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海の見える山を求めて伊達紋別岳

全道的に快晴ということもあり、以前たびんちゅさんに薦められ行きたいと思っていた伊達紋別岳に行くことにした。朝の通勤ラッシュを回避するために、久々に早起きして出発して7時40分には登山口に着いていた。登山口は全く雪がなく久しぶりに夏山気分で登り始める。ほどなくして尾根に取付き、明るい緩やかな尾根を左右の景色を眺めながら登っていく。

いよいよ4合目あたりから積雪が出てきて夏山気分も終わりを迎えたが、対岸に山肌が段々畑のように亀裂が入ったとても興味深い光景が見えてきた。全く木々も生えていないため最初は畑の残骸かなと思ったが、よく見ると対岸だけでなく、今歩いている稜線の急斜面にも段々形状になっていて、且つ、畑の作業道にしては亀裂と亀裂の間隔が開きすぎていて妙だなぁと思いつつ登っていく。

時折ずぼっと踏み抜くがツボ足で7合目のいっぷく広場に到着。間直に稀府岳が見え、その向こうには2月に登った室蘭岳か...暫く景色を楽しんでいたが、ふと気付いたのは、この急峻な山にも先程と同じ段々畑のような亀裂が入っていること。「こんなところに畑はないだろう」と管理人の中では人工物の線は消えて、このあたり一帯の地層的な影響で自然にできた地形ではないかと勝手な推論を展開するが詳細は不明。

7合目から先は少し雪庇が残っていて、キックステップ効かない硬い斜面を腰が引けつつ通過すると後は快適な稜線が続いていた。遮るもののない稜線を歩く感覚が随分と久し振りな気がして妙にウキウキしてしまう。

途中、前紋別岳に着くと、これまで歩いてきた尾根が描く曲線と向こう側に見える伊達の市街地と噴火湾がとても良い景色だった。ちょっとポジションが悪くて一望とまではいかないけど、さすがはこの行程の最高標高点だけのことはある。

前紋別岳を越えると本日の難所らしい難所、9合目近くの700m峰の急斜面トラバースがデーンといく手を阻んでいた。この高度感がプチ高所恐怖症には辛いのです。一旦、引き返してアイゼンを付け、再び挑もうと思ったが、結局、斜面の緩いところを迂回した(^^;。実際、向こう側から見ると足場のない区間は写真で見えているところだけで、その向こうにはちゃんとした足場があったので、そこまで恐怖を感じるほどでもなかったかなと思いつつ怖いものは怖い。


伊達紋別岳の山頂に立つと素晴らしい絶景が...というのを期待していたが、薄モヤが掛かっていてハッキリと見えない。森の向こうに洞爺湖、と有珠山、そして右手奥に後方羊蹄山、肉眼でもうすぼんやりしか見えないのでしょうがない。噴火湾の方角もスッキリしない。風が出てきたので多少改善するか思って待っていたがダメだった。

そんなわけでカメラから双眼鏡に持ち変える。7合目手前のガンバレ岩あたりを二人パーティが登って来ている。てっきり平日なので誰とも会わないと思っていたが結構人気の山のようだ。これから向かう予定の有珠山のほうは雪が山頂にチラホラぐらい。セットで登ろうと思っている貯金山は、低山にも関わらず山頂に木々らしきものが見られず、思っている通りの眺望が楽しめそうな感じ。

下山は途中に転がっている雪庇の残骸を見ながらのんびりと...何というか面白い光景。前紋別岳では女性一人と先程双眼鏡で確認した二人パーティと出会った他、途中の林でドラミングのするほうを双眼鏡で探してアカゲラを発見。一応、写真にも撮ってみたが見るに耐えない仕上がりに...楽しい出会いではあったが、こういう時に望遠レンズがあればと悔やみつつの下山となった。

ヤマレコとNikon image space(http://img.gg/AhSS95l)で今回の山行写真全てが御覧になれます。

太陽の園駐車場(7:40)→登山ポスト(7:50)→7合目いっぷく広場(8:50)→前紋別岳(9:25)→伊達紋別岳(9:50←食事・双眼鏡タイム→10:20)→前紋別岳(10:45)→7合目いっぷく広場(11:10←いっぷく→11:20)→登山ポスト(12:00)→太陽の園駐車場(12:10)

今回のカメラ:D7000+AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED

コメント一覧

たびんちゅ 2013年04月24日(水)15時52分 編集・削除

スズさ~ん
伊達紋別岳へようこそ~(*^^*)
スッキリしない眺望だったようで残念ですが、唐松の林あり、快適な稜線歩きあり、不思議な亀裂(?)ありのなかなか面白い山でしたでしょ?
私はまだ積雪期には登ったことがないので「スズさんのレポートを見て雪の状態を把握してから…」と密かに決めておりましたです。
なので今週末にでも挑戦しようかと!!!いひひ。
来月下旬くらいにはお花も綺麗なので是非またいらしてください。
あっ、今度はこちらにいらっしゃる時はカップ麺じゃないカレーラーメンも食べてみてください!

※貯金山って名前はじめて知りました。登ったらお金貯まりそう(笑)

スズ(管理人) 2013年04月24日(水)17時33分 編集・削除

たびんちゅさん。こんばんは。
カラマツはすっかり葉が落ちてましたけど快適な稜線は良かったです。
しかし、あの山肌の亀裂はなんなんでしょうね。とても気になります。
ざっくりインターネットで調べましたけどヒットしませんでした。

本当はまだ雪が残っているウチにと思ってましたが、実際に歩いてみて
雪が大量にあったらあったで地図で見るよりも怖いなということで、
状態としては丁度良かったと思います。今週末なら雪解けも進んで、
更に歩きやすくなるんじゃないか思います。
貯金山も日曜日なら件の建設会社も休みだと思うので林道通っていけるかもです。

今回、カップヌードルのカレーは食べてないですけど(^^;、
そういえばカレーラーメン有名でしたね。10年ほど前に狸小路にカレーラーメンの店が
あって近くに行く度に通っていたのを思い出しました。

隊長 URL 2013年04月24日(水)19時57分 編集・削除

スズさん、こんばんは。

おっ。伊達紋別岳に行ってきたのですねー。
ここは私も定番にしている山です。
結構楽しめますよねー。

稜線に出てから、高圧線の鉄塔がデデーンと見えるのが風景的にヨロシク無いですが、まあ、いつも仕方がないと割り切りつつ歩いています。

山頂からの風景、残念でしたね。
晴れていて空気が澄んでいると結構良い眺望なのです。

それと、すっかり双眼鏡フリークになっていますね!
いいですよねー。双眼鏡。
記録好きの私たちみたいな人種でも、双眼鏡の良さは別口だと思いませんか?
(^_^)

たびんちゅ Eメール 2013年04月25日(木)13時38分 編集・削除

スズさーん。こんにちは。
また来ちゃいました(^^ゞ

スズさんがとても気になっている亀裂。
ワタシは勝手に「巨大アリの巣の断面図」とか呼んでたのですが、スズさんが気になっているのが気になって私も調べてみました。(仕事中に…秘)
林野庁のHPで見つけたんですけど「林内路網」というのが近い感じがします。
http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/21hakusyo_h/all/h08.html
いかがでしょう???

カレーヌードル食べてなかったんですね(笑)
てっきり伊達紋別~有珠の移動前後に食されていたかと!

スズ(管理人) 2013年04月25日(木)21時22分 編集・削除

隊長さん、こんばんは。
伊達紋別岳は思っていたよりもかなり楽しい山でした。
私は高圧電線はそれほど気にならなくて、いいアングルで鉄塔が入らないかなぁとか
歩きながら思っていました。本当にクリアに晴れれば景色も相当楽しめそうですが、
前回の室蘭岳といいこの地域とはあまり相性が良くないのかもです(^^;。

双眼鏡フリークというか(^^;、
カメラが使えないとなると、双眼鏡を覗くしかないじゃないですか。
稜線を歩いている人を探したり、山座同定とか色んなことができて楽しいですけどね。

スズ(管理人) 2013年04月25日(木)21時53分 編集・削除

たびんちゅさん、こんばんは。

「林内路網」ですか。よく見つけましたね。せっかくここまで調べて頂いたので、
伊達市の林業関係を調べてみると第2回伊達市環境審議会会議録というのを見つけました。
http://www.city.date.hokkaido.jp/hotnews/files/00000800/00000803/20130222171849.pdf

これを読んでいくと以下のような内容が出てきます。
 「東山山麓について、木が伐採されている問題がある」
 「平成20年に洞爺湖サミットがあり、その時東山は禿げ山となっていた。」
記述にある東山というのが何処を差しているのか、最初はよくわかりませんでしたが、
もしかしてと思い、伊達紋別岳山頂の三角点名称を調べたところ「東山」となってました。

この記述を要約すると、道外の地主さんがバブル期に伊達紋別岳周辺の木を勝手に
伐採して禿げ山になってしまった上、その後、植林等をせず放置をしたようです。
多分、山肌の亀裂はたびんちゅさんの言う林内路網で植林せずに放置されたため、
熊笹がビッシリ生えて今のような面白い光景になったということではないかと思います。

おかげでスッキリしました。ありがとう(^^)。

mori URL 2013年04月27日(土)09時13分 編集・削除

おはようございま~す!

1回しか登ったことがないけど私も伊達紋別、好きです。
そうそう、あそこはげ山っていうか樹木がないですよね。
森林限界って高度じゃないのに不思議に思いました。
登山ガイドかなにかで「伐採した樹木を運び出した作業道」と見た記憶があります。
はげ山にされたことには物言いしたいですが
このあとの植物遷移がどうなっていくのか、興味のあるところです。

スズ(管理人) 2013年04月28日(日)00時04分 編集・削除

moriさん、こんばんは。今日も寒いですね。
伊達紋別岳の亀裂、登山ガイドに「伐採樹木運搬用の作業道」とあったのなら、
たびんちゅさんの調べてくれた線とも一致しますね。とすれば私の仮説で正解らしい。
それを裏付けるように伐採に関する2007年のブログ記事も発見しました。
しかし、あれほどの山域を禿げ山にするまで木を伐採して、何とも思わないのかな?

http://www5a.biglobe.ne.jp/~yahho/datemonnbetudake%202007%2010%2015.htm

ちなみに会議録には市民ボランティアで植樹やドングリ播種を行っているそうです。
ドングリはミズナラでしょうね。登山道にもいっぱい落ちてましたし。
市民植樹の記事も見つけました。「伐採は2006年にかけて行われた」と書いてあります。
ちなみに植樹したのはミズナラとシラカバと他一種だそうです。

http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/video-archive/?k=2008102001.html

森が再生するまでは相当時間が掛かるでしょうが、再生していく様子を見守りたいですね。

たびんちゅ 2013年04月29日(月)18時05分 編集・削除

スズさん。こんばんは。
本日、伊達紋別岳に行って来ました!
天気予報では9時過ぎから晴れだったので8時に家を出発。
一望台を過ぎてもスッキリしない中、これから良くなるんだと鼓舞しつつ登ること1時間。
しか〜し、いっぷく広場に着いたら両側の谷からガスがワンサカと押し寄せてきて、私のような初心者が登っていい感じじゃなかったので、スゴスゴと引き上げて来ました(≧∇≦)
なのに、駐車場に着く頃には青空も覗いてきて頂上も見えてるって、スズさん以上に相性が良くないかも〜。
と言うわけで不完全燃焼ではありましたが、途中シラネネアオイのちっちゃい葉っぱを見つけてチョット嬉しくなりました。
連休中にリベンジしようと思ってます!

スズ(管理人) 2013年04月30日(火)10時46分 編集・削除

たびんちゅさん、こんにちは。
伊達紋別岳、好天しなくて残念ですね。
あの稜線は風の通り道のようで、私が訪れた時も平地に比べると結構な風が吹いていて、
天気の悪い日はいっぷく広場で引き返す人も多いみたいです。

連休前半はパッとしない天気で終わりましたが、とりあえずはGW後半に期待ですね。
リベンジして下さい。

明日から私も仕事です。3月末に仕事をやりおえてから燃えつきた感があって、
しばらく何もする気がおきませんでしたが、
ゆっくり休んでまた色々なことにチャレンジしたいと思えるようになりました。
ダラダラするだけかなと思いつつ、結構、忙しくて充実した1ヶ月でした(^^)。

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