラブルがあったが、難なく元のルートに復帰。ここでエゾオヤマノエンドウの写真を撮りたいという希望もあったが、かなえられず。どうやら花関係は期待してはいけないらしい。この頃には、疲労も蓄積し足取りが重い。しかし、頑張って本日のラストピーク、北海岳へと上がる。その瞬間、疲労がふっ飛んだ。御鉢平が見事である。以前から「御鉢平のダイナミックな立体感を写真で表現するにはどうしたらいいだろう」と思っていたがその答えがここにあった。御鉢平は地図上では平坦な一周ルートなので、正直、歩くルートでこんなに見た目が変わるとは思っていなかったが、この変わりようには驚いた。

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ここで増毛から来たという二人連れ(http://blog.goo.ne.jp/syokann) と合流。写真を撮ってもらう。層雲峡早朝発で黒岳から日帰りで御鉢平一周しているらしい。いや日帰りで御鉢一周なんてすごいなどと色々と話している内に、自然と即席パーティで黒岳石室まで行くことに。更に中国人グループも加わりに一変して賑やかな山行に。北鎮側と違ってこちらのルートは起伏に富んでいる。急斜面あり、雪渓あり、川(徒渉)ありで疲れた身体に応えるものの歩いていて楽しい。雪渓近くのチングルマの状態も良い。石室への登り返しではさすがにバテたが、ワイワイ言いながらあっと言う間に石室着。

石室でチェックイン?をすませると外のテーブルで、ビールを買ってのんびり一杯だけ...のはずが、隣で飲んでいた夫婦と話したりしている内に、もう一杯、更に日本酒と酒が進みあっと言う間に日が暮れる。外の人も日暮れと共に少なくなってきたが、石室は自家発電照明で20:00消灯らしい。今は19:00。あと1時間ぐらい誰かと話でもしようかと近くのテーブルの人に話かける。こちらは銀泉台から白雲周りで来たらしい。山ルートの話で盛り上がる内に、酒を飲もうということになり御相伴にあずかることに。風もなく穏やかな夜で、気付けば人数が4人になって星を見ながら飲み続け22:00に。この4人で明日は桂月岳で朝日を見ようということになり、朝4時起床と約束し就寝。私にとって初めての山の酒はいい思い出になった。


二日目の行程
忠別小屋(6:10)→[忠別岳(7:25)]→忠別沼(8:05)→新道分岐(10:20)→白雲小屋(11:40着12:10発)→北海岳(13:35)→黒岳石室(15:00)

表大雪縦走記1日目 ~天人峡・化雲岳・忠別岳避難小屋~

今年の夏休みは安定した天気が続かないということで、計画していた十勝連峰縦走を諦め8月13日から2泊3日で表大雪を縦走することに...3日目の8月15日も下り坂予報だったため、すぐに下山できるよう2泊目を黒岳石室に設定。忠別岳と高根ケ原はどうしても通りたかったので、あこ(車)の回収を考慮すると天人峡から登って1泊目は忠別小屋という選択肢しかなかった。

1日目、札幌では青空が覗いていたにもかかわらず、旭川北インターで既に雲に覆われ、天人峡が近づくにつれてポツポツと降り始める。天人峡に辿りつくと崖上あたりから既にガスがかかり視界が悪くいやな感じ。2日目の天気予報が良かったので今日は根性登山と割り切ってスタート。他に登っている人はいるかなと思って入林届を見たら、本州からの1組のみ。しかも私の3時間前にスタートしている。これは今日は小屋まで誰にも合わないなと覚悟を決めて出発。

天人峡ルートは大雪で一番通りたくないルートとして有名で、下りはともかく登るなんてとよく言われるが、私は過去に登り下り3回ずつ経験して、そこまでイヤな印象は持っていない。しかし、今回はひどかった。全然整備されていないのか、第一公園までは2年前にはなかった倒木が数多く登山道を塞ぎ、雨でぬかるむ中、倒木を避けながらの山行で第一公園に着く頃には既にへばってしまった。ここで食事でもしようかと思った矢先に、追い打ちをかけるように本降りとなる。結局、キャラメル数個を口に入れ、雨具を着て進むことに。

ここからは沢登り状態。しばらくして雨は止んだものの上流で降ったのが登山道に流れ込んでくる。水に浸かりながら頑張って登る。ようやく水が引いたのはポン化雲岳が見え始めたぐらい。もうこの頃には脚が上がらなくなっている。気力だけでポン沼へと上がると、先に出発した親子らしき背の高い人達と出会う。話を聞くとヒサゴ沼泊でトムラウシに行くそうだ。今日は大変だったと労を労いつつ、少し気が楽になる。その勢いで1947mピークまで登る。ここまで来れば後は平坦。疲労困憊ながらも化雲岳到着。この時点で忠別岳方向が晴れてきてここで小休止、写真を撮ってもらう。

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予定よりも1時間ぐらい遅れているので、親子と別れ忠別小屋へ向かう。このあたりでは、マグロじゃないが止まったら動けなくなりそうな感じ。奇麗に咲いていた化雲平のツガザクラなども無視してひたすら歩く。甲斐あって日暮れ前に忠別小屋到着。

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ここで更にアクシデント。小屋1Fに荷物を広げて横になろうと手を着いた時、床が抜ける。雨もりで腐っているらしい。しょうがないので広げた荷物を回収して誰もいない2Fへ移動。2Fは床も安定して快適。すぐそばの雪渓に水を汲みに行き、食事をして6時過ぎには、うとうとと就寝。

結局、この日は化雲岳で撮ってもらったのと、化雲平で誘惑に負けたエゾウサギギクの写真しか撮っていない。こんなこと山に入って初めてで、よっぽどキツかったんだなと実感した。

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一日目の行程
天人峡(9:38)→化雲岳(14:50)→五色岳(時計不明)→忠別小屋(16:30)