無名ピークを過ぎるとすぐに痩せ尾根の岩峰に行き当たる。ここを行くのかイヤだなぁと思っていると右側にトラバース路を発見。ラッキーとばかりに早々にトラバース路に...後々調べてわかったのだが、トラバースせずに少し登ると当麻岳だったようだ。何てこったい。そもそも国土地理院の地図ですら当麻岳の表記が実際のピークからかなり外れたところにあるぐらいだから、この地図を見ながら歩いた管理人が間違うのも無理もない。
もちろん、この時はそんなことを知る由もなく、行けども行けどもピークらしいピークもなく当麻岳はどこなんだろうと思っている内に安足間の稜線が目前に...さすがにスルーしたかもと思いつつ、地図に表記されていた標高2076mのいい感じの岩場で永山岳の稜線をバックに記念撮影。巨岩と永山の稜線が合わさり良い感じに仕上がった。
標高2076mでの記念撮影の後、20分ほどで安足間岳の稜線に出る。5分も歩けば永山分岐だが、この分岐が安足間岳の山頂と勘違いしてまたもやスルー。途中に意味のない案内標識が立っていたのでもしやと思ったが...それにしても表大雪の山は間宮岳を筆頭にピークらしくない山が多いなと実感した。
永山分岐からは比布岳を目指す。固まった砂地のような斜面についた踏み跡を辿る。足場が斜めで滑るので慎重に進む。それでも5分も経たない内に愛別岳分岐に到着。ザックが6つぐらい辺りに散らばっている。結構な人数がアタックしているようだ。どれどれと思って覗いて見ると、予想してたよりも切り立った痩せ尾根が延々と続き、高度も地図で見た以上に落とすような印象だ。ここまでの登りで脚がいうことを聞かなくなって来ていたので、この高度差に心が折れた。またスルーだ。
愛別分岐を過ぎると5分ぐらいで比布岳に到着。山頂で年配の女性と出会う。天気はガスが出て今一つ。裾合平方面は雲の切れ間から晴れているが、念願のニセイカウシュッペや平山などの北大雪の山々は何も見えない。「きっと標高差があるからニセからは雲に包まれた比布が見えてるんだろうなぁ」と思いつつ、疲れてぼけ~っと旭岳を眺める。そうそう写真を撮るのを忘れてたと思って数枚撮ったが後から見るとどれも今ひとつな感じ。次の機会に愛別岳とセットでまた来ようと思う。
女性は層雲峡から来て未踏だった北鎮-比布間が繋がったと喜んでいた。「私は北鎮まで行かないと繋がらないんですよ」などと話しながら北鎮岳に向け出発。北鎮岳は北海道最高峰の旭岳に次いで標高が高い。比布岳のコルから標高差 200m足らずだが疲労困憊で脚も息も続かない。途中では岩峰鋸岳を巻いて行くが、この時一瞬ガスが晴れた。チャンスと思ってカメラをかまえる。わずかな紅葉の赤をアクセントに巨岩帯と空のコントラストが気持ちの良い写真になった。北鎮のガレ場からはナキウサギの声が聞こえる。
鋸岳を過ぎると北鎮岳に向け標高差100mの登り。札幌の円山と勾配は変わらないが、息が上がり一歩一歩進んで行く。登りきると黒岳と御鉢が見えてくる。北側の稜線ではここから見る御鉢が一番だが、今年の縦走で北海岳から見た御鉢には遠く及ばない。とは言え今は景色より飯である。もうお腹空いてどうにかなりそうだ。北鎮岳の椅子にお店を広げ昼食。比布岳を一緒に出発した女性はまだ来ない。少し心配したが30分後ぐらいに再会する。愛別岳が心残りで何回も振り向きつつゆっくり来たらしい。
層雲峡へ下りる女性とは北鎮分岐で別れ管理人は中岳温泉へ。もう後はロープウェイ駅まで殆ど下り。スピードも乗ってきた。行きに苦労したピウケナイ沢源流の急斜面を下れば秘湯中岳温泉だ。硫黄の匂いが気持ちを高ぶらせる。が、しか~し、着いてみるとほとんど砂で埋まっているではないか。源泉はグツグツと吹き出し熱いので沢の水をいれて調整しているのだが、それにはある程度の容積が必要だ。とりあえず入ったものの、熱いやら冷たいやらで全然落ち着けない。最近は足湯程度で済ます人が多いせいか掘る人が少なくなっているのも一因だろう。何か今日はチョイチョイ残念である。
今度はスコップ担いでくるぞと決意を新たにしてロープウェイ駅を目指す。姿見園地に着くと、これまでの残念の連続を帳消しにするご褒美が...夫婦沼の水面に旭岳がスッポリとおさまっている。おお~っ、奇麗!。ほぼ無風状態でないと見れない光景で、大雪で風が止むなんてことは滅多にないだけに何というビッグラッキー。旅の終わりに思わぬプレゼントをもらいウキウキした気分で下山した。
[ロープウェイ姿見駅(8:20)→裾合平(9:30)→ピウケナイ沢(9:50)→当麻乗越 (10:10)→当麻岳(10:50)→安足間岳(11:35)→比布岳(11:50)→北鎮岳(12:50[昼食]13:30)→中岳(13:55)→ 中岳温泉(14:20[入浴]14:45)→裾合平(15:10)→ロープウェイ姿見駅(16:20)]
P.S. 今回のあこの燃費 12.9km/L(よくできました!)
帰りの高速で覆面パトの追撃を逃れる。ここでもビッグラッキー発動!!あこと管理人の名コンビを捕まえようなんざ100年早い! みたいな?(^^;。いや実際は覆面のほうが素人っぽい動きをしてくれたんで助かったんですけど。研修上がりで初路上みたいな感じだったのかな。あまり上達してくれないことを祈るのみです。鷹栖-深川区間ご注意あれ!!