記事一覧

紅葉の望岳台と積雪の十勝岳 ~予告編~

ミノルタのα707siを持って三峰山で稜線やナキウサギさんを撮りながらのんびりしてこようと思って現地に着いたら、ものすごい積雪じゃないですか!! 上富良野岳への登り斜面がイヤなので予定変更して十勝岳に行ってきました。念のためアイゼン持っていって良かったです。

で感想です。フィルムカメラはやっぱり難しい。ちゃんと撮れてるのかものすごい不安です(T_T)。それにフィルム残数が減ってくると気になってちょっと節約しようとか思って良いショットを逃したり...そんなことがないように、余るだろうなと思いつつ36枚撮りのベルビア100Fを3本持って上がってたのですが、結局、全部使っちゃいました。いやぁ、こんなペースでフィルムで写真撮ってたら金銭的にもヤバイです(^^;。

まぁ、そんなわけでリバーサルの現像が上がってくるまで、Nikon1で撮った寒々しい冬の光景(超望遠シリーズ)をお楽しみ下さい。全部十勝岳山頂からの風景です。

海老の尻尾で凸凹になった十勝岳山頂。

富良野岳を超望遠。人がいますね。双眼鏡で見たような写真をお届けできて嬉しいです。

上ホロカメットク山を超望遠。この後、上ホロ山頂にも人が来ました。でも写真はブレてだめだめなので人のいない上ホロですみません。

本当は今日登る予定だった三峰山を超望遠。結構雪積もってます。

トムラウシ山を超望遠。このダブルピークが私的にはトムラウシの象徴なのです。


標高年のニペソツ山を超望遠。今年は登れませんでしたが、また来年ですね。分解洗浄したSIGMAのレンズの調子が悪くて、フォーカス合ってませんが、まぁ、雰囲気は伝わりますよね。

芦別岳を超望遠。被写体が遠すぎて何かイマイチだけどこちらも雪積もってます。

夕張岳と思しきピークを超望遠。こちらも遠いのでハッキリしませんが、これだけ写ればすごくない?


最後は十勝岳山頂から富良野岳への稜線風景です。ちょうど雪が降ったばかりで緑から徐々に白くなってくるグラデーション模様と、13時ぐらいなのに夕焼けっぽく赤くなった空が素敵な風景でした。この風景がリバーサルでちゃんと写っていれば良いけど...

今回のカメラ:
「Nikon1 V1」+「SIGMA AF APO 400mm F5.6」(換算1080mm超望遠)
「Nikon1 V1」+「1 NIKKOR 10mm f/2.8」 (最初と最後の写真)

只今現像中
「Minolta α707si」+「AF zoom 24-50mm F4」MC-UVフィルタ
&「SIGMA AF APO 400mm F5.6」
フィルム 富士フィルムベルビア100F

今回のあこの燃費:12.7km/L(あこも食欲の秋なの? 空気圧かオイルか...)

懐かしのα707si再起動準備 ~Minolta AF zoom 24-50mm F4レビュー等~

以前、隊長さんへのコメントでも書きましたが、最近、XF1のフィルムシミュレーション機能の影響で、今、もう一度、フジのリバーサルで写真撮ってみたら、どんな画が出てくるんだろうと興味が出てきました。

フィルムはXF1のフィルムシミュレーションで最も気に入ったアスティアを使いたかったんですが、すでに製造中止になっていたのでベルビアを選択しました。ベルビアの色味は「イメージカラー」と呼ばれていて、記憶の中の色を再現した派手な色味が特徴で、私の好みではないのです。ただ同じベルビアでもベルビア100Fは富士フィルム唯一の「リアルカラー」ということで、アスティアと似た発色が期待できるかもとこれにしました。ただ、このフィルムも製造中止が決まっていて、とりあえず5本セットを買いましたが、これを使い切った頃に販売されているかどうか微妙な状態です。ともあれフィルムは決まりました。

ちなみにカメラは35mm一眼のα707siです。「カメラグランプリ'94」を始め数々の受賞歴のある名機ですが、今となってはハードオフのジャンク箱の中でも見掛けるような代物です。2008年に妹の結婚式で使って以来ですが完動状態です。放置していた影響で、グリップがベトついたり、ミラーにほこりがついたりということで、今週はメンテに時間を掛けていましたが、おかげでだいぶきれいになりました。何だか昨年に引続き秋になる度にミノルタの機材をいじくっている気がしますが...

問題はレンズです。αを使っていた頃は競馬写真ばかり撮っていたので、「SIGMA AF APO 400mm F5.6」一本でほぼ十分な感じで、常用レンズはお手軽ズームの「TAMRON AF28~200mm F3.8-5.6 Aspherical」しか持っていませんで、このレンズは以前にはNIKON1でもテストした通り色があまり美しくないので、この機会にミノルタの純正レンズを新調(?)することに...

レンズ選びは結構難航しました。そもそもミノルタのAFレンズで広角の類いは単焦点の20mm、24mm、ズームの17-35mm、20-35mm、24-50mm、24-85mmぐらいしかないのです。画角的には17-35か20-35が欲しかったのですが、現行のソニーαシステムでも問題なく使えるということで結構人気があるらしく中古価格がかなり高いのです。どれも20年以上前のレンズですし、ミノルタ自体が統合を繰り返してもう存在しない今、ポケットマネーで楽々買える金額を予想してたのですが...

結局、キタムラで偶然見つけた「AF zoom 24-50mm F4」にしました。解像感・発色ともに良いと評判のレンズで、全域で35cmまで寄れるというのが魅力です。価格も4桁とお手頃、状態もABと良好で、キタムラの店頭であまりの状態の良さに驚いたほとでです。中古の頭数が少ないレンズなので運良く出会えたことが幸運でした。Nikon1用に中望遠として使うのも良さそうです。

早速なのでレンズの性能がどの程度なのか、近所の高層マンションを被写体にNinok1で撮り比べてきました。ついでにXF1も一緒に撮ってきましたが、かなり頑張っていることがわかります。等倍での解像度比較では「12-24」が抜けて良い気がしますが、次いで「24-50」、「16-85」と現行DX-NIKKORレンズと比較しても全然遜色ないことがわかります。フルサイズ用レンズなのでNikon1では中央部の評価しかできず、実際に35mmフィルムで撮った時にどうなるかはわかりませんが、それでもかなりの好印象を持ちました。Nikon1でMinoltaのレンズを使うときはフルマニュアルなのですが、フォーカス合わせしていて∞位置にするだけでバッチリフォーカスが合い、オーバーインフがないってなんて素晴らしいことだと改めて思いました。あとはフィールドに持ち出してフィルムでトライですねぇ。どうなることやら...


「Minolta AF zoom 24-50mm F4」、24mm(換算65mm)、f5.6、ss1/400


「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」、24mm(換算65mm)、f5.6、ss1/800


「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」、24mm(換算65mm)、f5.6、ss1/500


「Fujifilm XF1」、15mm(換算60mm)、f5.6、ss1/1000

ちなみに部屋を整理していたら、10年前以上前に撮ったと思しき未現像のリバーサルフィルムが一杯出てきたのですが、これって現像してちゃんと画がでてくると思います?「Konika SINBI」や「Kodak E100」など懐かしいフィルムがごろごろです。他にも未使用のネガフィルム「Konica Centuria400」が3本出てきました。消費期限は大幅に過ぎていますが、これって使えるんだろうか?

天塩岳は燃えているか?

本日は久々の天塩岳に...2007年10月6日に西天塩岳ヒュッテ泊で一度訪れたきりで、そのときの前天塩岳から見た稜線の紅葉が信じられないぐらいきれいで、もう一度紅葉の季節に登ってみたいと思っていた。そんなおり、ヤマレコを見ていると先週登ったkanokenさんの記録では、まだそんなに紅葉していないようだったので、今週末あたりがピークかもと思い、少々辛かったが朝4時起きで出発した。林道に入った段階でものすごく紅葉しはじめ、「いいじゃん!」を連発して、登山口に到着。ヒュッテの周囲も良い感じに色付いていてテンション上がる。熊の多い山域だけど、先発隊が2組いて少し安心する。

登山口の近くにある砂防ダム湖。水面に紅葉が写り込んでいて結構きれい。天気も最高で頑張って早起きして来た甲斐があったというもの。

このあとは沢を何回もわたって前天塩コースと新道コースに分岐する。登山道を普通に歩いている分には、葉が茶色掛かって大した紅葉ではないんが、左の急斜面の上などに目をやると黄色一色で素晴らしい。

そして分岐。新道コースの紅葉が見事なのは前回行ったときに熟知しているので、下りで思う存分楽しむとして、まずは左側の前天塩コースに進む。沢沿いに、少々アップダウンのある道を進み何度か沢を渡る。このコースの素晴らしいのは渡渉点にはすべて橋が掛かっていること。カメラ片手に何度も渡渉なんてイヤですからね(^^;。しばらく進むと沢コースとの分岐近くで熊糞発見、新しい。少し、テンションダウン。更に進むと風に乗ってほのかに臭いが...更にテンションダウン。

だけど、燃え上がるような光景を見るにつけて再びテンションアップ。

対岸は何だか木々が茶畑のようでに並んでいて、それが思い思いに黄色くなっているものだからとにかく素晴らしい。背景の青もやはりいい。

紅葉仕掛かりの楓も赤と緑のコントラストがとてもいい。相変わらず熊っぽい匂いも時折漂ってくるが、紅葉の素晴らしさに圧倒されている。あまり訪れる人は少ないけれど、やはりこの山は隠れた紅葉名所なんじゃないかと思う。


今日は紅葉しか撮らないだろうと「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」を付けている。このレンズで撮る風景の立体感がたまらなく好きだ。


そして標高1370mで紅葉帯終了。さすがに高いところはこのところの強風で全て葉が散ってしまったようだが、この白骨化したダケカンバも結構好きだったりする。写真は対岸の円山方面を見ている。

そして標高1380mからはハイマツ帯。少し登って標高1400mに立つといよいよ風景が一望できる。黄色く染まった山肌が素晴らしい。


ハイマツ帯はほんの少しで終わり、後は小ガレ場が延々と山頂まで続いている。登っても登っても全く山頂が見えてこない。このピークの向こう側の景色が見たくてここに登っているのに、ものすごいフラストレーション(^^;。

そしてご覧ください、前天塩岳の山頂から私の見たかった景色を存分に...。標高の高い位置のダケカンバの葉が散って少しスケールダウンしたけれども、黄色から白へのグラデーション、そして稜線のハイマツの緑が結構きれいじゃないかと思う。山頂は風速10mほど。立っていられないほどではないが、手元の温度計で10℃ほど。新雪もチラホラと見られて体感温度的には結構寒い。もう少し見ていたかったけれど、対岸の天塩岳に移動した。

前天塩岳からは一旦コルまで200mほど下るが、山頂からの景色の比ではないものの、コルから見る風景も結構良い。

そしてハイマツ帯を再び登って天塩岳へ...先発の単独パーティとの距離を詰めたものの、風の強い山頂を素通りして西天塩岳ヒュッテに向かったのか、私が山頂についたときには、もはや誰もいなかった。

このピークで特に景色を期待していたわけではないけれど、大雪山系や十勝岳連峰と思われる山々が遠望できて少しビックリしたがフレアが酷くて残念ながら写真には写らず。12-24は時折豪快にフレアやゴーストがでるので、何とかならんのかと思って調べていたら、設計者のコラムを発見。結構興味深い内容で見入ってしまった。ニコン初のデジタル専用レンズとして、これでも当時としては最新のコーティングがされているらしい。あとは、ここぞという一枚はレンズプロテクターを外して撮影するぐらいしか手がなさそうだ。

天塩岳山頂では仙台から週末登山で北海道に来たという男性としばらく話をして、お腹が空いたので西天塩岳ヒュッテに昼食を食べに移動する。山頂から続く新道ルートを刻んだ稜線の風景は、天塩岳でも有名なアングルだけれども、広角の利点を活かして撮ってみた。

そのヒュッテの名前がついている西天塩岳は山頂付近がガレ場になっていて面白そうな山容。道がついていたら登ってみたいなと思いつつ、ヒュッテへと向かう。


そしてヒュッテ着。前回はここで一泊したけれども相変わらず綺麗な小屋で快適。とりあえずお湯を沸かしてカップめんを調理。殺風景な小屋の中ではなんなので表に出て、正面の前天塩岳を見ながら食事を頂く。しばらくすると続々と人が集まってくる。山頂付近は風が強いため、みんな考えることは同じらしい。


昼食の後は円山へ。円山山頂へは踏み跡がある程度だけど登山道から10mほどしか離れていない。山頂標識はポールだけだったが、下側に落ちていた標識を合体させて写真に撮ってみた。どこからどう見ても、元からくっついていたみたい。ただ落ちて誰かが怪我とかしたら洒落にならないので撮影後はまた下に転がしておく。

円山からの下り。ここからまた紅葉景色が楽しめる。前方のポコポコした紅葉が撮りたくて、このショットを最後に16-85にレンズを変えたが、望遠いても構図的にイマイチだったので、12-24の写真を載せることに...この景色も私が天塩岳で好きな光景。

16-85で前天塩岳の辛い登りが良くわかる角度を最大望遠で...ダケカンバ帯を抜けると少しだけハイマツ帯を通り、後は延々山頂までガレ場なのがよくわかる。地図の印象ではハイマツ帯を抜けるとすぐの印象があるけれど、こうやって見てみると納得だ。

そして下山中にポコポコポイントを望遠で撮影。紅葉写真としてはイマイチだけど、これは何かいい感じに収まった。

ダケカンバが邪魔して中々良いアングルがないのだけれども、林間コースに入る直前で良さそうなポイントを見つけた。ダケカンバが散ってくれているおかげで、ポコポコ丘の全景が見えてとても素晴らしい。

そして樹林帯に入ると、ここから先は色鮮やかな紅葉パラダイス。もう、少し進んでは見入ったり、写真を撮ったりの繰り返しで全然進まない。

前天塩岳を望む真っ黄色の斜面。よく見ると葉自体所々茶色が混じっているのだが、遠景で見ると何ときれいなことか。

熊笹の緑と空の青が入って何だか虹のように層状に見える光景。ナナカマドが絶妙な位置で赤を足してくれていて見事。

そして前の写真では脇役だったナナカマちゃんが主役の一枚。本当にこういう風景がずっと続いている。

そして黄色く色付く新道の分岐点。ここを左に行くと林道の新道登山口へ。最初の計画では新道登山口経由で歩いて見ようかとも思っていたが、やはりヒュッテまでのルート上の紅葉が気になって右側に進んだ。

この鮮やかすぎる黄色とか何だろう...このルートはヤバい。全然進まない。似たようなペースで歩いていた、後続パーティに道を譲ってゆっくり行くことにする。

何気なく赤いナナカマドを撮ったのだけど、背景に緑や黄色が含まれて素晴らしい。もう、とにかくどこを切り取っても画になる感じ。


そして大木に生える味わい深い苔も勿論撮りますよ。雪渓が産み出すフカフカな新鮮な苔も良いけれども、年月を掛けてこうなったであろう歴史を感じる重みがある苔も良いものだ。

前天塩コースと合流してからは、またレンズを12-24mmに戻した。やはり近い被写体の立体的な表現は圧倒的に優れている気がする。


そして最後に「紅葉と言えば沢」「沢と言えば紅葉」と訳のわからない持論を展開しつつ、沢と紅葉が一緒に写った写真が撮りたいと色々探し歩いて撮ったのがこれ。あーそこ、「沢、ちょっとしか写ってねーじゃん」とか言わない(^^;。

そんなわけで紅葉を満喫した天塩岳。当初はヒュッテで一泊しようかとか思っていたけど、準備不足で食料等を調達できなかったし、山中の思わぬ陽気で大量に汗をかいて気持ち悪いので、協和温泉に寄ってから帰路につく。帰りの高速の車中、札幌方面は夕焼けで赤く燃えていた。XF1なら何とか撮れるかもと少々危険を感じつつも、撮りたい欲求が抑えられずに時速90kmで運転中に頑張って撮ってみた。ものすごくきれいに撮れている。本当に暗いところはXF1の独壇場。実はこの写真を撮った後、藻岩山や手稲山の札幌近郊の山々の稜線が赤く染まる風景が超美しかったのだけど、先程、構図を意識するあまりカメラと一緒にハンドルも傾けてしまって追い越し車線にふらっとはみ出してしまったのもあり自重。CMOSセンサーではなく記憶に焼きつけることにして安全運転で帰宅した。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/KbVw0N1)で山行写真全てが御覧になれます


天塩岳ヒュッテ(7:40)→新道連絡路分岐H832(8:10)→前天塩岳(9:40)→天塩岳(10:35←休憩→11:00)→西天塩岳ヒュッテ(11:25←昼食→12:05)→円山(12:20)→新道連絡路分岐H832(13:50)→天塩岳ヒュッテ(14:15)

今回のカメラ:
 「Nikon D7000」+「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」
 「Nikon D7000」+「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
 「FUJIFILM XF1」

今回のあこの燃費:13.6km/L

21回目の十勝岳を新得コースから

tarumae-yamaさんと昨年から行ってみたいと話していた十勝岳の新得コース。H原さんも参加して三人で出発。朝4時30分に道の駅サーモンパーク千歳で待ち合わせの後、登山口を目指す。登山口は林道三本を経由する複雑なルートだが、林道を走りなれたH原さんの運転で登山口まで無事に到達。待避所にあこを止めて仕度をする間も、我々以外に人の気配もなく静かな山中。

きっと通る人もいないから登山道も荒れているだろうと思っていたが、笹やハイマツ刈りが行われて道幅も広い気持ちの良い登山道で驚いた。赤く色付いた木々を写真に撮りつつ、このメンバーとしては比較的ゆっくりとしたペースで進んで行く。


月をバックにダケカンバとナナカマドの紅葉。このあたりの標高では少し紅葉には早かったようだが、気持ちの良い青空が気分を盛り上げてくれる。

森林密度も薄く、時折、木々の間から美瑛岳、オプタテシケ山、トムラウシ山などが顔を出す。

そして難所。水量の多い第一渡渉点。当麻乗越のピウケナイ沢を思いだす。渡渉点に沿って岩が並んでいて、一歩一歩、慎重に進めば問題なかったが、tarumae-yamaさんはジャンプで通過(^^;。ここからは笹被りも多くなってくる。第ニ渡渉点は穏やかな水流でここは難なく通過して休憩にする。

休憩後は沢沿いを少し辿りつつ登るのだが、振り返ると紅葉の風景、前には口を開けた雪渓、エゾノツガザクラが咲いていたりと、撮影の度に立ち止まって急速にペースダウン(^^;。しかも沢から右に折れるルートを見失って少し引き返したりというアクシデントもあった。写真はエゾノツガザクラを撮るtarumae-yamaさんと私にカメラを向けるH原さん。


そのエゾノツガザクラと、沢から右に折れたところで咲いていたエゾオヤマリンドウ。リンドウは季節的にまだ合っているが、それでも9月末でこれほど活き活きしているのも珍しい。ツガザクラに至っては奇蹟というか(^^;。コースは一変して背丈ほどのハイマツ帯で、時折、熊笹が被さるが、たまに視界が開けてナナカマドと紅葉する台地、そして下ホロカメットク山を始めとした十勝岳連峰の支稜線が見える。

標高1510mでハイマツ帯が終わりを告げて開けた場所にでる。そこから先はまだ残っている雪渓を登っていく...と書くほど実際は大したことはなく、実は、長そうな雪渓を登っているように写真を撮っただけで、実際は10mほどしか雪渓はない(^^;。

標高を上げて行くと下ホロカメットク山の全貌が見えてくる。裾野に拡がる黄葉と青い空がとても美しい。

下ホロカメットク山の写真を撮っていて少しおいていかれたが、その進行方向の紅葉も見事。

新得コースの森林限界はどうやら標高1500mあたりのようで、これより上は十勝岳らしい荒涼とした大地になってくる。足下には白骨のように変化したハイマツの死骸が大量に転がっている。かつて、ここがハイマツ林だったことは伺えるが、火山活動などの影響で死滅したのだろうか。

新得コース最後の紅葉ポイント。小さな紅葉のモコモコが可愛い。何だかミニチュアモードで撮影したみたいだが普通に撮影したもの。

最終、紅葉ポイントを過ぎるとずっと砂礫地が拡がり、十勝岳らしい風景が続く。正面に見えるのは十勝岳山頂直下にあるニセピーク。随分と手前から見えていたが中々近づかない。ここまでくると、ルートらしいルートどころか明瞭な踏み跡もなく、ペンキやピンクテープを頼りに進む。ルート上の足下も踏み固められておらずフワフワした感じで、周囲がガスに包まれたりして目印を見失ったら、何処を歩いているのか不安になりそうだ。

黙々と登るtarumae-yamaさん。このあたりでは、全然山頂が近づいてこない上に景色もあまり変わらないので、私もH原さんも黙々と登っていた気がする。

稜線直下の標高1900m付近はまだ雪渓が残っていて、所々で融雪水が流れている。秋も終盤のこの時期に、十勝岳の標高1900m付近で水が取れるってすごいことなんじゃないかと思う。雪渓近くで一旦ペンキやピンクテープが途切れるが、十勝岳のニセピークを頼りに暫く進むとまたペンキが出てくる。ただ、ペンキ方面は凸凹の激しいガレ場が続いているため、協議の結果、無理してペンキを辿らずに安全そうなルートを選んで稜線に上がった。

そしていよいよ十勝岳連峰の主稜線が間近に迫ってくるが、先週の雨の影響で火山灰の足下がズブズブ沈む。更に登山靴に大量の灰がまとわりついて重い。稜線に上がってから、先行する二人は山頂まで一直線にショートカットしようとしていたが、火山灰泥にさすがにたまりかねたのか、一旦登山道に合流して山頂へ。十勝岳山頂には多くの人が見える。もう昼近くだというのにまだ月も出ていて、十勝岳山頂と月という面白い組み合わせの写真が撮れた。

山頂は無風、快晴。いつもと違って食後も景色に見入っている二人。

そしてtarumae-yamaさんはいつものように自身のブログの布教活動へ(^^;。

その布教活動の相手が、十勝岳を最後に日本百名山を達成したというので、急遽みんなで撮影会に...左側の女性が「日本百名山完登」の新潟から来られたSさん、右側はSさんと一緒に登ってきた札幌の山岳ガイドYさん、手前の女性は山頂で一緒になった愛知県伊良湖から来られた方。みんなお祝いムード一色。他にも何枚か写真があるのでNikon image spaceで見て欲しい。


撮影会の後、互いの連絡先などを交換して下山。あまりの快晴に後ろ髪引かれる思いではあったが長いコースなので仕方がない。新得コースへの分岐は標識も明瞭な踏み跡もないため、行きに積んでおいたケルンをたよりに行きに通ったルートに合流。紛らわしいので下山時に崩しておこうと思っていたのだが、主稜線の登山道のほうに向かって私が作ったもの以外にもケルンが確認できたので、そのまま残してきた。せっかく重い岩を担いで作ったので、「スズケルン」とでも名付けようか(^^;。

そして下る。標高1900mあたりの雪渓の凹凸部の下りは所々で凍っていて難儀したけれど、それを過ぎれば快適。登りは砂に足を取られて辛かったのがウソのよう。


そして森林限界の標高1500m付近が見下ろせる高台に...ハイマツ帯に道が見えるというので、見てみると確かに明瞭なルートが。そしてハイマツ帯に入る前の最後の紅葉風景を撮影するH原さん。逆光の場面で手をフード代わりにするのって私だけかと思っていたけれど、結構、常套手段なのかも(^^;。

ハイマツ帯に入る前に二人の写真を...二人ともいい顔しています。

ハイマツ帯の中、私もtarumae-yamaさんも写真撮るのに四苦八苦していたナナカマドの実と下ホロカメットク山。アングルを工夫したりして、結果的に、きれいな青空にも助けられて良い写真になった。

第二渡渉点で休憩した後は、朝よりも増水していた第一渡渉点をビビりながら通過した。その後は美瑛岳やオプタテシケ山、トムラウシ山の眺望ポイントで何回か写真撮影で立ち止まったぐらい。いつものようにH原さんは遥か前方に行ってしまい、tarumae-yamaさんは写真を撮っているのか遥か後方へ...時折、tarumae-yamaさん鈴の音を確認するために立ち止まったりしつつ無事に下山。お疲れさまです。

そして林道を抜けていざ温泉へ。本日はH原さん提案の「湯宿くったり温泉レイクイン」。登山の後の風呂は最高~、というわけで最高の山行が終わって帰路につくんですが、千歳でお二方と別れた後、道央道の札幌方面事故通行止で千歳ICか高速に乗れず、結局、新千歳空港経由で千歳東ICまで戻り道東道から帰宅。終わり良ければ全て良しと思っていたが、最後の最後で少しケチがついてしまった。だけど最高の一日だったことには変わりはなく同行してくれた二人に感謝したい。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/eF6jZNN)で山行写真全てが御覧になれます。

登山口までのルートはGPSログ参照。

新得コース登山口(7:35)→第一渡渉点(8:40)→第二渡渉点(8:50)→H1510m森林限界(10:00)→十勝岳(11:25←昼食等→12:35)→H1510m森林限界(13:30)→第二渡渉点(14:15)→第一渡渉点(14:20)→新得コース登山口(15:10)


今回のあこの燃費:12.8km/L(今回はあこも長い林道をお疲れ様でした)

今回のカメラ:「Nikon D7000」+「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
「FUJIFILM XF1」

高根ヶ原通信(3日目)~白雲小屋-緑岳-大雪高原温泉~

朝4時30分起床。小屋の2Fは2Fで暑くて寝苦しい夜で何回か目が覚めたものの眠れた。何か朝は苦手で、ボケーっとしながら食事をしつつ仕度をする。さすがに3日目ともなると風呂に入りたい。今日は下山するのみ。常連さん達は管理人室前で談話中で、挨拶をしてから白雲小屋を後にした。外は快晴。今年の見納めにと写真を撮る(D7000)。

板垣新道に下りると雪渓の融雪水が作り出す沢の風景が美しい。まだ、雪は大量に残っていて、結局、融けることなく新雪が降りそうだ。(D7000)

登山道は至る所に霜柱。今日は無風で体感では暖かく感じるが、気温はやはり低いらしい。(D7000)

板垣新道分岐に立つと、山のピークが湖の小島のようになっている。緑岳に向けて歩いている内に、少しずつ雲が消えて行き緑岳の山頂に立った時にはすっかり雲海は消えていた。丁度、雲海の終焉に立ち会えたみたいで貴重な体験ができた。(D7000)

緑岳の山頂は驚くほど穏やかで視界も良い。二日前は驚くほど手荒な歓迎だったのに、今日は暖かく送り出してくれる。なんか山に試されているようなそんな気持ちになる。沼ノ原付近はまだ雲海の中だが、川上岳、石狩岳へと続く稜線はすっきりと顔を出している。いつかは歩いて見たいと思うけれども、いつになることやら...層雲峡本流林道が修復されたら考えようと思う。(D7000)

緑岳からの下山中に巨岩帯でナキウサギさん捜索をしたのだが鳴き声さえ聞こえず、一体どうしたんだろうと思う。周囲は冬眠前のエゾシマリスが忙しくいているのに...そんなわけで巨岩の上のシマリス君の小休止を写真に撮った。(D7000)

巨岩帯を下りてハイマツトンネルを潜り抜けてロープのないロープ場に出て少し休憩。休憩中に東の空の遠くにダブルピークの山が見えて、もしかして知床の山だったりするかなと思って帰宅後にカシミールで同定したら斜里岳と南斜里岳だった。残念ながら夏に登った知床連山ではなかったけど、直線距離で145kmの斜里岳がこんなにハッキリ見えるのかと思うと感動してしまった。(D7000)

ちなみにロープ場の下、エイコの沢の紅葉も結構美しいのです。(XF1)

ロープ場から第二花畑にかけては、陽気に誘われたのかミヤマリンドウが多く咲いていました。行きは天気が悪くて全然咲いていなかったのに...。(XF1)


第一花畑では雪渓が遅くまで残る部分は苔でいっぱい。すっかり隊長殿の苔の写真に触発された感じで、良さそうなアングルを探して撮ってきた。(D7000)

第一花畑からは階段道をひたすら下る。高原温泉のだだっ広い広場に出て「ああ、やれやれ、長い山行もようやく終わったぁ」と思いつつ、道を譲った若い女性パーティに「スズさんですか?」と声を掛けられて驚いた。普段、見知らぬ女の人に声を掛けられることなんて皆無なので「この人どっかで会ったっけな?」と一瞬思考回路がグルグルと麻痺しそうなほど回転したが、話を聞いたら初対面でヤマレコの記録を読んでくれている方だそうだ。最後にそんなサプライズもあったけれども、無事に下山し温泉へと思ったら、日帰り入浴の営業まであと20分もある。結局、20分が待てずに層雲峡に移動して、いつもの黒岳の湯に入った後、登山軒でラーメンを食ってから帰路についた。(XF1)

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/olk9c9y)で山行写真全てが御覧になれます。

白雲岳避難小屋(7:00)→板垣新道分岐(7:20)→緑岳(7:35)→大雪高原温泉(10:05)

今回のカメラ:「Nikon D7000」+「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
「FUJIFILM XF1」