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愛山渓から自転車リベンジ(2日目)~黒岳石室・北鎮岳・愛別岳と遭難騒ぎ~

黒岳石室にて朝4時30分起床。よく眠れたが、やはり昨日は飲み過ぎたようで少しフラフラする。ボケーっとしつつ外にでると、朝日に照らされた凌雲岳の美しいこと。すっかり目が覚めてカメラを取りに引き返して撮影。その後、朝食の仕度をしていると、昨日一緒に飲んだTさんとYさんが、一足先に愛別岳に向けて出発するとのことで見送った。

Tさん達に遅れること約1時間、私も朝食とパッキングをすませて石室を出る。ベルギーのMさんは早立ちしたのだろうか姿が見えない。石室から北鎮岳に向けて歩き始めると、平坦な雲ノ平にも関わらず、強い日差しに早くもフラフラし始める。もう熱中症は懲り懲りなので、早めに帽子と水で予防しつつお鉢平展望台へと向かう。

雲ノ平のチングルマは大半が大きな綿毛になっている。そして、時折、ミヤマアキノキリンソウ。ミヤマアキノキリンソウは忠別岳山頂の大群落が忘れられないが、大抵、夏休み時期には花が散ってしまうので、もう少し頑張って残っていて欲しい。

御鉢平展望台への登りへと差しかかったあたりで振り向くと、蛇行する赤石川の向こうに朝霧に包まれた屏風岳と平山だろうか...このままパネルに入れて飾りたいぐらいの絶景が拡がっていた。

御鉢平展望台からは、緩やかな勾配が北鎮岳近くまで続く。北鎮岳への登りルートにはまだ雪渓がある。北鎮岳の「白鳥の雪渓」という呼称は有名だけれども、今までいったいどれを差すのかサッパリわからなかったが、翼を広げた白鳥のような形を見て、何となくわかった気がする。しかしこの雪渓の登りといい、北鎮岳への登りといい、縦走荷物のせいか、日頃のトレーニング不足のせいか、足が中々前に出ない。

前日の飲み過ぎなのか、心肺も結構弱っているのか、息も切れ切れで北鎮岳へと登ると再びTさん達に出会った。Tさんも飲み過ぎであまり体調が良くないらしい。また、先に出発する彼らを見送って、私は山頂でしばらく休憩。


北鎮岳から比布岳へ向けての下りはクモマユキノシタの宝庫。この花、地味だけれども結構好きで、色々と見ていると横に長く拡がった個体を発見。なんか盆栽みたいと思いつつ写真におさめる。チシマツガザクラも多く、小さくで可愛い花を咲かせていた。

北鎮と同様にヒイコラ言いつつ比布岳を越えると愛別岳分岐。ザックはもちろんデポして行く。愛別岳で食事にしたいのでアタックザックに食料等を詰め込んで、念のためザックの上には、そのあたりに転がっていた岩を載せておく。これで、まずキツネが引きずることはできないだろう。

慎重に下っていると足場の悪い箇所で携帯電話が鳴る。手直な岩場に落ち着けて電話に出ると「旭川北警察です。○○さん(私の名前)ですか?」、何で警察からと不信に思いつつ「はい、そうです」と応えると、「遭難届が出ています。今、どちらにいらっしゃいますか?」と....「はいぃ?!」、「救助ヘリの用意もできていますが、どうされますか?」、一瞬事態が飲み込めなかったが、話を聞くとtarumae-yamaさんが昨日下山して来ない私を心配して届けを出したそうだ。「こちらは愛別岳アタック中でコンディションも良好、先発隊二名に、後ろから二名が来ていますし、何も問題はありません。」と報告すると納得してくれたようだが、入林届しか出していないことを指摘されて、「これから長距離を歩かれるときは必ず警察にも登山届を出して下さい。」と怒られた(^^;。

その後、tarumae-yamaさんとも連絡がついて電話で話したが、事の発端はの私が軽い気持ちで残してきたメッセージカードだったらしく、日帰りで私が下山して来ると勘違いしたらしい。私としては狐につままれたような出来事だったが、tarumae-yamaさんは心配して予定をキャンセルして愛山渓周辺の登山道を捜索してくれたらしい。

とりあえずまだ頭は混乱していたが、これで一件落着したかと思い愛別岳に登った。しかしながら、山頂で会った二人も私の遭難の話を知っていて、「見つかって良かった、これで安心して下山できます。」と下山して行き、一体どれだけの騒ぎになっているんだろうと急に不安になってきて、食事をした後、すぐに下山することに。

ちょうど、下山中に愛別岳に雲が掛かってきて晴れた山頂を踏めただけでもラッキーと、愛山渓温泉へと歩みを進める。途中に永山岳で休憩したが、ここでも「遭難した人がいるらしいよ」と話題に...「あぁ、それ私です(^^;。」と。ヤバい、ヤバいよ、どれほどの騒ぎになってるんだと、一刻も早く下山しなくてはと思った。とは言いつつ救助を断った手前、本当に遭難しないように、急ぎつつも、いつも以上に慎重に下山する。

途中、鳥を見掛けたので一応撮っておいたが、帰宅してから確認したらギンザンマシコの雌だった。結構近くにいたので、余裕があればもっといい写真になったかもと...

本当は滝ノ上分岐から沼ノ平分岐まで500mの未踏区間を踏んで、沼の平めぐりをして帰ってくる予定だったが、もう、そんなこと言ってる場合ではないので、イズミノ沢沿いに愛山渓へと急ぐ。写真はtarumae-yamaさんが捜索してくれた雪渓。この隙間に入り込んだんじゃないだろうかと探してくれたらしい。そんなわけで愛山渓倶楽部に到着。予想に反してひっそりしている。「どうも、ご迷惑をお掛けしました」とカウンターの男性に声を掛けると、向こうも察したらしく、「ちょっと待ってください」と女将さんを呼んでくれる。そして「温泉、入っていかないのー!」っと昨日と同じセリフで女将さん登場、「もちろん入っていきますよ~っ!」と即答したものの、その後平謝り(^^;。宿泊客始め色んな人達が心配してくれたらしい。私自身、大雪山系は周囲の景色や地形を見ただけでどこを歩いているかわかるぐらい歩き慣れているし、tarumae-yamaさんもそのことは良く知ってくれているハズだけど、些細な行き違いや、小さな不安要素の積み重ねで、最終的には遭難したと思いこんでいたらしい。こんなにも事態が発展することって三文小説の世界でしか起こりえないと思っていたが、現実に起こるんだなぁと、自分の行動に反省しつつ、いい教訓になったと思いながら帰路についた。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/sCB9a0W)で山行写真全てが御覧になれます。

黒岳石室(6:00)→御鉢平展望台(6:45)→北鎮分岐(7:15)→北鎮岳(7:30)→比布岳(8:50)→愛別岳分岐(9:00)→標高2070m点(9:15←電話応対→9:25)→愛別岳(9:50←食事→10:05)→愛別岳分岐(10:45)→安足間岳(11:00)→永山岳(11:20)→滝ノ上分岐(12:35)→愛山渓倶楽部(13:30)

今回のカメラ:「D7000」+「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」

今回のあこの燃費:13.3km/L

コメント一覧

mori URL 2013年08月06日(火)22時42分 編集・削除

あらま~スズさん、充実しすぎてましたね~。
警察からの電話?遭難届け?救助ヘリ?それは狐につままれたような気分になりますね。

ことの発端はともかくとして、無事に下山できたからこそ「思い出話」になるわけで、何はともあれ良かったです。
道迷いの心配はなくても、想定外の怪我もありえますからね…。

それに「入林届け」と「登山届け」って違うんですね。初めて知りました。
そのあたり教えていただけると嬉しいです。

隊長 URL 2013年08月07日(水)08時43分 編集・削除

スズさん、おはようございます。
大雪一周、お疲れ様でした。
天気も良く、とても良い山行だったようですねー。
綺麗な写真の数々がそれを物語っているように思えます。

ただし、レポされていた遭難騒ぎについては、まったくもっていただけませんねぇ...
(-_-;)

スズ(管理人) 2013年08月07日(水)12時51分 編集・削除

moriさん、こんにちは。
充実した週末を過ごしたせいで少し疲れが出ています(^^;。
tarumae-yamaさんとも帰宅後に話をして、
すべての事象が悪いほうに悪いほうにと行ったんだなぁと納得しましたが、
こうやって思い出話にできて本当に良かったです。

「入林届」は基本的に林野庁管轄の各営林署に入山目的を告げるために
書くものだったと記憶しています。

「登山届」正式には「登山計画書」は万一の遭難等の際に、
警察が状況把握を速やかに行えるように提出する様式になっていて、
日付と行程のほかエスケープルートなどの地図を記入したり、
細かな装備表など、とにかく記入項目が多くて
書こうと思っていても途中で挫折します(^^;。

実際には入林届も遭難時の状況把握のために使われていますし、
よほどの困難な山行でもない限り、登山計画書を実際に出す人は
いないんじゃないでしょうか?
私は、去年、ヌプントムラウシ温泉から縦走したときに
yahさんが書いて新得警察書に出してくれたのが最初で最後です。

スズ(管理人) 2013年08月07日(水)12時56分 編集・削除

隊長さん、こんにちは。
誠にもって頂けない結果になってしまいました。
終わり悪ければすべて悪し...
最終的には笑って話せるような状態に落ち着きましたが、
何とも後味の悪い山行になりました。
これから山泊山行するときは、車に行程表でも貼っとこうかと思います。

非公開 2013年08月07日(水)13時53分 編集・削除

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tarumae-yama Eメール URL 2013年08月07日(水)17時23分 編集・削除

救助ヘリを手配したことまでは聞きませんでしたが、せっかくの機会だから乗って下山してくれば良かったかも。
まあ、これは冗談です。

しかし、体育と(音痴だけど)音楽の成績は良かったものの、英語など他の科目は全然でしたから、私へのメッセージは次回から日本語でお願いしますね(^o^)

yah URL 2013年08月08日(木)12時15分 編集・削除

縦走お疲れさまでした。
今年は自転車の活用で、登山の幅が広がってますよね。

石室泊いいですねぇ。
僕も菅原さんの星空講座を受けてみたいんですが、何しろ連休がほとんどないので、機会がなさそうな感じです。
今年の大雪はお鉢一周しかしてないし、8月・9月は大雪を中心に登りたいです。
愛別岳にも1度行ってみたいのですが、、、

夏休みは十勝連峰-大雪縦走ですか?
僕は2連休しか取れないので、南沼でテン泊してくる予定です。

非公開 2013年08月08日(木)12時45分 編集・削除

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スズ(管理人) 2013年08月08日(木)20時05分 編集・削除

tarumae-yamaさん、こんにちは。
夏休みは来週一杯(10-18日)に決まったものの、休み前の仕事に追われています(T_T)。

救助ヘリねぇ...基本的に空を飛ぶ乗り物は大嫌いなので、
頼まれても乗りたくないのが本音です。
できるだけ御世話にならないようにしたいものです。

本当にあのカードは紛らわしかったですね。反省です。

スズ(管理人) 2013年08月08日(木)20時13分 編集・削除

yahさん、こんばんは。
今年は自転車を使って面白い山行をするというコンセプトでやってますので(^^;。
他にもいいルートがないか思案中です。
菅原さんの星空講座は分岐から石室やテント場の光の影響を受けないように、
少し登山道に入ったあたりでやっていたので、人数が多かったせいもあって、
列が長くなってしまい、実際はあまり聞こえなかったのが残念ですが、
プラネタリウムのように流暢な説明をされてたのはわかりました。

私は来週一週間休みですが、まだどこに行くか決めていません(^^;。
前半は天気も微妙なようで、とりあえず土曜日に計画を煉ろうと。
yahさんも南沼とトムラウシ楽しんできて下さい(^^)。

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