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秋の高根ヶ原通信(2日目) ~紅葉のはずが初冠雪~

朝5時30分起床。寒い。小屋の中の気温6℃。昨夜、0℃ぐらいの中、星を観察をしていた自分が信じられない。飯でも食えば暖まるかもということで食事にする。今朝も、隣の3人パーティに薄切りの餅を熱々のラーメンの中に入れてもらった。うまい!これはお手軽だし次に行くときは持って行きたいなと思う。ようやく身体が暖まって外にでると、まぁ、いい天気。この景色は今年は3度目だけど、それでもいいなと思ってカメラを構える。

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出発前には、管理人さんにコーヒーをご馳走になる。昨日は、ほうじ茶とハーブティ、焼肉に漬け物、今朝は餅にコーヒーと、色んな人に色んな物もらって感謝の気持ちでいっぱいになる。管理人さんに挨拶して、暖かい気持ちで小屋を出発するとドンヨリとした雲天。さすがにお天気まではついてきてくれないらしい。それでも緑岳まで行ってみる。緑岳の稜線の向こう側や高原温泉は晴れていて景色は良好だ。振り返るとこれから歩いていく稜線がきれいに見えていた。

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ここで高原温泉に下りると言っていたおっちゃんと別れて、まずは小泉岳へ。緑岳は雪が殆どなかったが、小泉岳に向かうにつれて雪深くなっていく。道も曖昧になってきて高山植物の上に踏み跡があったりして出来るだけ雪の上を選んで歩いていく。白雲岳は今日もガスの中なので素通り。白雲岳分岐を越えて北海岳に至るルートに出ると一気に雪深くなる。ルートも思い思いといった感じで、本来夏道のあるだろうペンキの所は誰も歩いていない。一応、雪にはまりつつペンキをトレースしていく。

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白雲岳の麓のベンチで作っておいたお茶にする。昨日、高根ヶ原から戻ってきたばかりの3人パーティに頂いたハーブティ。ドイツ製で「Hot Love」と書いてあった。「うーん、まず~い(^^;」中途半端な酸味が刺激的な何とも言えず珍妙なお茶だ。この酸味は疲れた身体に良さそうな気もするが、やはり美味しくない。同じベンチで話した男性は今年の夏に岩尾別~羅臼岳~カムイワッカの日帰り縦走をやったらしい。13時間掛かったそうだ。強者だなぁと思っていたら、「赤岳、緑岳経由で高原温泉に降りたいんですけど大丈夫ですかねぇ」と弱気な発言。私なんて今年の夏、11時間弱の十勝縦走で動けなくなってるのに、13時間の縦走できる人なら楽勝でしょうと送り出す。その後、私も北海岳に向けて出発するが、このルートは道が掘れているので雪が深い。できるだけ端を通ってやり過ごす。北海岳に着くと、凌雲岳・桂月岳・黒岳は全然雪がない。

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北海岳から下って行くと、それまで頭痛がするほど寒かったのがウソのように暖かくなっていく。北海沢まで下ると暑くて汗が出てきた。アウターを脱いで夏山の格好に...なんだか、このあたりから季節が違う。赤石川を渡って黒岳石室まで来るともうポカポカ陽気。この差はいったい何? 黒岳石室は相変わらずの大賑わいだ。管理人室前の物置小屋の石積みの基礎に腰かけて食事にする。営業最終日ということで管理人さんも何時になく多い。私が知っている顔は、昨年に御世話になった一人ぐらい...忙しそうにしている中、私を覚えていたのかいないのか声を掛けてくれる。サンダル履きにショルダーバッグと信じられないような格好をした姉ちゃんもいる。よく登山口で止められなかったものだ。

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昼食後は黒岳の岩場でナキウサギを探す。食べ物探しに集中しているのか鳴き声が殆ど聞こえない。いや、鳴き声が聞こえないとこんなに探すのが大変なのかと改めて思う。私よりも先に老夫婦が見つけたようで、たちまち人だかりができる。その後、私も地道に観察を続けてようやく鳴き声を頼りに岩の上にたたずむ一匹をフレームに入れた。丁度、子供さん連れのパーティが通りかかって見せてあげられたのも良かったと思う。写真のナキウサギはいつもと変わらないポーズだけど、やはり忙しいんだなと痛感した。ナキウサギ観察を終えると、一気に黒岳のピークまで登って、転がり落ちるようなペースで下っていく。夏のように花の誘惑もないので、多分黒岳の下山時間としては私の最速タイムだと思う。早く風呂に入りたい気持ちと、今年の表大雪の山行もいよいよ終わったなぁというシンミリした気持ちが入り交じった何だか妙な気分でリフトに乗って下山した。


白雲岳避難小屋(7:50)→緑岳(8:20)→小泉岳(9:15)→北海岳(10:25)→黒岳石室(11:25←昼食→12:00)→黒岳岩場(12:00←ナキウサギタイム→12:55)→黒岳(13:05)→黒岳7合目(13:55)→黒岳5合目(14:15)→層雲峡(14:40)

今回のあこの燃費:13.7km/L

秋の高根ヶ原通信(1日目) ~紅葉のはずが初冠雪~

今年の山小屋営業最終日ということで白雲小屋に泊って来ました。あこを層雲峡に置いてバスで銀泉台に...林道に入ると、バスの運ちゃん豹変、あこより速い。何度か恐怖を覚えつつ無事に銀泉台着。

銀泉台は登山者ラッシュ。いきなり渋滞に巻き込まれるのもイヤだったので、ゲート入ってすぐのショートカットルートを使って一気に御一行様の先頭に出る。これは功を奏したが、第一花畑には狭い登山道脇に三脚セットしたカメラマン多数。何だかなぁと思いつつ登っていく。第ニ花畑はガスの中、駒草平で少し晴れたが視界は今ひとつ。第三雪渓の紅葉はきれいだが曇っていて、微妙だなぁと思って登っていくと運良く日差しがあたり始める。

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第三雪渓を登りきると雪が見え始める。霰もポツポツ降ってきた。登るにつれて積雪の量が増えていき、赤岳山頂付近は完全に雪道に...それでも今日も人でいっぱいだ。ざっと40人ぐらい...赤岳っていつからこんなに人気の山になったんだろうって思う。始めて来たときなんて、山頂に2パーティーぐらいしかいなかったのに...で、例によって赤岳の岩に登ってみる。烏帽子岳の雪景色が美しい。

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しばらく岩の上で景色を堪能した後、白雲岳方面に向かう。ここからは雪にかなり足を取られるような感じ。「今年は紅葉が遅いねぇ」なんて話してたのが4日前のこととは到底思えないほど小泉岳の稜線は一面の銀世界。

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天気は総じて悪く、曇りまたはガスという感じなので、白雲岳も素通りして早々に小屋に直行する。水を汲んで、寝袋を広げつつ昼食にして、ゴロっと横になっていると思わぬことに高根ヶ原が晴れてきた。ちょうど高根ヶ原から戻ってきた3人パーティが、高原沼の視界は良かったと言っていたので、早速行ってみることに...確かに高原沼のほうは晴れているが、横殴りの雨が降って来て心が折れそうになる。それでも、結局、好奇心が勝って平ヶ岳近くの1730m点まで行ってしまった。帰りは霰に合い、びしょ濡れになって帰還。ちなみに大した絵も撮れていない(T_T)。

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夕食は自分で用意したものの他に、隣の三人パーティに焼肉や漬け物など色々と頂いて、お腹一杯になってしまった。いつもはレトルトやインスタントものばかりなので、ちゃんと調理された食事が山の上で頂けるなんて夢みたいな話だ。食後は、酒を片手に写真を撮りに外に行くと、管理人さんからも夕食の誘いが...ありがたい話だったが、さすがにもう食べられないので丁重に辞退する。

一旦、就寝後、夜21時前に暑くて目が覚める。涼みがてら外に出ると一面の星空。ちょうど観察していた人に小泉岳の「稜線近くにすばる(プレアデス星団)が見えますよ」と言われたが眼鏡を忘れたので全く見えない。それらしき方向にカメラを向けてシャッターをきって確認するとちゃんと映っていた(写真下側の5~7個の星の集り、右側の明るいのは木星らしい)。双眼鏡をのぞかせてもらいつつ、色々と星の話を教えてもらって楽しい夜が過ぎていった。

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銀泉台(9:00)→駒草平(10:10)→赤岳(11:10)→小泉岳(11:35)→白雲岳避難小屋(12:00←昼食→13:15)→高根ヶ原・平ヶ岳1730m点(14:00)→白雲岳避難小屋(15:05)

紅葉の当麻乗越 ~泥んこ道を行く愛山渓ルート~

三連休最終日にギリギリの晴れ予報ということで、愛山渓温泉から当麻乗越の未踏だったルートを繋げつつ大雪山の紅葉を楽しもうということで行ってみる。

薄曇りの中、愛山渓温泉をスタートすると登山道はいきなり泥道に。水芭蕉の大きい葉があちこちに見られる。ここ数日の雨のせいもあるけど、元々水の溜まりやすい地形なのかもしれない。上に登るにつれて多少は良くなるかと思ったが、ずっと変わらずで、三十三曲りを越えて視界が拡がり初めると、今度は道が泥から水場に...そして沼ノ平の木道に安堵しているとまた泥。なんだか歩きにくい道だなぁと。

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沼ノ平から熊笹とハイマツのブッシュ。所々鬱陶しいがそんなに酷い状態でもない。1591mピークに達するとそれまで先端しか見えていなかった旭岳がきれいに見えてくる。何度も見ている山だけど、なんだか少し感動。そんなに鮮やかではないが紅葉も絵になっている。

1591mピークからは少し下ってから当麻乗越まで登っていく。足下は相変わらず悪い。標高1600mぐらいまで来るとピウケナイ沢が作り出した渓谷の左右に小さな沼が点在している光景が見られる。当麻乗越は去年も来たが、沼の景色は少し標高を下げたこのあたりのほうが奇麗かもしれないなと思う。

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当麻乗越に到着して気がついたら、レインスパッツの丈を越えて膝上辺りまで泥だらけになっていた。ここまでちょうど3時間。昭文社地図のコースタイムと全く同じ。いやウソでしょ。日帰り装備だと大体いつも地図の5~7掛けぐらいの時間で歩いてるのに、それほど道の状態が悪かったのか。時間に余裕があって、晴れていれば当麻・安足間・永山の1週ルートをとろうと思ったが、天候も曇りで疲れたし、今日はここで終わりということで昼食にする。

しかし寒い。気温6℃。高層天気図だと850hPa点(標高1500mぐらい)の9時予報で3℃だったから、予想よりは暖かいが、風があるせいで体感温度はグッと低く感じる。岩場の風のないところでお湯を沸かすが、イソ(ブタン)燃料だと火力が弱くて元気がない。来週の小屋泊まりはプロパンの入ったものを持って行こうと思う。一応、暖かい食事をしたが寒くなってきたので、もう少し山に登ってみようと当麻岳の標高1800m辺りのちょうどテラスのようになっている高台を目指す。途中、ウラシマツツジの紅葉が美しい。紅葉では、今日一番の光景かもしれない。

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高台に到着すると何だか鳥がいっぱい飛んでいる。全然鳴かないのでわからなかったがホシガラスだ。あたりを忙しくウロウロしては高山植物の種のようなものをつついている。彼らにとっては忙しくて鳴いてる暇もないようだ。私の存在も気付かずに食料集めに集中している。しばらく、そんな様子を観察していると、最初は10羽ぐらいいたのが、1羽また1羽と次なる目的地に向け去って行く。なんだかとてもいい瞬間に居合わせたようだ。

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高台の岩場ではエゾシマリスも忙しそうだ。なんだか動物達が忙しそうにしていると、少し気が早いが、冬が近いなぁという気がしてくる。長期予報では10月まで暖かい日が続くという話だったけど、山の上は平年並みのようだ。

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その後は、泥んこ道を六ノ沼まで一気に下りて当麻乗越で作っておいたお茶の時間にする。もう何だかグッタリだ。ここで追い付いた北見の4人パーティーが去った直後、何やら「ガーガー」という鳴き声と「鴨がどうこう」いう話声が聞こえて、こんな高地に鴨なんてとと思っていると、目の前をスイーっと鴨が通り過ぎる。あらぁ、本当にいたんですね。鴨を見送りつつ、お菓子を食べて木道横のスペースに寝転ぶと丁度良い心地。目を閉じると何だか寝てしまいそう。いや本当にヤバい気持ち良さ。眠ってしまう前に起き出して、延々続く泥道を下って行った。


愛山渓温泉(8:10)→三十三曲分岐(8:35)→沼ノ平分岐(9:25)→当麻乗越(11:10←昼食→11:50)→当麻岳のテラス1800m点(12:05←ホシガラスタイム→12:30)→当麻乗越(12:40)→六ノ沼(13:35←ティータイム→13:55)→沼ノ平分岐(14:15)→三十三曲分岐(14:50)→愛山渓温泉(15:10)


今回のあこの燃費:12.6km/L

黒岳通信(2日目) ~桂月岳御来光と愛別岳アタック失敗~

朝2時54分。誰かに「時間ですよ!」と耳元で声を掛けられて起床。というか誰も声を掛けてはいない様子。そもそも、いつものように耳栓をして周りの人の気配すら感じずにぐっすりと眠っていたのに、よほどの大声でなければ声で目覚めるなんてありえない。不思議に思いつつも、まぁ「山ではこんなことは良くあるさ」と星の写真でも撮ろうと起き出す。石室前のテーブルには、もう既に桂月岳御来光の準備をしている人達もポツポツと。石室の屋根ごしにはオリオン座が登ってきているのが確認できる。夏でも、明け方近くであれば東の空に見られるようだ。

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3時30分、御年配が起き出してくる。そろそろ準備して行きますかとyah氏を起こしにかかる。去年は酒を飲んで桂月の御来光を逃したが、今年は謎の声のおかげもあって、かなり飲んだにも関わらずスッキリと目覚めた。が、しかし、yah氏は寝ついたところらしく中々起きない。私も耳栓を使い出すまでは、テントや山小屋で眠れなくて苦労した覚えがあるだけに、悪いなぁと思ったが、ここで起こさなければ御来光を逃した後悔のほうが大きいだろうと思い、心を鬼にして強く身体を揺すると何やら反応が...「時間ですよ。そろそろ行きましょう」と声を掛けるとガバッと起きてくる。しばらく固まっていたが、状況を理解したようで準備を始める。暗闇の中の登山は私自身も始めてで、ライトの調整等々色々と試しながら登っていく。LEDライトは全体的にぼんやりと明るいが地面の凹凸がはっきりしなくて歩きにくい。結果的には、電球のスポットライトのほうが凹凸がわかって歩きやすかった。そんなわけで無事に山頂に、既に多くの人がスタンバイしている。

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私も桂月岳で最も高いと思われる岩の上に腰を落ち着ける。寒いかと思ったが、上半身は下着の上にシャツ、フリース、ダウン、アウターの5枚重ね、下半身はパンツの上に雨具、スパッツと持ってきたものをすべて着ただけのことはあってすこぶる快適。待つこと約30分、武利岳の左側の稜線から朝日が登り始める。最大望遠で朝日を捉える。うーん美しい。今まで「御来光なんて」と思っていたが、こうやって実際に見てみるとわざわざ見に行く人の気持ちが理解できる。太陽が完全に稜線の上に出ると横長の楕円形に見える。大気の影響で真円には見えない。縦アングルで撮ってみて花札みたいだとか、いや花札は月だろうと御年配にツッコミをくらったりと楽しく時間が過ぎていく。

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その後は御年配は旭岳縦走、yah氏は御鉢平一周、私は愛別岳アタックと思い思いに別れて出発。yah氏とはここで別れ、御年配とは北鎮岳まで一緒に行く。北鎮岳の雪渓の手前では一回チャレンジして引き返してきたカップルのパーティがいる。少し休憩した後、御年配は直登、私はトラバース気味に思い思いのルートで雪渓を登っていく。気温が低かったこともあって雪が固い。ストックで雪を掘り起し、足場を確保して進んでいく。ストックは、キャップを外して90cm弱まで短くしている。傾斜が急だとこのほうが楽だ。しかし、時間のかかること。斜度が緩くなると三点確保で登っていく。カップルパーティも私の足場を使って登ってきている。全員無事に登れそうだ。

北鎮岳で2日間共に過ごした御年配と別れて愛別岳へ向かう。まだ、朝も早い裏ルートということで誰も歩いていない。愛別分岐に辿りつくと愛別岳の全容が見える。前回はガスがかかっていてよくわからなかったが、思ったよりも痩せ尾根だ。ザックをおいて出発、コルまで降りてくると、別な風が流れ込んでいるらしく、急に風向きが変わり、強風が吹きつけ身体がふらつき始める。もう少しなんだけどなと思いつつ、誰か他にアタックする人がいればと思い来た道を振り返るも誰もいない。午後にかけて風も強くなってくるらしいと前情報と、御年配が言っていた「風が強かったら戻ったほうがいいよ」の声を信じて戻ることに。丁度、分岐まで戻ったあたりで愛別岳に行くというおっちゃんと出会う。タイミング悪いよと思いつつ、今回は諦めて戻る。

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北鎮岳で休憩した後は、あの急斜面の雪渓を降りる気もしないので御鉢平を一周して帰ってくる。北海岳では神戸から来たN氏夫婦と出会う。銀泉台から黒岳・層雲峡への一周ルートを楽しんでいるらしい。ペースが似たりよったりで、たまに話をしながら降りていく。黒岳石室では管理人の後藤さんとエゾシマリスが出迎えてくれる。「もう一泊するかい?」と声をかけられるが、家の中が山道具で散らかった状態なのでやっぱり「降ります。ちょっと休憩させて下さい」と言って休憩していると、今度は管理人の清水さんがチャーハンの鍋片手に話掛けてくる。名刺交換して互いの情報を共有したり、山の話をしたりしている内に30分以上時間が経過。「お世話になりました」と声を掛けて下山する。

小屋を出ると黒岳への登りにの手前で、北海岳で出会ったN氏夫婦が何やら岩場を眺めて立ち止まっている。「この辺りにナキウサギいるんですか?」って聞かれて「いますよ~」と即答。鳴き声は聞こえるんだけど、ということで暫くナキウサギタイム。近くの岩場でチョコっと顔をだす。「ここまで出てくれば後は時間勝負ですね」と、言って見ているとギャラリーが増えていき、発見率がどんどんあがる。で、岩場の一番上にいるナキウサギを捉える。暫くじっとしていてくれたので、N氏も無事にビデオにも収められたようだ。「いますよ~」と回答した手前、見れてよかったとホッとする。

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その後もN氏夫婦とは着かず離れずのペースで、途中から元山岳ガイドのおっちゃんも加わって、花のことを聞いたりしながら降りていく。山岳ガイドのおっちゃんは途中からペースを上げて先に行ってしまった。7合目で私は脚が痛いからリフトで下りますと言って、5合目まで歩いて降りるN氏夫婦と別れる。

ロープウェー黒岳駅で、山岳ガイドのおっちゃんと再び合流して話をしていると、何やら見たことのある大きな人が近づいてくる。あれ?白雲小屋の管理人さんじゃないか。勤務シフトを終えて降りるようだ。偶然とはいえ良く合うなと管理人さんも驚いている様子。「十勝縦走したんですって?いいなぁ今度の休みに行ってみようなかなぁ」とロープウェーの中でも話をしなから下山して行った。

層雲峡で二人と別れた後は、黒岳の湯で汗を流す。駐車場に戻ってくると神戸ナンバーの車を発見...もしやと思って近づいてみるN氏夫婦だった。今、下山してきたところらしい。「お茶でもどうですか?」と言われて別に断る理由もないので「いいですよ」と答えて温泉街の一番手前にある喫茶店で話をする。明日は高原温泉沼巡り、明後日は旧士幌線のアーチ橋を見に行くと言っていた。毎年北海道に来ているそうで、車中泊で色々回っているんだそう。私の移住話や、私の知らない北海道の情報を色々と教えてもらったりしつつ、1時間ぐらいがあっと言う間に過ぎていた。その後、あこに戻ると急に眠くなってくる。まぁ、考えてみたら3時起きで山歩いてるんだから眠くもなるよね。そうは言っても今日は宿もとってないし帰るしかない。高速に乗ってからはあこもフラフラと頼りない動き。まぁ、そんなわけで、途中のパーキングでお菓子を食べたり、仮眠を取ったりして何とか無事に帰り着いたら時計は22時30分を差していた。


黒岳石室(3:40)→桂月岳(3:55←御来光撮影→4:45)→黒岳石室(5:00)
黒岳石室(6:25)→お鉢平展望台(7:00)→北鎮岳(7:55)→比布岳(8:45)→愛別岳分岐(8:55)→愛別岳のコル(9:14)→愛別岳分岐(9:45←休憩→10:00)→比布岳(10:10)→北鎮岳(11:05)→中岳(11:40)→中岳分岐(11:55←昼食→12:10)→間宮岳(12:25)→荒井岳(12:30)→松田岳(13:00)→北海岳(13:15)→黒岳石室(14:35←休憩→15:10)→黒岳(15:45)→黒岳7合目(17:00)→黒岳5合目(17:10)→層雲峡(17:30)

今回のあこの燃費:16.1km/L (本当です!)

黒岳通信(1日目) ~強風の黒岳と利尻富士の遠望~

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夏休み後半戦は、前半戦に熱中症気味で堪能できなかった黒岳石室を使ってのんびり山行を楽しもうということで、急遽計画。というわけで3日ぶりに層雲峡に戻ってきました。本日は天気が良くないので石室に行くだけ。層雲峡温泉街に昼前に到着し、いつもの登山軒でラーメンを食べた後、ロープウェーで5合目に上がる。ここで旭川から来た御年配から声を掛けられる。リフトに乗って7合目から一緒に登山開始。3日前に降りて来たばかりの道だし、特にこれといった光景もないが、自分達が標高を上げる度に、少しずつ雲が高くなっていく気がする。8合目では千歳から来たyah氏(http://yah55.exblog.jp)と出会う。ここからは三人の即席パーティで上がっていく。

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黒岳山頂は3日前と様変わりして強風とガスの海。写真からは伝わらないが風速15メートルを越える風が吹いている。私はここでアウターを着たが、yah氏は果敢にもそのままアタックしていった。で、やはり戻ってくる(^^;。少し下がるだけで相当風が強くなって寒いらしい。御年配はさすがというか頂上直下で着替えて登ってくる。進み始めると風の強いこと。突発的に来る強風にはストックで重心を低く構えて風をやり過ごし、弱まったら進んでいく。難所を越えれば幾分風も気にならないほどに...石室手前の雪渓で御年配がビールを冷やす氷を取りたいと言って、一緒にストックで掘ったりして雪をかき集める。

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で、石室にチェックインするなりビール買って宴会スタート。yah氏は酒が飲めないと言っていたが、一緒に話に加わる。他にも朝に石室に来て一日いたという関西のおっちゃんなどを交えて盛り上がる。そんな感じで3時間近くが経過して、ふと外を見ると晴れているっぽい。どれどれと三人で外に出て眺めていると桂月岳がくっきりと。私が「桂月岳登りませんか」と言うと他の二人も同意。で、夕食前に桂月岳に登ることに。登るとは言っても石室からなら近所の小山も同然で、あっというまに到着。カメラ片手に思い思いのポジションで写真を撮っている。

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みんな堪能したということで帰って夕食。食べおわって後片づけをしていると管理人の清水さんが、テント場から利尻富士が見えますよと声を掛けてくれる。どれどれと後片づけもそのままに見に行く。肉眼ではあまりよくわからないので、ズームをいっぱいにして撮影する。ああ、確かにピークが見える。しかし手持ちなので中々うまく撮影できない。ねばって何枚も撮影してようやく良いものが撮れる。時計を見たらもう19時20分。食事の後片づけをして寝床の準備をするとあっという間に消灯時間。そんな感じで一日目はすぐに過ぎていった。

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層雲峡温泉(12:00)→黒岳5合目(12:10)→黒岳7合目(12:30)→黒岳山頂(13:55)→黒岳石室(14:30) 黒岳石室(17:30)→桂月岳(17:45←写真撮影→18:10)→黒岳石室(18:20)