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後方羊蹄山比羅夫コース ~ほぼ盛夏の登山道を延々と~

本日は前々から4人の学生さん達と計画していた後方羊蹄山行。一週間の疲れが週末にドッと来る中、朝3時と変な時間に目覚めてしまったために妙に身体が重たい。全員の装備をちゃんと確認できていないので少々不安もあるが、天気はこの上なく良さそうなので大きな問題はないかと思いつつ、念のため水・食料などはいつもより多目にザックに詰め込んだら全部で13kg近くになってしまった。この荷物背負って登れるだろうか...うーむ、不安。倶知安町に入ると天候一変して雲が多り、半月湖の比羅夫コース登山口は完全に曇に覆われた。気温の上昇と共にスカっと晴れるだろうと思いつつ入山。

先頭を行くN氏のペースに引きずられるように早いペースで序盤のハイキングコースに突入。どのみち安全確保のため最後尾を行く予定だったが、これはついていくのが精一杯ペース。よく考えてみたら20近くも若いのだからさもありなん。若いっていいな(^^;。

2合目の手前あたりから、先週も真狩コースから羊蹄に登ったU氏と私がパーティから分離してゆっくり登っていく。先発隊にはホイッスルと高度計と地図を渡してあるので、セオリー通り初回の30分休憩後は60分ずつの大休止を挟みつつ、休憩時間都度合流するというスタイルで行く。

私のほうは登り初めはキツかったが、身体が暖まってくると俄然快調に...反面、先週の羊蹄登山を引きずっているU氏は急坂と共に徐々にペースダウン...とはいいつつも時速1.5kmペースは十分にキープしていて当初の予測時計通り。私自信初の羊蹄山だけれども、は単調な登りが続く林間コースをイメージしてきたが、雲が晴れてくると、時折、木々の隙間から倶知安の街並みが見えて思いのほか快適なコース。

5合目近くにはゴゼンタチバナも咲いていて癒されつつも、午前中の曇り空が一変して青空が拡がるにつれて、暑さが尋常じゃない状態に。水分補給しつつも、補給した分、汗になにって流れていく不快な状態。

5合目を越えるとニセコアンヌプリが見え始める。もう標高的には抜いた感じだけど1900m近くまで登ることを考えると、まだまだ先は長い。


7合目で3回目の大休止。左からN氏、S氏、A氏、U氏。結構、へばっているようだけど、まだまだ余裕ありそう。このあたりはハイマツもチラホラ見えつつ、木々も低木化して明るい登山道。眼下には倶知安・ニセコの街並みとアンヌプリ。8合目あたりではU氏のペースが更に低下して心配したが、なんとか予定してた行程をキープしているので、ペースを乱さないように、極力、話しかけないようにして進む。

そんなわけで何とか9合目分岐点に到着。切込隊長のN氏がいないと思ったら、岩場爆睡中。

景色を遮るもののない9合目分岐点から、遥か眼下に見えるニセコアンヌプリがとても印象的。


9合目分岐からはお花畑状態。この、これでもかと言わんばかりに花びらが開く感じは紛れもなくメアカンキンバイなのだけれど、花びらの形がミヤマキンポウゲのように丸みを帯びていると少し背も高くて何か少し上品な感じがするしどっちなのだろう。山頂付近は他に、シラネアオイ、カラマツソウ、エゾノツガザクラ、キバナシャクナゲ、ウラジロナナカマド、ウコンウツギ、チシマキンレイカ、イワブクロ、コケモモ、ミヤマオダマキ、エゾノイワハタザオなどが咲いている。

これはカラマツソウ。まだ咲き始めでツボミしかつけていない個体も多くあった。この線香花火みたいな外観がとても好きな花。

これはミヤマオダマキ。青い花が先端にいくほど白くなっていく感じがいいですね。随分と久し振りに見ましたがデカい(^^;。

急に快適になった9合目分岐点から北山への登山道。花も咲き乱れる中、傾斜も緩やかになり足取りも軽い。

北山山頂手前の分岐点の岩場の上から雪の残る母釜。父釜に比べると全然小さいけれど圧倒される風景。


北山山頂近くにある三等三角点「雲泉」。基準点データベースでは処置保留となっていたかが、位置ズレを起こしたかのように傾いている姿を見てその理由に納得。ただ、ニセコの山々を背景に絶妙な位置にある三角点は絵になるなぁと思う。ただ北山山頂で会うはずの先発隊の姿がなく、随分と先を進んでいる姿が見える。最高点あたりは人が多いので北山で食事にしてもいいかなと思っていたのだが、しょうがないので北山から300mほど走って、彼らに追い付いて話をして、まずは最高点に行くことに。

途中、何故か人が多く集う京極コース分岐点の1890m峰を迂回するルートを通り、旧山頂である一等三角点「真狩岳」に来てみると先発態が遥か後方に...あれっと思っていたら、1890m峰を最高点と勘違いして登ったらしい。遠くから「騙されたぁ」とかいう声が聞こえてくる。しょうがないなぁと思いつつ、ここは経験の差とばかりに一人ゆっくりと最高点を目指して歩く。

途中、最高点手前の岩場から見る少し水を湛えた父釜の姿が何とも言えないぐらい美しい。

というわけで最高点に到着。写真は山頂標識に立つお騒がせ先発隊(^^;。まぁ、何はともあれみんな無事に山頂に立ったというわけでノンアルコールピールで乾杯しつつ、手直な岩場に陣取って食事にする。

食事の後は父釜の一周ルートを通って避難小屋へ...何でも登頂記念バッヂが売っているとのことで、次の目標はそれらしい(^^;。途中はゴツゴツしたガレ場でルートがペンキで示されているが、彼らにとっては初めての体験でそれもとても面白かったらしい。なんか新鮮でいいですな(^^)。写真はガレ場の上でポーズを撮S氏とU氏。この時 ガレ場の下にしたA氏もポーズを取っていたが見切れました、すみません(^^;。

そんなわけでガレ場終了で、真狩コースの分岐点。3/4周した父釜ともここで別れて外周路に入る。

滑るザレ場ルートをワイワイ言いつつ通り過ぎて、もう細くなった雪渓横切り羊蹄小屋へ。写真は小屋の前で写真を撮るA氏。今日は、山頂で全員にコーヒーを振る舞ったせいもあるが、水の消費量が半端なく、すっかり空になった水筒に水を補給するべく、途中の雪渓で私は水を汲んだので、小屋前のテーブルでそれを煮沸。テーブルに陣取っていた男性はこの小屋の常連らしく、ボトルいっぱいのワインを今晩管理人さんと一緒に飲むと楽しそうに話していた。この人、大雪山系の白雲小屋の情報も詳しいらしく、話をしていると一昨年に辞めた今野さんが管理人として復活していると話してくれた。数年仲良くさせてもらった有馬さんも昨年限りで辞めると言っていて、知り合いが全くいなくなって寂しいなと思っていただけに、とても嬉しい情報(^^)。

そんなわけでバッヂ(700円)も無事に入手して、記念写真も撮ってもらい、楽しい一時を羊蹄小屋で過ごした後は、またあの忌まわしき道をひたすら下山。ザレ場で足を滑らせてN氏が肉離れ気味、A氏とU氏は膝に来ているということで、適宜5本のストックをやりくりする。かつて自分が経験してきた痛みだけに気持ちは人一倍理解できるけれども、どうしてやることもできないことも人一倍理解している。もうペースが落ちてもいいから、ひたすら下山してくれと祈るのみ。自分のストックも全て渡しているので私にとっても初めてのストックなし下山。少し右膝に違和感を感じつつも、木の枝などを利用して無事に下山できたが、この下山は本当に長くて辛かった。

下山後、半月湖の東屋で疲労困憊のA氏、S氏、N氏。何にしても良く登った。こんなに疲れた山は私にとっては芦別岳旧道-新道縦走以来かもしれない。山頂の景色の良さはともかく、延々と続く下山路に辟易としてもう暫くは登るもんかとみんなで決意を固めた瞬間だった。下山後は五色温泉でゆっくりと湯に浸かり、その後は私の自宅近く、琴似の名物居酒屋「ふる里」でうまい飯と酒を堪能して、ここ何年もないぐらい充実した休日が過ぎていった。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/A3bS9Ig)で山行写真全てが御覧になれます。

半月湖登山口(8:10)→二合目(8:50)→三合目(9:10)→五合目(9:45)→六合目(10:15)→七合目(10:40)→八合目(11:20)→九合目分岐(11:35)→北山(12:15)→旧山頂一等三角点真狩山(12:32)→山頂最高点(12:45←食事等→13:20)→羊蹄小屋(14:25←休憩等→14:40)→九合目分岐(14:55)→半月湖登山口(17:20)

今回のカメラ:
「D7000」+
 「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」
 「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
 「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」

今回のあこの燃費:10.8km/L(5人フル乗車+荷物満載でワインディング等々)

コメント一覧

隊長 URL 2013年06月30日(日)21時17分 編集・削除

スズさん、こんばんは。

アハハッ。羊蹄山の辛さを満喫してきたようですねー。
いいな、いいなー。羊蹄山。天気の良くて最高だったことと思います。

学生さんパーティー、いいねー。
若い力でグイグイ登っていたことと思います。
でも、疲れ方は若い人も中年も同じなので、結局はグッタリしてしまうのですよねー(笑)。

何れにしましても、全員無事の山行、お疲れ様でした。
(^_^)

mori URL 2013年06月30日(日)21時49分 編集・削除

お子様引率登山、お疲れ様でした!ほんとに彼ら学生ですかー?
どう見ても子供だな。(ってことは自分が歳をとったってことですね。)

羊蹄山の上の方は花がきれいらしいですね。やはり今時期がいいみたいですね。
でも、往復の長さを考えると・・・躊躇します。まだてっぺんへ行ったことないんです。
1回はお釜の中をのぞいてみたい気はしますが・・・。

tarumae-yama Eメール URL 2013年06月30日(日)22時20分 編集・削除

羊蹄山のガイド、お疲れ様でした。
天気に恵まれて良かったですね。
若い学生さんでも案外時間がかかっているのは、登山の経験が浅いこともあるのでしょうか。

さすがに良いカメラとレンズ、解像度が違いますね。
私も一眼レフが欲しいとは思いつつ、重いのは嫌という気持ちが強いです。

yah URL 2013年07月01日(月)11時53分 編集・削除

おぉ!
羊蹄山に登る事はtarumae-yamaさんのブログで見て知っていましたが、学生さんたちと一緒だったとは!

ヤマレコの記録がupされないからどうしたのかなぁ?と思っていたら、先にブログで公開していたのですね。

土曜日は千歳・苫小牧は昼までどんよりした天気だったんですが、羊蹄山は晴れてたのですね。
花も堪能できたようでなによりです!

でもこの山、結構脚にきますよね。

そうそう、風穴のヒカリゴケは見ましたか?

yah URL 2013年07月01日(月)11時56分 編集・削除

追伸です。

スズさん、18-55mmも持ってたんですか?
D7000はレンズキットでしたっけ?

この標準レンズ、なかなか描写はあなどれないです。
結構寄れるレンズなので、花など撮るにもいいです。
AF時に前玉がクルクル回るのが難点ですが、このレンズの性格を考えれば止むを得ないですね。

スズ(管理人) 2013年07月01日(月)21時06分 編集・削除

隊長さん、こんにちは。
辛さについては100%満喫してきました(^^;。
睡眠不足だとか色々な悪条件が重なって、
彼らも大変だったみたいです。

私も昨日はグッタリしてどこにも出かける気力がせずに
ずっと寝てました。こんなに寝たのも久しぶりです。
身体にリセットされた感じでいい休日でした。

スズ(管理人) 2013年07月01日(月)21時07分 編集・削除

moriさん、こんにちは。
登っている最中は殆ど花も見かけなくて単調な山道でしたが、
9合目分岐を越えてからが花が一気に多くなりました。
で、花の写真を撮ってるうちに置いていかれて、
駆け足で追いかけるという連続(^^;。

GPSログ上では歩行距離は15.5kmになってますが
スタートしてしばらくが記録されていなかったので、
実際に歩いた距離は17km近くあったのかもしれません。
大半が登り下りなので中々辛い距離ですね。

スズ(管理人) 2013年07月01日(月)21時08分 編集・削除

tarumae-yamaさん、こんにちは。
若い学生さんとはいえコンディション次第ということでしょう。
前日、遅くまでPCで動画見てたりとか、先週の羊蹄山登山の
疲労を引きずっていたりと色々あったようです(^^;。
ただ8時スタートで17時下山というのは
当初考えていた通りのペースで、
そんなに遅くもないと思いますよ。

カメラは学生さんがD5100を持っていましたが、
これならかなり軽いですよ。光学系もD7000と同等ですし。
ファインダーが100%視野じゃないのが欠点らしいですが。
まぁ、嵩張りますけどね(^^;。

スズ(管理人) 2013年07月01日(月)21時08分 編集・削除

yahさん、こんにちは。
ヤマレコは6月分のアップロード枠を使い切ってしまったので、
これから写真のアップロードする予定です。

この山は特に長い下りがとんでもなく大変で、
下山時に二人膝に来て可哀想な感じになりましたが、
ストックを渡す以外はどうすることもできなくて、 
我慢して下りてもらいました。
私にとっても、暫くは登りたくない山の上位にランクインですね(^^;。
ちなみに風穴の中、覗きましたが何も光ってなかったですよ。

18-55mmは学生さんのD5100のキットレンズを借りました。
噂には聞いていましたが実際に使ってみた印象としては、
周辺域の描写が甘いので風景撮りには向かないですが、
センター部分は中々素晴らしいものがありますね。
花などのクローズアップ撮影時に重宝しそうなレンズですね。

yah URL 2013年07月02日(火)19時46分 編集・削除

いつも感じていたんですが、GPSでログを取った距離と、地図上にプロットした距離って、かなり差がありますよね。
2~3割程度GPSログの方が長くなる感じですよね。

地図上のプロットの場合、登山道を全く無駄なくトレースした距離ですが、実際はジグザグに歩いていたり、細かい動きがあるのでもっと歩いてるってことなんでしょうね。

昨年羊蹄山を歩いた時、今回のスズさんと全く同じルートでしたが、ヤマレコでプロットした距離は12㎞余りでした。
この距離にしてはメチャ辛かったなぁという印象です。

スズ(管理人) 2013年07月02日(火)22時09分 編集・削除

yahさん、こんばんは。
ログの件、GPSのほうが細かいジグ切り道なども、
正しくプロットしているのは確かだと思います。
ただ衛星補足状態によっては位置ズレが結構顕著にでるので、
その影響かもしれません。
また、実際には止まっているにも関わらずデータ上では
チマチマ動いているように見えるという欠点もありますが、
私のログは「轍 Wadachi(フリーソフト)」のノイズフィルターを通しているので、
この影響は大分軽減されているハズです。

でも、そもそも、我々の扱っている距離というのは垂直方向の投影距離なので、
GPSだろうが地図トレースだろうが、斜度の高い山ほど
実際に歩く距離は長くなっているハズです。
実際の歩行距離は「垂直投影距離/cosθ(θは斜度)」で計算できますが、
わかりやすい例で言えば、例えば斜度0°で100mの場合は歩行距離は当然100mですが、
斜度45°の場合は実際に歩いた距離は141mになってしまいます。

羊蹄山のように斜度のある道を延々登り降りする山では、
この影響も馬鹿になりませんから、
見掛けの距離以上に疲れる山行だと感じるのだろうと思います。

ちなみに私のGPSログをカシミールのトラックエディタで追って行くと、
北山から最高点に向けて時速8kmほどで走っているのがわかりますよ(^^;。
こういうのもGPSロガーの面白いところですね。

yah URL 2013年07月03日(水)06時38分 編集・削除

>我々の扱っている距離というのは垂直方向の投影距離

そうなんですか!それは初めて知りました!
僕はてっきり、ルートに沿った距離なんだと思っていました。

それなら実際歩いた距離と差があるのも当然ですね。
羊蹄山のように、斜度きつめの道が延々と続くような場所では、その差が大きくなるのもうなずけます。

だから距離以上に疲れるんだなぁ。。。

スズ(管理人) 2013年07月03日(水)12時43分 編集・削除

yahさん、こんにちは。
最近忙しくて昼休みなし状態でしたが、
今日は昼休みにコメントできました。

何となく使ってますが、距離の定義って難しいですよね。
その意味では山中の標識等のあと何kmというのは、
地図上の距離なのかどっちなんだろうと良く思います。

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