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十勝岳で体力測定登山

今年はかなり出遅れましたが十勝岳に登ってきました。往復10kmちょっとコースはシーズン初めの身体の状態を確かめるのにちょうどよいです。今回は山頂直下で息があがって牛歩状態におちいったり、歩行距離が10kmを超えたあたりで、ひざが少し痛みました。まだまだ複数ピークの縦走には程遠い感じです。

それでも旭川在住という関西弁バリバリのおっちゃんと標高1720mで出会って、山頂まで話をしながら一緒に登ったり、山頂で思いがけずに良い景色に出会ったりと満喫できて良かったです。

天気が心配でしたが登るにつれてよくなってきました。ただ十勝岳らしく風はかなり強かったです。グラウンド火口も残雪わずか…スキー組もいましたが、ここまで雪が減ると滑るルートもかなり限られてきますね。

標高1900mの十勝岳の肩から山頂を見上げます。このあたりでは三歩進んで一息いれる牛歩戦術で何とか登りつづけている感じでした。

十勝岳の登頂は24回目ですが、今回、新たな発見がありました。十勝岳には三角点はないのですが、「光顔巍巍(こうがんぎぎ)」の下に、あからさまに「三角点」って書いてある石がころがっているのを発見したのです。10cm角で地上部整形高25cmほど。大きさは宮三角点(御料局三角点)の規格とおおむね合致しますが、上面刻印が×印ではなく+印で、隅切りがないのが特徴でした。基部が折れているので、どこに設置されていたものかも不明です。なんでしょうね、これ。インターネットで調べても全然わかりません。とても気になります。

晴れてきたので写真撮ります。富良野岳へと続く主稜線は何度見てもよいですね。とくにこの季節は残雪で起伏が強調されて、なお素晴らしい。

山頂で写真を撮ったりして1時間半ほどすごしたあと下山しましたが、下山中に1720m標識から見る十勝岳が青空に映えてよかったです。

今回も白金温泉「山辺の家族」に立ち寄って、温泉に入ったあと、山辺ドッグ(キーマカレー)をテイクアウトして帰りました。冷えるとかたくなってしまうらしいので、指示どおりにオーブンで160℃で10分焼きました。ふわふわモチモチの生地の中にキーマカレーとソーセージ。最高です。とても美味しく頂きました。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/5NZp2VC)で高解像度山行写真が御覧になれます。当日のツイッターでXPERIAで撮影した写真もご覧になれます(http://twisave.com/suzunanami/2015/5/30)。

望岳台(8:50)→雲ノ平分岐(9:45)→標高1720m標識(11:00)→十勝岳(12:05←昼食→13:30)→標高1720m標識(14:10)→雲ノ平分岐(14:55)→望岳台(15:35)

今回のカメラ:
 「Nikon D7000」+
  「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」

望岳台からイワウメに包まれた美瑛富士へ

もう6月も第3週、昨年に心奪われた美瑛富士のイワウメがあまりに見事だったので、今年も行ってみようと計画しましたが、気予報は微妙な感じ…多分どこかで雨に降られることを思うと、札幌近郊の山に変更しても良いかもと思いつつ、もう今週を逃すとイワウメの花期が終わってしまいそうなので、小雨ぐらいは覚悟で出かけました。結果的には、山頂までは思いの他天気が良くてよかったです。体力的にはまだまだで、山頂に到達するだけでフラフラになっていましたので、高山での鍛錬が必要なことがよーくわかりました。盛夏に向けて頑張ります。

着いてみたらあまりの晴れように驚いていたけれども、登り始めの段階で、雲の種が各々の山頂付近にできてきて、この時点からかなりいやな予感はしてたんですよね。写真は丁度、十勝岳と美瑛岳の雲がつながったところです。

雲ノ平分岐に来る頃にはボチボチの天気になってきました。写真はアナログチックでとても良い感じになったけど…

雲ノ平は咲いたばかりのエゾコザクラがきれいです。ここの群落はすごいですよ~。

時折、雪渓を渡ります。こういうの嫌いなので早くなくなってくれればいいんですけど。

美瑛岳は美しく晴れているんですが、何時まで持つことやら…この山にはこういうシチュエーションで何度も山頂到達と共にガスの中という嫌がらせのような行為を受けているので、もう見た目の天気にはだまされません。


いい感じの苔です。岩の上を完全に覆うことなくポツポツと生えている奥ゆかしさが、苔マニアにはたまらない一枚となることでしょう。

少しわかりにくいですが、ショウジョウバカマの大群落を見つけました。こんなにかたまって咲いているのは初めて見ましたねぇ。

チングルマもボチボチ咲き始めています。去年も同じ時期に咲いているのを見ましたねぇ。

美瑛富士への登り斜面には、ルートの左右に満開のイワウメ畑がひろがります。これが見たくて来たのですが、何だか息が上がりっぱなしで落ち着いて見られませんでした。今、こうして写真で堪能しています(^^;。

そんなわけで美瑛富士到着です。山頂は強風とまでは言いませんが、ここで食事にしたくないぐらいには風が吹いています。

300mmf/4に付け替えました。オプタテシケ山です。空気が湿気ってたので少しイマイチですけど、頂上に山頂標識らしきものが見えます。

対岸の美瑛岳です。こちらはハッキリと人の姿が確認できました。手持ちで無理やり撮ってるので、少しぐらいブレてるかもですが、これだけ写れば素晴らしいでしょう。

重装備で美瑛富士避難小屋から美瑛岳方面へと向かっている三人パーティ。後ほど美瑛富士に登ってくるところで出会いました。縦走だとしたら美瑛富士を素っ飛ばしても不思議はないのに「全部登らなきゃ」と言っていたのが印象的でした。

続けて300mmf/4でイワウメのクローズアップです。被写界深度が浅いのもあって、奥行きのある構図で撮ると中央部が強調されて面白いですね。

チングルマさんです。このレンズ重たいですけと、1.5mぐらいまでは寄れるので花をビシっと撮るにも向いてますね。ただ、近すぎるとオートフォーカスが誤作動してシャッターボタン半押しでもノーレスポンスのことがありました。一端、無限遠から距離を詰めていくとすんなり合います。

ズラーつ連なる満開のイワウメです。これも300mmf/4です。いや来て良かったです。

食後は一気にガスが降りてきて空気が湿気てきたので、一雨くるなと300mmf/4は絞まって16-85に付け替えて急ピッチで下山しました。写真は美瑛岳の急坂ルートの上から。この後、霧雨が降ってきます。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/aLaNAfF)で山行写真全てが御覧になれます。今回はツイッター(https://twitter.com/suzunanami)でつぶやいてません。


望岳台(8:30)→雲ノ平分岐(9:10)→美瑛富士分岐(10:50)→美瑛富士(12:10←昼食→12:50)→美瑛富士分岐(13:35)→雲ノ平分岐(14:50)→望岳台(15:15)


今回のカメラ
「Nikon D7000」+
 「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
 「Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED」

今回のあこの燃費:集計中

今年もとりあえず上富良野岳へ ~そして上ホロカメットク山~

例年、この時期に上富良野岳に上がって三峰山行ったり、上ホロ行ったりしていますが、今年もとりあえず上富良野岳まで上がっておこうみたいな感じで出掛けました。遠望で見ている分には、随分と雪は減った印象を受けましたけど、やはり登るとまだまだいっぱいです。とは言いつつも例年並みではないかと思います。この山の本当に危険箇所がなくなって、何も気にせずに登れるようになるのは、やはり6月の第2週ぐらいからではないでしょうか? ちなみに今年の山開きは6月15日の日曜日だそうです。山開きのポスターが凌雲閣に貼ってありました。冬・春の入山届けの徹底に、こういう告知ポスターやチラチの早期展開といい、上富良野町には本当に頭が下がります。


朝、登山口についてガラーンとしている駐車場と本日分は未記入の入山届を見たときには、「え?、こんな天気の良い日に今日誰も登ってないのかい? うそだぁ!」と思いつつも、緊張感を味わいながら、誰もいない静かな山を満喫しましたが、やはりそうは問屋がおろさないようで、結局、下山時に富良野縦走組を含めて5組ほどのパーティを確認しました。予想外だったのは稜線の強風で、身体が持っていかれそうになる上に、風の通り道では小石や砂などが顔に当たって痛い痛い。たまに、こういう体験をすると山も生きてるなぁって実感します。

安政火口からぐるっとまわってくる途中のトラバースルート。まぁ、実際、この角度のところを歩いてくるんですけけど、自衛隊か、山岳会か、有志の方々かが、雪を切ってくれていて非常に歩きやすくて感謝です。

トラバースの先にある例年の難所の雪庇。ちゃんと雪がカットされていました。「おお、素晴らしいー」。誰もいないので、感想を大声で出しつつ越えます。多分、はたから見たらへんな人です、絶対に。

今日は何という空がとても美しい青なのです。それに薄いけれどもコントラストがはっきりした雲が架かってとても綺麗なんですよねぇ。やはり今日登ってよかったと思いました。この写真は富良野岳です。

夏には熊笹で覆われてしまうD尾根への直登ルート。午前中はガチガチの急坂なのですが、今日は比較的条件もよく登りやすかったです。ここから振り返って見る富良野岳もいい景色なのですが、今日は空のおかげで例年の5割増ぐらいに素晴らしいです。

D尾根まで登りきるとキバナシャクナゲがいっぱいあります。残念ながら、まだつぼみですが来週あたり、うまくすると咲くかもですよ~。この写真はtarumae-yamaさんから譲り受けたTG-620で撮りました。

そして上富良野岳の直下へと…ここから見ると全然たいしたことないのですが、一箇所、いやな斜面に雪が残っているのです。まぁ、私が通れるぐらいだから、普通の人ならスイスイでしょうが…。

上富良野岳に上がった途端に強風に晒されました。おおぅ、十勝岳らしい風…とか言いつつ、重心落としてないと持っていかれそうな上、上富良野岳には地形的に風をさえぎれる場所がないことに気づき早々に、上ホロに移動します。途中のコルでは砂や小石とか色々飛んできて痛いのなんのって(^^;。

そんなわけで上ホロ山頂です。見事に折れてます。そういえば以前に山頂標識の場所が変わったなぁと思っていましたが、この場所では早々に折れるのは何となく納得です。だってここ季節風モロだもの。以前の標識のあった場所は、断崖から数メートル離れるだけで地形の関係上、風が弱くなる絶妙な位置にあったと思います。

わーい。十勝岳です。きれいねぇ。何か作られたような青だけど、これ、別に画像処理したわけじゃなくて、今日は本当にこんな空だったんですよ。風が強いと空が青くなるとか…あんのかなぁ。そして雲が色々な形になってはすぐに消えていきます。長いバルーン型とか、円盤型、螺旋状にブーメラン、色々撮ってきたので暇な方はImageSpaceでご堪能ください。

上ホロでは、風は避けられて昼食も落ち着いて食べられたけれども、時折風に吹かれてやはり寒いので早々にD尾根まで下山してきました。午後になって気温の上昇とともに雪が腐り始めると、上富良野直下の急斜面の残雪越えの難度がより上がりそうなのも見越しての下山。案の定、一番嫌な急斜面り残雪が腐りかけていてズズっと滑ってヒヤっとしたのであります。そんなわけでD尾根で紅茶を頂きます。今日もセイロンティーですが、黒糖が入っています。我ながら変な組み合わせですが、とても美味しいですよ。

そんなわけで無事下山。いつもなら凌雲閣の温泉に入るのですが、今日は飲み仲間のライターさんが山辺の家族(http://www.yamabenokazoku.com/)に取材に行くと行っていたので、タイミングよく会えればいいなと思って山辺の家族へ。昼食が早かったせいもあって、お腹もすいたので、温泉につかった後は、小上がりで新聞を読みつつ「美瑛豚100%W麹のハンバーグ丼」を頂きました。結局、待ち人来たらずでしたが、久しぶりに紙のニュースを見ながら(何気に時間のあるときにゆっくり新聞読むのって好き)、下山後のひと時を満喫したのでありました。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/yNmMNV4)で山行写真全てが御覧になれます。今回もツイッター(https://twitter.com/suzunanami)でもリアルタイムで色々つぶやいてます。

今回のカメラ:
「Nikon D7000」+「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」
「Olympus TG-620」

今回のあこの燃費:12.0km/L(街乗り含む。ただ空気圧そろそろチェックしとかないとな)

望岳台から恒例の十勝岳登山

実は一昨日にだるい上に鼻水が止まらなくて医者に行ったばかりなのですが、快晴の予報に家でじっとしているわけにもいかず、昨日は早めに準備を済ませて、夜8時に就寝、山小屋か(^^;って感じですけど、とにかく思いっきり寝ましたとも。そんなわけで本日の体調は幾分か良好で楽しんで山登りができました。やっぱ、ここを登っとかないと自分の中で夏の登山シーズンが始まったという気がしません。午前中は雪も締まっていてアイゼンなしでも丁度良い感じでしたが、帰りは気温の上昇とともに一気に腐り始めてきました。そんなわけで病み上がりの上に、体力不足で結構フラフラになりながらの山行でした。

望岳台から清清しい気分でスタートを切り、雪と夏道半々ハイキングコースを登ってきました。30分後休憩中、縦列で三人パーティが登ってきます。こういう風景って絵になりますね。

大半の人たちが直登ルートを取る中、私はと言うともちろん楽チン夏道です。少し雪を迂回したりする必要がありましたが、1720m標識の手前あたりまでは夏道で繋いで行けました。

途中、夏道から大正火口を見ます。少し流れてますが噴煙も穏やかです。このあたりはほぼ無風で暑くてしょうがないのですが、時折、癒しのそよ風が吹いてくれます。

地球は丸かった。そんなことを連想させるようなすり鉢の淵の曲線です。ここは標高1720mこの向こうにはすり鉢火口が大穴を空けて待っています。

見慣れたでしょうが、やはりここからの一枚ははずせないのです。こここそ十勝岳の王道を行く風景でしょう。

そんなわけで山頂に着きました。今年は十勝岳の肩を経由して登ってきましたが、もう足が上がらないのに、息は上がりっぱなしで、疲労困憊なのです。ここで準備万端だったはずなのに重大な忘れ物に気づきました。箸です。おおぅ、カップめんが食えんではないかとお湯を入れてから、どーしよ、こーしよと思案しつつ、カップめんの蓋を丸めて即席箸(一本しかないけど)を作ってみましたが、これが結構いけるじゃん。そんなわけで、無事に食事もできました。

山頂から眺める平ケ岳のゼブラ模様には少し遅かったようなので割愛するとして(image spaceとヤマレコには掲載しますが)、定番の富良野岳の写真を載せておきます。ここから見るこの稜線の風景がとても好きなのです。

下山時はショートカットしてグランド火口を突っ切ります。雪がズブズブに沈んで下りなのに結構体力を消耗しました。広角レンズでこの火口で撮るのは初めてなので、期待してたんですけど、何かただの大雪田にしか見えませんね。ちゃんと写ってんだけどねぇ。

雲ノ平分岐付近で休憩です。ティータイムは大事にしないとねー。器はポットの蓋ですが本場英国のセイロンティと、これまた英国生まれのキットカットをアイスにして頂きます。

休憩中に下山する人たちを撮ってみます。ぐぐっと大胆にフレームを下げて立体感のある構図になりました。今回、撮った写真で一番気に入ってるっぽい。

ここからは少し写真で遊びながら降ります。おおぅ、ハイマツさんが除雪機のように何か白いものを吐いてますぜ。


そして、今回も、スキマ愛好家達に送る一枚を撮っておきました。旭岳を正面に華麗なるスキマを演出しているのはハイマツさん達です。中々の役者ですなぁ。

そしてこの季節ならではの新緑と雪のグラデーション。何か適当にシャッター切っただけなんだけど、後で見たら意外と良い。

そして下山後はいつもの「山辺の家族」で温泉です。入るやいなや熱烈歓迎してもらっちゃいました。温泉に入って、少しゆっくりしたくて今日は白玉アイスにしました。他にベリーにアイスもありましたけど、はやり運動した後はこっちでしょう。あずきの甘さが身体に沁みます。うまいですねぇ。花みたいなデザインも可愛いのです。そんなわけで、小上がりでゴロゴロしつつ、新聞読みつつ、アイス食って完全復活です。その新聞記事で、今日を最後に江差線が廃線になるらしいと知って、少しショックを受けました。江差線はまだ乗ったことなかったんですよねぇ。また一つ北海道から線路が消えてしまいますねぇ。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/5NKbRpR)で山行写真全てが御覧になれます。今回からツイッターでもリアルタイムで色々つぶやいてます(山と関係ない、つぶやきのほうが多いけど(^^;)。


望岳台(7:40)→白銀荘分岐(8:10)→雲ノ平分岐(8:35)→1720m標識(9:45)→十勝岳(10:50←昼食→11:45)→グラウンド火口(12:00)→雲ノ平分岐(12:30←ティータイム→12:45)→望岳台(13:30)

今回のカメラ:「Nikon D7000」+「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」

今回のあこの燃費:14.2km/L
(やはりエコタイヤ素晴らしい。ちなみに、昨年、身を持って体験したんだけど、エコタイヤも空気圧下がるとエコじゃなくなる(^^;。まめに空気圧はチェックしようね)

α707siの幻想的な十勝岳の世界へ(2013年10月14日)

10月14日(月曜日)三連休最終日にミノルタのα707siを持って三峰山で稜線やナキウサギさんを撮りながらのんびりしてこようと思って現地に着いたらものすごい積雪。十勝岳温泉-望岳台線は全線通行可能で、上富良野から十勝岳温泉に向かいつつどうするか考え、積雪が思ったよりも深そうで、もう本年に十勝岳連峰に登れるのはこれが最後になりそうなことから、予定変更して十勝岳へ向かう。いつもの望岳台スタートしたが思いのほか紅葉がきれい。


標高を上げるに連れてチラホラと雪の姿も見えてくる。十勝岳避難小屋の上から通行禁止前十勝ルートとの分岐あたりから見上げる姿は何度も見ている光景だけれども「美しいなぁ」と思う。

更に標高を上げて1400mあたり、岩の影に生える植物にもビッシリと樹氷が付いてとてもきれい。

振り返ると十勝岳避難小屋あたりを境に白い世界と茶色い世界が区切られている。


標高1570m、昭和火口手前のグラウンド火口から伸びる渓谷。毎年春に完全に雪で埋まったこの上を歩いていると思うと、少し恐くなってくる。

標高1720m。私の中での定番。十勝岳と言えばこの景色。スリバチ火口とグラウンド火口に挟まれた高台から見る十勝岳の溶岩ドーム。

そしてスリバチ火口越しに見る美瑛岳の美しいこと。まだ雪も降りはじめということで、山裾から山頂に向けて少しずつ白色が濃くなってくる。


グラウンド火口。広すぎて難しい被写体を適当に撮ってみたつもりだったけれども、描写が絶妙でフィルムでなければ撮れないような写真になった。


踏み跡を辿っていたら知らない内にショートカットルートに入っていた。ここから見る山頂の風景も結構好き。

いよいよ溶岩ドームに取付く。この直前から見上げる圧倒感が大好きだ。積雪はそこそこ硬く、念のため持ってきていたアイゼンが大活躍。スライドする人達はみなアイゼンなしで必死に降りてきている。

山頂直下、ここから見る富良野岳への稜線が角度的に一番美しいと思う。この段階では一面の青空で最高の風景が拡がっていた。

山頂直下で自立した海老の尻尾。多分、芯材はロープを固定するポールなんだと思うが、透き通った感じといい完全に自立して成長したような不思議な光景だった。

一面、海老の尻尾で展開される十勝岳の山頂直下。感動的なまでに凹凸のコントラストがすごくて、まさにベルビアで撮って下さいと言わんばかりの光景だった。

そしていよいよ十勝岳山頂着。何度立っても気持ちが良い。2000m級の高山に登り始めたのは2007年からだけと、その短い期間でバカみたいに22回もここに登り続けてているが、全く飽きることはない。

雪景色の十勝岳支稜線。上ホロカメットク山から、境山、下ホロカメットク山へは「大雪山国立公園候補地 昭和8年版」によるとかつて登山道がついていたそうだ。今の時代にも道が続いていたらと思う。


十勝岳のすぐ横、平ヶ岳の縞模様がうっすらと見える稜線。一人の男性がこの雪の中、美瑛岳の縦走路へと進んでいった。

SIGMA AF APO 400mm F5.6を使って富良野岳を望遠。このレンズを使ってαで風景を撮るのは初めての気がするがとても素晴らしい。

同じく400mmで上ホロカメットク山。望遠風景的に400mmってとても丁度良い焦点距離だな感じた一枚。細いポールのように見える標識のある山頂までジグザグの登山道が続いているのがよくわかる。ちょうど私が今年の初めに良く持ち歩いていた8倍の双眼鏡の画角が400mm相当だということで、十勝岳の山頂から双眼鏡を覗くとこんな感じの絵が立体的に見えるはず。

トムラウシ山を400mmで...象徴的なダブルピークをきれいに捉えた。

ニペソツ山を400mmで...先週アップしたNikon1の換算1080mmの写真と同じレンズを使っているとは思えないほど解像感のある写真に仕上がって驚いた。風景写真でベルビアが支持される理由が良くわかった気がする一枚。

山頂で昼食後に大分雲が拡がってきた富良野方面...街並みの一つ一つがとてもきれいに写っている。

そして予告編でNikon1の写真を公開した十勝岳山頂から富良野岳への稜線風景。モノクロチックな富良野岳のグラデーション模様が美しい。ベルビアにしては遠景の赤が強調されていなくて意外だったけれども、現実世界とはかけはなれた美しさを持つ写真になっていた。

山頂で写真を撮りまくっている内に足先の感覚がなくなるぐらいに身体が冷えてきて、震えが止らなくなり、カップ麺等で暖かいもので食事にして一息ついた後に下山。下山途中に標高1720m点から雪と対称的に茶色い下界の風景。今回、ベルビアを使って唯一白トビした写真。とは言いつつも、下界の風景や雲の拡がる空は適正露出できれいに写っているし、失敗写真というべき代物でもでもない。

下山途中に涸沢を埋めるマルバシモツケのものと思われる紅葉。現物もすごくきれいだったけれども、写真のほうが印象的で素晴らしい雰囲気になっていた。


その主役のマルバシモツケと思われる紅葉。現物はもっとあっさりした色だけれども、これはこれで作品としては素晴らしい。

望岳台に戻ると傾いた日に照らされた紅葉が美しい。観光客も多く、皆、雪景色と紅葉にカメラ片手に記念写真を撮っていた。

下山後に望岳台遊歩道を少し歩いて紅葉の見える高台へ...本当は雪を被った旭岳が見えているハズなのだけれども、空と同化してしてしまって少し残念。

下山後は例によって「山辺の家族」へ風呂に入りに...何だかお客さんが多くてバタバタしているみたいだったが、湯上がりの頃には落ち着いた感じで、ちょうどカフェから出てきためぐみさんに声を掛けてもらい、山頂の状況など少し話をした後、「十勝岳連峰はもう今年最後にして、来年の5月にまた来ます」と別れを告げて、気になっていた白金温泉の紅葉を見に行った。丁度、見頃で素晴らしい光景だったがフィルムで写真を撮るには難しい状況。日暮れ時期で渓谷の下は暗いが空はまだ明るい。しかもフィルム残数が限られている中、少し欲張った構図でトライして、結果的に美瑛岳と美瑛富士が白トビしてしまったが、まぁ、これはこれで良いかと思う。そんなわけで積雪と紅葉を満喫して薄暗い白金温泉を後にして帰路についた。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/JNVWdK8)で山行写真全てが御覧になれます

望岳台(8:40)→白銀荘分岐(9:15)→雲ノ平分岐(9:35)→H1720m標識(10:55)→十勝岳(12:05←昼食・写真撮影等→13:10)→H1720m標識(13:55)→雲ノ平分岐(14:35)→白銀荘分岐(14:55)→望岳台(15:20)→下山後自然歩道散策(15:20→15:30)

今回のカメラ:
Minolta α707si
AF zoom 24-50mm F4 + MC-UV
SIGMA AF APO 400mm F5.6
Film: Fujifilm velvia 100F (RVP-F)

今回の現像所:
「なら写真倶楽部写真現像屋」
リバーサル現像と写真インデックス付きのCD書き込みをしてもらいました。一枚だけスキャン画像にホコリの写り込みがありましたが、それ以外はとても良い出来で感謝です。
http://item.rakuten.co.jp/naraphotoclub/10000004/

今回、ベルビア100Fを使ってみて、まず仕上がりの感じはフジフィルムの言うリアルカラーと呼べる代物ではないということ。ただ、少し古臭さを感じさせる色調と斬新な色合いが、同時並行する別な世界を捉えたような印象で、デジタルでは表現できない素晴らしい写真に仕上がったと思います。ファインダーの視野率が100%ではないため、ハレ切りの手が写ったりした失敗があったものの、露出で大きく失敗した写真は皆無でした。同じ機材を与えられても、きっと昔の自分にはこんなに良い写真は撮れなかったと思います。デジタルで色々失敗した経験がすごく生きているし、Nikon1の露出を参考に自分なりにつかんだαの癖をうまく補正して良い写真が撮れたと思います。色々とお金は掛かりますが、「また、このカメラで写真を撮ってみたい」、そんな気持ちにさせられました。

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