記事一覧

樽前山 ~外輪山一周~

ああ暑い。とにかく暑い。札幌だって暑いのです。エアコンのない部屋で一日仕事をして、耐え切れずに金曜日に大通のビアガーデンに行き、流れで居酒屋、カラオケと...朝帰りです(T_T)。家に帰っても眠いのに暑くて寝れないし、糸が切れた凧みたいになってホゲーっとして土曜日が過ぎていきました。で、日曜日、さすがに疲れていたのか昼まで寝てました。そして、ようやく復活。

もう12時前ということで行ける山も限られているし、ライブカメラ映像の樽前山がいい感じだったので樽前山に決定。登山口13時40分発という、私にとっては超スロースタートです。思えば樽前山に登るのは2009年の7月以来だから3年ぶりです。当時の感覚から3時間ちょっとで外輪山一周できるだろうとスタートしました。

ファイル 151-1.jpg

もうタルマイソウ(イワブクロ)も終盤といった感じで、花と言えば他にウラジロタデとミヤマホツツジ、イワギキョウを見たぐらいで、なんだか寂しい感じでしたが、おかげで階段道をズンズン進んでいけます。白いタルマイソウも多く見掛けました。40分程で東山分岐です。ここから私の大好きな稜線のスタートです。少々雲が多いですが、風も気持ち良くて最高です。ドンドコ標高をあげて賑やかな東山を足早に通り過ぎ、静かな外輪山歩きに入ります。思えばこんなに晴れている日に樽前山を歩くのは初めてです。樽前ドームもクッキリです。

ファイル 151-2.jpg

西山に近づくに連れて低木や巨岩など地形がバラエティに富んできて、東山からは丸みを帯びておとなしく感じた樽前ドームも男前に表情を変えていきます。「すごい、すごい!」、前回、霧の中にうっすらしか見えなかったドームがこんなになって見えるんだと、感激しながら進みます。

ファイル 151-3.jpg

西山に到着です。こんなに立体感あふれる感じに見えるんですね。これはいいです。風不死岳もはっきりと見えます。実際に登ると「もう、この時期にあそこは絶対登りたくない」と思うものの、こうやって見ていると行きたくなってくるのだから不思議なものです。支笏湖の眺望の良いタルマイソウ群落地(行き止まり)につながる不思議なルートもありましたね。一回、騙されて行きましたけど、騙されて良かったと思った記憶があります。

ファイル 151-4.jpg

西山からは地図上はピークから南に折れる道がありますが、実際には地図のルート上には踏跡すらなく、更に西の稜線に踏跡が続いています。これを辿るとどこに行くんだろうという興味が湧きましたが、もう時間もないので次の楽しみに取っておくことにします。あとは、更に男前になった樽前ドームを見つつ、奥宮で御参りをして帰路につきます。7合目登山口近くのベンチのある広場に着く頃には陽も随分と傾き、風不死岳の稜線上に美しく輝いていました。

ファイル 151-5.jpg


7合目登山口(13:40)→東山分岐(14:20)→東山(14:25)→途中ティータイム→風不死分岐(15:05)→西山(15:45←ティータイム→16:10)→樽前山神社奥宮(16:30)→東山分岐(16:45←ティータイム→17:00)→7合目登山口(17:25)

大雪山永山岳 銀明水周辺の花

2012年7月22(日)に撮った大雪山永山岳ルートの写真を厳選してお届けします。

今回歩いたイズミノ沢コースからの永山岳は、前半は木々が密集して秘境を行く探検隊のような印象ですが、標高が1700mを超えて銀明水が近づくと一気に大雪山系らしい見事な原生花園が拡がります。この日はここで紹介する花以外に、コマクサ、メアカンキンバイ、マルバシモツケ、ミヤマリンドウ、エゾツヅジ、ハクサンチドリ、エゾウサギギク、ミツバオウレン、チングルマ、エゾノハクサンイチゲ、ウコンウツギ、ミヤマキンバイ、ウラジロナナカマドが咲いていました。

ファイル 150-1.jpg
チシマツガザクラ: 先週見たいと言っていた大群落がありました。右も左もぜ~んぶチシマツガザクラです。すごかったです。


ファイル 150-2.jpg
エゾヒメクワガタ: ヒメというだけあって、茎の上に青紫の小さい花をつけます。アンテナのように飛び出した雄しべと雌しべが特徴的で可愛いです。


ファイル 150-3.jpg
イワギキョウ: 夏から秋にかけて咲く岩場の名優です。真っ直ぐに咲いたり、横向きに咲いたりしてますが、ちょうど蓄音機のらっぱのようにきれいな曲線で咲いていたのがありました。やっぱり曲線は美しいですね。


ファイル 150-4.jpg
エゾカンゾウ: 海岸近くや湿原など色んなところで見られる花ですが、今回見た場所は標高1860m付近で、こんな高いところにも咲いているのかと驚きました。エゾゼンテイカ、ニッコウキスゲなど名前を多く持つ花です。


ファイル 150-5.jpg
ヨツバシオガマ: 以前に隊長さんがやっていた真上アングルで4連のヨツバシオガマを撮ってみました。失敗したなと思うのは、上の一つもフレームに入れて5連でカシオペア座みたいにすれば良かったと...

大雪山永山岳 湿っぽい花(アナタ)をフォーカスしちゃう!?

2012年7月22(日)に撮った大雪山永山岳ルートの花の写真を厳選してお届けします。

今回歩いたイズミノ沢コースは、さすがに沢沿いということでジメジメした密林といった感じで、いつもの大雪とは一風変わった草木がいきいきとしていたのが印象的でした。


ファイル 149-1.jpg
水芭蕉の葉: 早速花ではないですが、この巨大な芭蕉様の葉っぱはこのコースの名物と言っても過言ではないので外せませんでした。愛山渓の登山口を入ったあたりでいっぱいいらっしゃいます。


ファイル 149-2.jpg
エゾノレイジンソウ: 同じキンポウゲ科のダイセツトリカブトに似た印象を受ける花です。ダイセツトリカブトと違って、妙に長いのと、花がいっぱい付いてるので写真の構図決めが大変なのです。三十三曲分岐で見ました。


ファイル 149-3.jpg
モミジカラマツ: 花はカラマツソウと良く似てますが、モミジのように深く裂けた葉が特徴的で背丈も小さいですね。愛山渓登山口から滝ノ上分岐までの区間で多く見られました。


ファイル 149-4.jpg
ミソガワソウ: 色はとてもきれいなんですけど、何と言うか外観がアッカンベーをしているような感じで変わった花だなぁという印象でした。村雨の滝付近で咲いていました。


ファイル 149-5.jpg
ウコンウツギ: 今年に入って一杯色んな場所で見ているんですが、なんというか見た目も色合いも地味で写真にもうまく写ってくれなかったんですが、今回、滝ノ上分岐を永山岳方面に進んだところで咲いていたのは本当に見事だったです。クリーム色の明るい色がきれいでした。

愛山渓倶楽部~愛別岳

前日予報だと全道的に天気は良好ということで、東大雪の石狩岳に行くつもりで朝2時に起床したものの、念のため天気予報を確認したら十勝方面の天気が今一つに...そこで予報の良かった旭川方面にの山ということで、去年、登頂できなかった愛別岳(http://www.saboten.sakura.ne.jp/~suzu/cgi-bin/diarypro/archives/81.html)に行くことにしました。

元々東大雪に行くつもりだったので余裕綽々です。朝6時30分には愛山渓倶楽部に到着して出発します。駐車場の車はそれほど多くないようですが、既に7組ほどの先発隊がいます。今回は、まだ通ったことがなくて永山岳へのアクセスが良さそうな沢沿いのルートにします。曇天の上、上空にはガスが掛かり、鬱蒼とした暗い林の中を歩きます。巨大に成長した水芭蕉の葉が不気味さを際立たせています。そんな中でも花が咲いていて、モミジカラマツがとても多く見られました。

三十三曲分岐を超えると沢沿いに高巻して進んでいきます。たまに、渡渉がありますが、岩伝いに特に苦になるような感じでもないです。沢沿いではエゾノリュウキンカ、チシマノキンバイソウなどが見られました。分岐を過ぎて沢沿いを進んでいくと昇天の滝が前方に見えてきます(写真)。いや、なんというか秘境を行く探検隊のような印象です。地図を見ていると昇天の滝のそばを通るのかと思いきや突然登山道は右に折れて再び林の中です。すると目の前にまた滝が現れました。一瞬、方向感覚がわからなくなりましたが、先程とは別な滝、村雨の滝だそうです。この滝の脇を登って行くロープ場を2つ超えて、しばらく行くと滝ノ上分岐です。ロープ場の岩は結構滑りやすいので素直にロープにつかまりました。

ファイル 148-1.jpg

滝ノ上分岐から比布・北鎮方面も、しばらくは高い熊笹や低木が多くて鬱蒼とした感じが続きますが、時折、開けて景色が拡がります。沼ノ平が見えました。向こうは晴れてきつつあるようです。このあたりではウコンウツギがきれいでした。標高1600mまで登って行くとナキウサギの「ピチッ」と言う声が聞こえます。偶然にもハイマツの間の小さな岩場でジーっとしているところを目撃しました。同じペースで登っていた女性と一緒に観察です。フレームにもきっちり収まってくれました。今日は比較的涼しいから外に出てきてくれたんでしょうか?

ファイル 148-2.jpg

標高が1700mを超えると見事な原生花園が拡がります。先週見たいといっていたチシマツガザクラの大群落がありました。登山道周囲がチシマツガザクラで白くなっています。コマクサやミヤマリンドウ、エゾヒメクワガタ、イワギキョウ、ヨツバシオガマなども咲いていました。驚いたのはこんなに高い稜線でエゾカンゾウが咲いていたことです。大雪山系でエゾカンゾウを見たのは、高根ヶ原以来です。ちなみに銀明水は涸れています。更に標高を上げると季節を遡るように、綿毛だったチングルマが咲いてきます。三本枝だけになっていたエゾノハクサンイチゲも見事に復活です。

ここまでの区間、花のあるところで止まっては撮影の繰り返しで、全然進みません。永山岳に着いた頃には既に10時20分になっていました。時折ガスが取れるものの、中々晴れてこないので半ばあきらめムードで昼食にします。こんな天気では誰も愛別まで登ってないだろうし、もうここで引き返そうかと思っていたら、偶然、愛別岳に行くという旭川の男性と出会いました。念願の同行者の出現にかなり前向きな気持ちになり、先に行くと言って出発した彼を追いかけて愛別岳分岐まで行ってみます。分岐で彼と合流...真っ白な雲の中に向かう断崖の道を見てお互い躊躇しますが、ここまで来たのだから行くだけ行ってみようということで合意...

ファイル 148-3.jpg
ファイル 148-4.jpg

不幸中の幸いか、プチ高所恐怖症の私にはありがたいことに、20mほどしかない視界のおかげで、あの谷底に落ちていくような風景が全然見えなくて恐怖感はほぼゼロ。同行者がいるのも心強く、風も穏やかで、前回引き返したポイントを知らない間に通過して、ピークへの登りに取り掛かります。先人のブログで右巻きで行くという情報を得ていたので、それらしい踏み跡をたどります。標高差は大したことないのに結構な急斜面が続き息が切れます。もう終わりかと思って斜面を登ると、また次の斜面が出てきて全然終わりません。もうダメと途中で休憩したところは、山頂から50mほど手前でした(^^;。休憩中に地図を見てそのことに気付き、「だったら進もう」と小休止に留めて出発、ここから先は大した斜面もなく愛別岳のピークに到着。そして記念写真を撮ってもらいました。もちろん背景は真っ白ですが(^^;。

ファイル 148-5.jpg

彼は昼食、私はティータイムということで、山頂の巨岩に腰を落ち着けて話しながら過ごします。ナキウサギがトコトコと通り過ぎました。単独だと何とも落ち着かないガスの中の山頂も、同行者がいると全然のどかに感じます。本当に彼に感謝したいと思います。

そのまま下りも共に降りました。途中、不明瞭な安足間岳のピークらしき最も標高の高い点を踏んで元来た道を戻ります。帰りは三十三曲から降りようかとも思いましたが、沼の平まで登る元気ががなかったのと、彼の靴が愛別の岩場で破けてしまったため、水たまりの少ない沢沿いのルートで行くことにして、また鬱蒼とした林の中を延々と歩いて下山しました。

愛山渓倶楽部(6:25)→登山口(6:30)→三十三曲分岐(6:55)→滝ノ上分岐(7:50)→銀明水(9:35)→永山岳(10:20←昼食→11:00)→安足間岳(11:15)→愛別岳分岐(11:20←考え中→11:25)→愛別岳(12:00←ティータイム→12:30)→愛別岳分岐(13:10)→安足間岳ピーク(13:20)→永山岳(13:40)→銀明水(14:00)→滝ノ上分岐(15:00)→三十三曲分岐(15:40)→登山口(15:55)→愛山渓倶楽部(16:00)

今回のあこの燃費:14.1km/L

大雪山緑岳~高根ヶ原手前 色鮮やかな花たち

2012年7月15日(日)に撮った大雪山緑岳の花の写真を厳選してお届けします。

ツツジの仲間大集合とかやろうかと思ったんですけど、エゾノツガザクラ以外にコケモモと今回紹介する2種ぐらいしか写真がなかったので「全然集合してないじゃん」ってことであきらめました。ああキバナシャクナゲもそうでしたね。そんなわけで板垣新道から三笠新道分岐に至るまでの区間で色鮮やかに咲いていた花達になりました。何枚も写真があるのに、ついつい撮ってしまう魅力ある花も多いです。


ファイル 147-1.jpg
チシマツガザクラ: とても小さい花で、遠目だと「何かな? まぁ、いっか」って素通りしてしまいそうですが、寄って見てみると赤白緑にピンクと何ともカラフルなのです。密集して咲くとすごいことになりそうですね。そんな光景見てみたいです。これはツツジ科です。1860mケルンで見ました。


ファイル 147-2.jpg
チシマノキンバイソウ: 対称的に大きな花です。花期を少しでも外すと、しおれて花弁が微妙な感じに曲がってたりするんですけど今回はパーフェクトです。白雲岳避難小屋から高根ヶ原に少し下ったあたりに大群落があります。


ファイル 147-3.jpg
チングルマ: 大雪山系と言えばあちこちで見られるこの花ですよね。この花もしおれるのが早い気がします。中でも大輪のものがあったので写真に撮りました。写真だとこの大きさが伝わらないのが残念ですね。板垣新道で見ました。


ファイル 147-4.jpg 
ミヤマアズマギク: この花もカラフルです。日光の関係で紙細工みたいに見えますが、ちゃんと本物ですよぉ。結構、色んなところで見られますが、探して歩くとないんですよねぇ。この花も板垣新道です。

ファイル 147-5.jpg
エゾツツジ: 鮮やかな赤紫です。写真の株は板垣新道ですが、緑岳の稜線や高根ヶ原ルートでも目立った花です。所々にポツポツといった感じで咲いています。もちろんツツジ科です。