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あことサロマ湖周遊その2 ~ワッカ原生花園&中湧別駅記念館~

というわけでワッカ原生花園に来ました。サロマ湖の上には朝霧が掛かってましたが到着した頃にはすっかり晴れています。「じゃあ、行くか」と、登山用に持って来たザックを背負って出発です。道路地図ではワッカ原生花園と、その奥に竜宮街道原生花園というのがあるようで、結構歩きごたえのあるコースで楽しめそうと思っていたら、ネイチャーセンターでもらった地図によると竜宮街道原生花園や砂州突端方面は通行禁止になっているらしい。それでもコース終点のワッカの森まで往復9km。レンタル自転車もあったが、このぐらいの距離なら片道1時間ちょっとなので歩くことにする。

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歩き始めるといきなりハマナスの赤い花が見えてくる。時期がいいのか他にも色々な花が目白押し。写真は順番にハマナス、ハマエンドウ、エゾツルキンバイ、エゾスカシユリ、センダイハギ、ムシャリンドウ、エゾゼンテイカ(エゾカンゾウ)、エゾフウロ。何だか高山で良く見かける花に似たような花だなと思ってパンフレットと見比べるとやっぱり同じ種類だ。特にエゾフウロなんかはトカチフウロに良く似ている。他にもカセンソウ、ミヤマラッキョウ、セリ類、ヒオウギアヤメ、ハマヒルガオなども咲いていた。

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とにかく多いのはハマナスでワッカの森までの全行程で見られる。次いでエゾスカシユリ、こちらも全行程でチラホラ見掛ける。エゾカンゾウはコース後半の第ニ湖口を過ぎると一気に群落が拡がる。散策路は町道ワッカ湖岸道路(車両通行不可)でアスファルト道で快適だが、両側に水辺が見えるかと思いきやそういう場所は少ない。高度計の標高は5m。割と正確である。空気は十分過ぎるほどに濃いが、先週の仕事疲れと本日の早朝出発がたたって早くもフラフラしてくる。「今日は山登らなくて良かったかも」と思いつつ歩みを進める。いい加減ハマナスとエゾスカシユリの単調な景色に飽きたころに第ニ湖口に到着。サロマ湖の水質悪化を防止するために人工的に作られた開口部。湖側から凄い勢いでオホーツク海に水が流れている。ここを過ぎればコース終点まで900m。どんな場所かと思いきや、森の中に広がった草原に東屋と水場があるだけ。

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水場は花の聖水「ワッカの水」と呼ばれる湧き水。少し飲んでみる。うーん、真水。なんでこんなところに...サロマ湖って淡水だったっけ? と思いつつ、せっかくなので汲んだ水を沸かして東屋で昼食に。食事中に何人かがやってきて、その内の年配の男性と話をするも、やはり「サロマ湖って淡水ですか?」という話になる。さっき見た第ニ湖口も湖から海に流れていたし、ワッカの水に何よりこの豊かな森、真水がないと成長できないでしょと思いつつ、男性と別れた後、気になるので湖岸まで行ってなめてみた。しょっぱい・・・海水です(><)。ということは、第ニ湖口の流れは潮の満ち引きの状態で変わるのかと思い、後で帰り道に確認したところゆるやかに逆方向に流れていた。「自然エネルギーってすごいですね。ここに発電所でも作ればいいのに」とか思ってしまった。

まぁ、それは後の話として、湖の水をなめた後、周囲を散策していたら、「北見モンゴリナラ林木遺伝資源保存林管理歩道標識」という、何を意図したかよくわからない散策路を発見。1番から7番までの標識があってグルっと回れるようだ。せっかくなので行ってみる。1番からスタートして2番に、行き止まりになっているがオホーツク海に抜ける道もあるようなので、そこを目指して、2番から4番、4番から5番、5番から6番、そしてオホーツク海の行き止まりということで歩いてみたものの、1-2間以外は整備されていないのか熊笹が覆いかぶさって、道がわかりにくく、鬱蒼とした森の中。正直、森歩きに慣れてない人にはあまりお薦めできないコース。興味深かったのは行き止まりの箇所から6-5-8と続く道を境に植生が全然異なること(写真)。何でだろうと思ったら答えは植林でした。

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何だかんだいってフラフラになりつつ、楽しめたワッカ原生花園の後は温泉で汗を流そうと、かみゆうべつ温泉チューリップの湯に行ってみる。ヌルっとする独特の感じは間違いなくアルカリ泉。しばらく堪能した後は、温泉の横にある中湧別駅記念館に。記念館というか中湧別駅の一部がそのまま残っているだけで、車両の中に展示があるんですけど...残念ながら車両の展示は鍵が掛かっていて見られませんでした。まぁ、外から見た限りそんなに興味深そうな内容ではなかったですが。後で気付いたんですが、ここの隣にある文化センターTOMにも鉄道資料があるようです。その後は、ふるさと館JRYの屯田歴史博物館を見て帰りました。我が町にも屯田兵屋が2つありますが、ここのはきれいにライトアップされていたことでモダンな印象を受けました。注目はジオラマ類の展示が入植当時をリアルに再現してたことでしょうか。「これはキッツいな」という当時の人達の気持ちがよくわかります。

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ここまでで夕方4時。結局、丸一日サロマ湖周辺で遊んでしまった。大きいだけに見ごたえありますね。また来たくなってしまいました。


本日のあこの燃費:15.0km/L(なんかこの娘、どんどん少食になっていくんですが大丈夫なんでしょうか? 同型でこんな燃費レポート見たことない...トリップメーター誤差も標識と比べてそんなに差はないし)

あことサロマ湖周遊その1 ~芭露水芭蕉群生地&計呂地交通公園~

今日は大雪高原温泉から緑岳ルートで白雲岳まで登って見ようということで、例によって朝4時30分に札幌からスタートしたまでは良かったが、旭川紋別道の愛別インターを過ぎた辺りで登山靴を忘れたのに気が付き呆然とする。もう距離的に取りに戻るのも不可能なので今日は登山中止。そのまま紋別道を走って3月に行ったサロマ湖あたりを周遊してみようということで、そのまま上川層雲峡インターを通過して丸瀬布方面へ。8時には前回訪れた芭露水芭蕉群生地に着いていた。

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前回と同じく季節的にもう芭蕉様でもないだろうと思いつつ、何か他の花が咲いているかもと散策する。一番目立ったのがフランスギク。北海道では至る所に群生していて、ウチの近所のごみステーション脇にも咲いているが、白い花はやっぱり美しい。

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黄色い目立つのはクサノオウ。枝豆みたいな実がなっている。日本全国どこでも見られる花のようだが、気にして見たこともないので中々に面白い。

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驚いたのは芭蕉様の葉で、半端ない数が群生している。ここまで密集しているのを見たのは初めてかもしれない。

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あこも、昨日洗ってあげたばかりでピカピカの御機嫌モード。たまには記念撮影ということで。

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前回と同じルートで計呂地交通公園に行ってみる。もう宿泊営業はやっている時期だが、
管理人さんが常駐しているのは16時~19時までのようで、鉄道資料館が見たい方は電話下さいとの貼り紙がしてある。「もちろん見たいでしょう!」ということで管理人さんに電話して見る。後でよくよく考えて見たら日曜日の朝8時30分。普通なら非常に迷惑な話であるが、「10分ほどで行きます」と快く応じて下さった。中は非常に小規模ながらも、湧網線周辺の乗車券や乗車証明書が充実しており、運行表や時刻表などお約束アイテムの他、タブレット閉塞機が2台も保存されていた。 管理人さんは鉄道にはあまり詳しくないようだが、昔、列車が着いた時にこの音を良く聞いたとタブレット閉塞機の鐘を鳴らしていた。結局、管理人さんと話をしたり展示を見るのに夢中になっていて、写真を撮るのを忘れていた。

交通公園の散策路についても聞いてみるが、この時期はあまり花もパッとしないらしい。秋にはサンゴ草の群生も見られるが能取湖のほうが奇麗だということだ。じゃぁ、「サロマ湖対岸の原生花園のほうがいいですか?」と聞いてみたら、散策するならそっちのほうがいいということで、お礼を言って原生花園に。

黒岳山開き ~恐怖の雪渓と御鉢平一周コース~

高速道路無料化実験と1000円特別割引が先週で終わり、何か安い方法はないかと色々調べていると休日特別割引(50%引き)は有効だということに気付き(マスコミ報道がまぎらわくて休日割引が全部終わったと思ってた。)、だったら全然問題ないじゃんということで、黒岳が丁度山開きということもあり層雲峡から黒岳~御鉢平一周というのをやってみました。

忘れ物のないよう入念にチェックをした後、朝4時に札幌発。あこの巡航速度も大体分かって来て、100km/hというか2000rpm巡航ぐらいが御機嫌らしいので、高速道路をのんびりと走行し3時間ほどで層雲峡に到着。6時50分のロープウェーに乗り込んだが、グローブをあこに忘れてきたのに気付き出発前に降ろしてもらう。あれほど注意してたのにお粗末な話だ。五合目では山開きらしく、なっきーの着ぐるみが愛敬を振りまいている。とは言え人も少なくて、静かな山になりそうな予感がする。

リフトで七合目に到着して登り始めるといきなりの残雪。その後も殆ど登山道は雪に埋まっているが、雪割りで道が付けられていて安心して登って行く。所々に初めてみたソウウンナズナの白い花が咲いている。季節を変えると色々と違った花も楽しめそうだ。ショウジョウバカマやジンヨウキスミレなども咲いている。

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八合目を越えるとボチボチと雪が少なくなってきて、もういらんだろうと一応付けていたアイゼンを外す。しかし、九合目に本日一番の難所が待っていた。道は付いているが足場が狭いうえに急斜面の雪渓が100mぐらい続いている。まぁ、何とかなるだろうと進むが以外と滑る。気温が低いのでキックステップも使えない。足下を確認しながら一歩一歩確実に進みつつ、帰りは絶対アイゼン付けようと心に誓う。難所を抜けるとご褒美のようにエゾノハクサンイチゲが咲いている。黒岳山頂ではメアカンキンバイやイワウメも満開に近い。ここまで同じペースで上がってきた女性は体調が万全でないので桂月岳で折り返すらしい。山開きとは言え、御鉢平一周までする人はあまりいないようだ。

黒岳小屋で赤石川の情報を聞くと、今年はまだ雪渓に埋まっているし、他の雪渓もマーキングしてある上に、今日は登山会でいっぱい登ってるから安心して行ってこいということだったので、北鎮方面から左周りルートで行くことにする。登山道は所々雪が残っているがルートは明確。少しずつ標高を上げると視界が開け、赤石川に水の流れを確認する。小屋のおっちゃんの情報は大丈夫かと少し不安になるが、残雪期の御鉢平はどこから見てもダイナミックで景色を堪能しつつ進んでいく。ここまで来ると北鎮岳の雪渓を登っていく御一向様が見えてきた。結構な人が登ってるなぁ。

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遠くから見ていると大した傾斜に見えなかったが、実際に雪渓に辿りつくとドーンと雪の斜面がそびえ立っている。マーキングではそこを直登していくが、「いや、それはないでしょ」と、迷わず先ほどの御一向様が通っていたトラバースルートを通る。このあたりから標高2000mを越えてきて息があがって辛い。空気が薄いのを実感する。雪渓を抜ければ北鎮岳分岐。少し心ひかれたが今日は素通りで中岳を目指す。中岳周辺では別な御一向様とすれ違う。どうやら各々旭岳と黒岳からスタートして縦走する登山会のようだ。この時は、山開き初日から何とハードなことを思ったが、よくよく考えてみると御鉢平を一周する自分のほうがルート的にキツいことを後で気付く。

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中岳分岐で休憩していた旭岳に向かう御一向様を追い抜いた後、ものすごくお腹が空いてきたので間宮岳の分岐点で昼食にする。先程抜いた御一向様に囲まれて気まずい思いをしつつ食事をしていると4人ほど旭岳のほうからやってきた。二人は中岳温泉を通って一周、もう一人も北鎮岳方向、もう一人は後程同じルートを通ることになる。食事を終えると後は未踏の荒井岳・松田岳ルートに入る。ここからは砂礫の尾根が続くようだ。

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一つ目のピークを何気なく通過してコルに降りて気付いたが、このピークが荒井岳だったようだ。山頂碑もなくなだらかなピークに気がついたら過ぎていたという表大雪にありがちなトリックに引っ掛りつつ次の松田岳を目指す。このコルでは青年と出会う。赤石川の情報を聞こうと思ったが、彼は白雲岳から来たらしい。今日は色んなルートの人と会うなぁと思いつつ、黒岳に向かっているパーティーに北海岳で会ったという情報をもらって別れる。2つ目のピークに着くと、かつて案内標識だったろう木片が転がっており、地形的にもここが松田岳だということにする。そして3つ目のピークを登り切ると北海岳。こちらはちゃんと山頂碑やベンチも健在だ。しばらく休憩していると先程、間宮岳で食事中に会った男性が追い付いて来た。同じルートだということで気をつけて行きましょうと話をして、私が先に出発。頂上下の亀岩のところで御鉢平の写真を撮る。

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ここまで砂礫地が続き花もなかったが、ここでキバナシャクナゲを発見。と思ったらルートが消え雪渓に突入。急な斜面だが夏道の上は足場が広いので難なく通過。その後、ミヤマキンバイ、イワウメ、コメバツガザクラなど続々と咲いている花の写真を撮りつつ進んでいると、先程の男性が追い付いて来て即席パーティで黒岳小屋を目指す。北海沢は完全に雪で埋まっているが、何度か通ったルートでマーキングもしてあるので安心。いよいよ赤石川徒渉点まで来ると雪渓に大穴が空いているのを発見。「これは後一週間もすれば通れなくなるので運が良かったねぇ」などと話しつつ川の上を通過し、黒岳小屋に帰還した。何故かいつもここまで帰ってくると気がゆるんでしまう。ベンチに腰かけて小屋の管理人さんも交えて山話に夢中になり気がついたら45分も過ぎていた。

下りの雪渓もあるということでお開きにして小屋を出発。行きに見かけた雄のノゴマが同じ枝に留まって鳴いている。鳥にもお気に入りの場所があるようだ。下りの雪渓がまた大変で雪割りで作った道が溶けてなくなり、緩い斜面で滑落したり色々とあったものの、お互い無事にリフト乗り場に到着。五合目の売店で山開きの記念バッチを買い、なっきー着ぐるみにお別れを言って下山した。


層雲峡(7:00)→黒岳7合目(7:35)→黒岳(8:40)→黒岳石室(9:00←情報収集→9:05)→北鎮岳分岐(10:15)→中岳(10:30)→中岳分岐(10:40)→間宮岳分岐(11:00←昼食→11:30)→松田岳(11:55)→北海岳(12:10)→赤石川徒渉点(13:10)→黒岳石室(13:15←休憩→14:00)→黒岳(14:15)→黒岳7合目(15:30ぐらい)


本日のあこの燃費:14.4km/L(10.15モードしか公開されてませんけど、カタログ値を大幅に越えました)

東ヌプカウシヌプリと白雲山 ~初夏の晴れ間を目指して~

今週末も好天の兆し見えず。どうせなら少しでも天気の良い所に出掛けようということで、予報の良かった十勝方面に。然別湖周辺の低山で登ったことのない東ヌプカウシヌプリに登って時間があったら白雲山に行こうということで計画。で、朝、起きられず。8時に眠い目を擦りつつ、あこに荷物を乗せて札幌を出発。今日は高速無料最終日という割には道路は至って空いている。おかげで11時30分に登山口に到着。

東ヌプカウシ山頂は薄くガスが掛かっている。まぁ、こんなもんかと思いつつ出発。停まっている車の台数から、生憎の天気にも関わらず結構構な人が登っているようだ。この季節の森の中の山道は久しぶりで、高い湿度に汗が噴き出るが軽快に登っていく。途中で家族ずれが集まっているのを発見して、鈴の音を消して静かに近寄る。案の定、ナキウサギしゃんがいるらしい。指差すほうを見るとかなりの至近距離で草を食べている。で、今年始めの出会いをカメラに収めたつもりがシャッタースピードが遅すぎてブレブレに(T_T)。

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出会いを楽しんだ後も急な勾配を登っていく。地図で見る限り、尾根に出るまでは結構急勾配が続いている。ナキウサギの住処でもある苔むした岩々と所々にある松が庭園のよう。そんな山道をしばらく進むと視界が明るくなって来る。所々にウメバチソウの白いが咲いている。大雪では8月終わりでも咲いている個体があるのを考えると、長持ちする花だなぁと関心する。山頂は特に薄曇りの中これと行った景色もなく人の姿も見えず。山頂碑の近くで昼食を取った後、続いていた道を辿ってみる。しかし道は結構標高を下げてずっと続いている。一体どこまで続いているのかと途中であきらめて引き返したが、後で降りて来た人に聞いたら、この先の岩場にナキウサギの観察をする人が結構いたらしい。

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山頂に咲いていたメアカンキンバイを写真に収めた後、雨雲が拡がり始めたので撤収し下山。ナキウサギにウメバチソウにメアカンキンバイと結構見どころ十分だった東ヌプカウシヌプリだった。今度はナキウサギの岩場にも行ってみようということで次に行く楽しみも出来た。結局。雨に降られたが今回は森の恩恵にあずかって一切濡れずに、登山口に着いた頃にちょうど晴天になる。

なんだかツイてるのでこのまま白雲山も行ってみようと、その足で登山口まであこを走らせる。登山靴で運転したの初めてかも...なんか勝手が違う。数分で白雲山の登山口着。時間は13時38分。結構な駆け足登山になりそうだけど、まぁ、山頂まで1時間、下り、40分としたらまだ間に合う。こちらは大雪の悪名高き天人峡ルートと良く似た登山コースで一気に300mぐらい高度を上げて尾根道に出る。登り初めて少し後悔するが、もう後には引けない(いや気持ち的に引きたくない)。山頂手前で御一向様とすれ違ってからは山には人の気配もない。山頂につくと思いのほか良い景色。然別湖が一望できる。静寂の中、時折、ナキウサギの声も聞こえる。

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山頂付近にはトカチフウロが多く咲いていて、これだけ夏の花があればゴゼンタチバナもあるだろうと思って探したら一株だけ見つかった。前回登ったのが雪の十勝岳だったので二週間で一気に夏山になってしまって気分的には戸惑いを隠せないが、もう6月も19日だし、さもありなんという感じ。なんだか、このまま今年の夏おわっちゃうんじゃいかと、イヤな考えも頭をよぎる。

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さて低山とは言え、時間帯的に誰もいなくなってしまったことだし、とにかく気をつけて降りる。もう何かあっても誰も助けてくれない。とは言え、こういう状況は慣れっこなので落ち着いたもので花の写真などを撮りつつのんびり降りる。

山を降りた後はすぐ傍の然別湖温泉「風水」で温泉に漬かる。もう一軒の「福原」は日帰り入浴をやっていない(以前フロントに訪ねてみたら10kmほど離れた山田温泉に行けと言われてしまった)ので必然的にここなのだが、ここはここで湖と登って来た山の稜線が一望できるのでとても気に入っている。

せっかく十勝まで来たので、管理人お気に入りのラーメン屋さん士幌の「あけみちゃん」に行ってみようと早めに温泉を切り上げて出発するが、鹿追側から行ったことがなく、士幌の街中を南へ北へと迷走したあげく、ようやく辿りついたら「本日終了」の看板が...あこの迷惑そうなオーラが空腹の身に突き刺さる。後で調べたら、営業時間が16時30分までということで、迷ってなかったらおそらく間に合っていただろう時間だ。まぁ、しょうがないのでそのまま帰路につくという何とも中途半端な旅の終わりになってしまった(しかたなく帰りのサービスエリアでラーメンを食べたが何とも言えない虚しい味であった)。

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東ヌプカウシ登山口(11:25)→東ヌプカウシヌプリ山頂(12:13←昼食・散策→12:43)→東ヌプカウシ登山口(13:35)

然別湖畔登山口(13:40)→白雲山(14:35←休憩→14:50)→然別湖畔登山口(15:30)


今回のあこの燃費:14.2km/L(あこに乗り始めて最高記録です。高速をのんびり走ると驚くほど延びますね)

十勝岳 ~春の根性登山~

蝦夷梅雨とめぐり合わせの悪さで週末の度に曇天や雨。いい加減我慢ができなくて、雨降られてもいいから十勝岳登ってこようということで行ってきました。札幌の山のほうが晴天で良さそうでしたけど、やっぱりここを登らないとシーズンが始まった気がしない。朝6時30分に札幌を出発して、道中比較的いい天気。あこと「今回は大丈夫そうだね」と言いつつ望岳台に...山頂には雨雲があるもののまぁまぁの天気です。風向き的に運がよければ晴れるかもと思って出発。

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序盤のハイキングコースからジワジワとやられ始める。「もうですか!」と自分にツッコミを入れつつも、やはり今年は春香山登って以来だから脚が重い。幸いなことに心肺は問題なしということで、今日は脚をいたわりつつゆっくり行くことに。標高1600mを越えるとガスの中に突入。なんかいやな感じですな。1720mピークに立つと視界は数十メートル弱、すぐ傍のスリバチ火口も全然見えない。1720m標識は誰かが補強してくれたようで去年より安定感を増して立っている。まぁ、ここまで来たことだし山頂までは行ってみようということで重い脚を上げて進む。溶岩ドーム手前あたりでは風向きが悪くて62-2火口からの硫化水素のイヤな匂いが混じる。幸いなことに風も強いので薄まって咳き込むほどではない。それにしても視界が悪い。もう10m先ぐらいしか見えない。

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いつもなら夏道をトレースして十勝岳の肩に上がるルートを通るが、このルートは崖の近くを通っているので視界がない中では怖くて直登ルートを取る。と言っても視界がないので、それらしき方向に向かっている足跡をトレースして行くだけ。直登ルートはひたすら山頂に向かって雪の急斜面を登るのだけど、アイゼンは付けてはいても所々雪が固いところが滑りそうで恐怖心を煽る。落ち着いて休める場所もないので脚もキツい。まぁ、そんなわけでボロボロになりつつ、山頂に付く頃には追い打ちをかけるようにミゾレっぽい霰が降ってくる。更に山頂ではショックな出来事が...去年きれいに完成した山頂標識がなくなっている。北海道・環境省の銘板だけが残った柱だけは転がっていたが、十勝岳連峰をモチーフにした美しい「十勝岳」の銘板は跡形もなく消え去っていた。強い季節風は仕方ないとしても一冬越せなかったかと思うと残念だ。

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山頂では2人(http://shimatancho.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/06/post_f63c.html)が昼食を取っていたが、悪天候の中、とてもそんな気分ではなくて行動食を取って早々に山頂を離脱。全く何しに登ったのやら。山頂から溶岩ドームを降りきった辺りでアクシデント発生。軽快に下ったのはいいが道を見失う。周囲の視界は行きよりは多少回復しているがそれでも20mも見えればいいほう。気温は4℃で悪天候の中、正直ヤバいなと冷や汗が出てくる。何十回も登った山で遭難とは目も当てられない。視界から見える地形と記憶を照らし合わせると鋸岳のほうに行ってしまったのかと思いつつ、それにしては斜面の勾配が下りすぎで変だという印象もあり、溶岩ドームを降りきってなかったのかと思いきや、でも一旦平坦な場所にでたのを確認したので辻褄が合わないなどど脳内で考えつつも、とにかく自分の位置がわからなくなってしまったことだけは事実で、冷静に基本に立ち返って登り返すことに。だが、登っても自分の位置がわからない...いよいよヤバイかなと思った矢先に足跡を発見。結局のところグランド火口に降りる斜面に脚を踏み入れたことがわかり安堵する。このあたりは、積雪期のグランド火口を直登するルートが交錯していて、この足跡をトレースしたのが原因だったようだ。

色々不運な出来事はありつつも無事に帰れてなによりと、小雨の降る中あこのテールゲートに腰掛け、お茶とお菓子を楽しんでいると雨が本降りに...まぁ、この雨に合わずに無事に帰れてのんびりと山を見ながら美味しいお茶を飲めるなんて幸せなことじゃないかと。いい加減冷え切ったので、温泉につかろうといつもの凌雲閣に...いつもはのんびりと寝そべっているゴン太(犬)がいない。別な部屋にでも行ってるんだろうと思いながらも、寒いので温泉に。温泉を満喫した後もゴン太の姿がない。凌雲閣の女将さんに聞いたら3月に亡くなったそうで...女将さんは悲しいのでもう犬は飼いたくないと言っていたが、また新たに飼うような計画はあるようだ。凌雲閣前の駐車場を走り回って営業活動してたゴン太みたいに人見知りしない犬が来てくれたらいいなと思いつつ、凌雲閣を後にした。写真は在りし日のゴン太。幸せそうに寝ています。

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望岳台(8:50)→美瑛岳分岐(9:35)→1720m標識(10:35)→十勝岳山頂(11:35)→十勝岳避難小屋(13:10←昼食→13:35)→望岳台(14:10)

今回のあこの燃費:11.4km/L(半分は街乗りということで)今回も桂沢湖から富良野までのワインディングで軽快に走りました。あこの限界がわかってきたので、正直安心してコーナーに突っ込めるようになってきました。でもあこの限界が高すぎて逆にこっちが怖い。60mコーナーに80km/hで突っ込んでも平然としてるんだもんこの娘。