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表大雪縦走記2日目 ~忠別小屋・忠別岳・高根ヶ原・北海岳・黒岳石室~

夜は小屋のトタン屋根が剥がれて風が吹くたびにすごい音がしていたが、耳栓のおかげでぐっすり眠れた。筋肉痛が心配だったが、前日のケア(ストレッチとバンテリン)が良かったのか痛くない。4:30ぐらいからモソモソと食事や出発準備をして、6:10に小屋出発。天気は薄曇りだが高い雲で視界も良好。この日は時間的にも余裕があるし、小屋周辺の高山植物の写真をとりながらのんびりとスタート。

1日目は不幸の連続だったが、2日目は幸運の連続。小屋分岐から忠別岳までの登りのハイマツ漕ぎで体力消耗するのイヤだなぁと思っていたら全部きれいに刈られている。快適に登っていくとトムラウシの山頂が五色岳の稜線から顔をのぞかせる。トムラウシ方向は快晴だ。そうこうしているうちに忠別岳に到着。今年は花が残念な感じで山頂のアキノキリンソウの群生もチラホラな感じ。しかしながら山頂からの景色は最高。前回来たときはガスにかかって見えなかった景色が目の前に広がる。景色を堪能した後、山頂碑とトムラウシのピークを入れて写真を撮る。写真を撮りおわるのを待ってくれたかのように、突然ガスがかかる。


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山頂から忠別沼までの下りは終始ガスがかかり、ツキもここまでかと思われたが、忠別沼の木道に差しかかったあたりで晴れ始める。

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リシリリンドウやウメバチソウ、ワタスゲがいい感じに咲いている。木道を占拠しつつゆっくりと風景や花写真を撮りながら進んで行くと暑いほどの陽気に。ここで白雲小屋からピストンのおじさんに会う。旭岳から縦走する予定が悪い天気のせいで白雲で二泊してここまでピストンに切り替えたらしい。みんな今年の天気には苦労してルート変更等考えているようだ。

私が今回このルートを通りたかったのは、忠別岳からの景色と、リシリリンドウの写真が撮りたかったため。もうこの時点で目的はほぼ達したと言ってもいい。それでも幸運はまだまだ続く。

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忠別沼を堪能した後、白雲小屋に向けて出発したが進行方向は曇っている。さすがにそううまくはいかないだろうと思っていたら、私が動くと晴れ間もあわせてついてくる。いやぁ、なんてツイてるんだと思いつつ軽快に高根ヶ原を通過。足下は多少ぬかるんでいるが問題ない。

新道分岐ではクモイリンドウが奇麗に咲いている。また白雲小屋近くではトカチフウロがちょうど見頃。エゾウサギギクやダイセツトリカブトなどと一緒に一面に花が広がっている。数メートル進んではカメラを構えるという状態が続く。結局、新道分岐から白雲小屋までは地図のコースタイムと同じ。私にしてはかなり遅いペースだが、この日はのんびり山行と決めていたので、こういうのも良い。

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白雲小屋で昼食を取った後、午後の部スタート。昼食中は曇っていたが、私が動き始めると徐々に晴れ間が広がっていく。本当に私を中心に天気が動いているようだ。白雲岳分岐から北海岳に向けては雪渓渡りでルートがわからなくなるトラブルがあったが、難なく元のルートに復帰。ここでエゾオヤマノエンドウの写真を撮りたいという希望もあったが、かなえられず。どうやら花関係は期待してはいけないらしい。この頃には、疲労も蓄積し足取りが重い。しかし、頑張って本日のラストピーク、北海岳へと上がる。その瞬間、疲労がふっ飛んだ。御鉢平が見事である。以前から「御鉢平のダイナミックな立体感を写真で表現するにはどうしたらいいだろう」と思っていたがその答えがここにあった。御鉢平は地図上では平坦な一周ルートなので、正直、歩くルートでこんなに見た目が変わるとは思っていなかったが、この変わりようには驚いた。

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ここで増毛から来たという二人連れ(http://blog.goo.ne.jp/syokann) と合流。写真を撮ってもらう。層雲峡早朝発で黒岳から日帰りで御鉢平一周しているらしい。いや日帰りで御鉢一周なんてすごいなどと色々と話している内に、自然と即席パーティで黒岳石室まで行くことに。更に中国人グループも加わりに一変して賑やかな山行に。北鎮側と違ってこちらのルートは起伏に富んでいる。急斜面あり、雪渓あり、川(徒渉)ありで疲れた身体に応えるものの歩いていて楽しい。雪渓近くのチングルマの状態も良い。石室への登り返しではさすがにバテたが、ワイワイ言いながらあっと言う間に石室着。

石室でチェックイン?をすませると外のテーブルで、ビールを買ってのんびり一杯だけ...のはずが、隣で飲んでいた夫婦と話したりしている内に、もう一杯、更に日本酒と酒が進みあっと言う間に日が暮れる。外の人も日暮れと共に少なくなってきたが、石室は自家発電照明で20:00消灯らしい。今は19:00。あと1時間ぐらい誰かと話でもしようかと近くのテーブルの人に話かける。こちらは銀泉台から白雲周りで来たらしい。山ルートの話で盛り上がる内に、酒を飲もうということになり御相伴にあずかることに。風もなく穏やかな夜で、気付けば人数が4人になって星を見ながら飲み続け22:00に。この4人で明日は桂月岳で朝日を見ようということになり、朝4時起床と約束し就寝。私にとって初めての山の酒はいい思い出になった。


二日目の行程
忠別小屋(6:10)→[忠別岳(7:25)]→忠別沼(8:05)→新道分岐(10:20)→白雲小屋(11:40着12:10発)→北海岳(13:35)→黒岳石室(15:00)

表大雪縦走記1日目 ~天人峡・化雲岳・忠別岳避難小屋~

今年の夏休みは安定した天気が続かないということで、計画していた十勝連峰縦走を諦め8月13日から2泊3日で表大雪を縦走することに...3日目の8月15日も下り坂予報だったため、すぐに下山できるよう2泊目を黒岳石室に設定。忠別岳と高根ケ原はどうしても通りたかったので、あこ(車)の回収を考慮すると天人峡から登って1泊目は忠別小屋という選択肢しかなかった。

1日目、札幌では青空が覗いていたにもかかわらず、旭川北インターで既に雲に覆われ、天人峡が近づくにつれてポツポツと降り始める。天人峡に辿りつくと崖上あたりから既にガスがかかり視界が悪くいやな感じ。2日目の天気予報が良かったので今日は根性登山と割り切ってスタート。他に登っている人はいるかなと思って入林届を見たら、本州からの1組のみ。しかも私の3時間前にスタートしている。これは今日は小屋まで誰にも合わないなと覚悟を決めて出発。

天人峡ルートは大雪で一番通りたくないルートとして有名で、下りはともかく登るなんてとよく言われるが、私は過去に登り下り3回ずつ経験して、そこまでイヤな印象は持っていない。しかし、今回はひどかった。全然整備されていないのか、第一公園までは2年前にはなかった倒木が数多く登山道を塞ぎ、雨でぬかるむ中、倒木を避けながらの山行で第一公園に着く頃には既にへばってしまった。ここで食事でもしようかと思った矢先に、追い打ちをかけるように本降りとなる。結局、キャラメル数個を口に入れ、雨具を着て進むことに。

ここからは沢登り状態。しばらくして雨は止んだものの上流で降ったのが登山道に流れ込んでくる。水に浸かりながら頑張って登る。ようやく水が引いたのはポン化雲岳が見え始めたぐらい。もうこの頃には脚が上がらなくなっている。気力だけでポン沼へと上がると、先に出発した親子らしき背の高い人達と出会う。話を聞くとヒサゴ沼泊でトムラウシに行くそうだ。今日は大変だったと労を労いつつ、少し気が楽になる。その勢いで1947mピークまで登る。ここまで来れば後は平坦。疲労困憊ながらも化雲岳到着。この時点で忠別岳方向が晴れてきてここで小休止、写真を撮ってもらう。

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予定よりも1時間ぐらい遅れているので、親子と別れ忠別小屋へ向かう。このあたりでは、マグロじゃないが止まったら動けなくなりそうな感じ。奇麗に咲いていた化雲平のツガザクラなども無視してひたすら歩く。甲斐あって日暮れ前に忠別小屋到着。

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ここで更にアクシデント。小屋1Fに荷物を広げて横になろうと手を着いた時、床が抜ける。雨もりで腐っているらしい。しょうがないので広げた荷物を回収して誰もいない2Fへ移動。2Fは床も安定して快適。すぐそばの雪渓に水を汲みに行き、食事をして6時過ぎには、うとうとと就寝。

結局、この日は化雲岳で撮ってもらったのと、化雲平で誘惑に負けたエゾウサギギクの写真しか撮っていない。こんなこと山に入って初めてで、よっぽどキツかったんだなと実感した。

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一日目の行程
天人峡(9:38)→化雲岳(14:50)→五色岳(時計不明)→忠別小屋(16:30)

松山湿原 ~タチギボウシの木道~

今日は晴れの天気を追い求めて道北に出かけました。久々のカラっとした空気に抜ける青空、やっぱ北海道の夏はこうでなくては。

出かけた先は松山湿原。最北の高層湿原ということで、一回行ってみたかったので丁度良かったです。場所は鉄道遺産編でも紹介した美深町仁宇布のトロッコ王国の近くです。他にも滝と名水があるらしいが、ダート道だったので、虫でフロントがデロデロになったあこ(車)を気づかって今回は見送りました。ちなみに湿原入山口までは全部舗装されてます。トロッコ王国と組み合わせれば一日遊べるんじゃないかと思います。

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湿原までのルートは片道約1km、湿原内一方通行のループで約1km、合計約3kmぐらいのトレッキングコースです。湿原内は木道が完全に整備されてますし、入山口と湿原に熊よけにぴったりな鐘が置いてあったり、コース中にはウッドチップがひかれたり、沢水がコースに流れないように配慮されてたりと、至れり尽くせりのいいコースです。途中の展望も良いです。

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今日見れた花は登山道でゴセンタチバナ(終わりかけ)、エゾアジサイ(まだ元気)、エゾトリカブト(元気)、アザミ(色あせ激しい)、湿原ではタチギボウシ(満開)、ホロムイリンドウ(咲きはじめ)です。なんか春の花から秋の花まで季節感がない話です(^^;。タチギボウシはものすごい大群生でした。こんなに群生してるのを見たのは初めてです。それなのに不思議なことに道内の様々な湿地で見られるエゾカンゾウとかは一切ないんです(それとも早々と終わったのか?)。なんか独特の植生に驚いてるうちにあっという間に一周終わってしまいました。写真ははいまつ沼に向かうタチギボウシの木道です。

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湿原内は知られてないのか、ひっそりしてて入山名簿見てても一日に1組みか2組みぐらいしか訪れていないみたいです。今日も夏休み期間の日曜日だというのに、午前中は森林パトロールのおっちゃんと私を含めて3組だけという...湿原を独り占めできるトコは最高なんですけどね(木道に陣取って写真撮ったりとか)。下りで4組みほど会ったので今日は多いほうじゃないでしょうか? 北海道で有名な高層湿原と言えば雨竜沼湿原ですが、人の多さとダート道を延々運転することを考えれば、お手軽トレッカーにはこちらのほうが魅力なんじゃ? 松山湿原までは、名寄バイパスが美深まで繋がってアクセスが良くなったので札幌から正味3時間で入山口まで辿りつけますし、今日は高速無料の上土日割引で片道900円でした(^^)。


今回のあこの燃費13.6km/L...素晴らしい(^^)

大雪山主峰旭岳...のはすが

北海道は梅雨みたいな天気がずっと続き、この一ヶ月は中々遠出の機会に恵まれませんでしたが、先週の日曜日、いよいよ出ましたスカっと晴れ予報。というわけで旭岳に登りました。

予定は姿見駅→旭岳→中岳分岐→中岳温泉→裾合平の一周ルートにしたが、旭岳温泉のロープウェー駅に向かう道中から雲行き怪しく、これは降られるなと覚悟を決めてロープウェーの往復乗車券を購入。いざ、姿見駅に着くと予想通りの視界不良と小雨の上、毎年きれいに咲いているチングルマが散ってほぼ壊滅状態に...残ってる花もかなり元気がない状態。なんでこんなことにと思いつつ、この一ヶ月のうっぷんを晴らすべく「たまには根性登山やるか」と気合いを入れて登り始める。ルート上の姿見の池も姿形ない状態に...登れば登るほど雨はひどくなって、1800mぐらいからは本降りに。ここでレイン上下の完全防備にしたが、濡れた服の上から着てるので、くっついて動きにくいことこの上ない。まさしく根性登山の名に相応しい状態に...山頂付近ではSOS事件で有名なニセ金庫岩が無気味な姿を晒している。晴れてると奇麗なのになと思いつつ、写真を撮る。

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その後、旭岳山頂まで行ったものの視界不良で降り続く雨に加え、日頃のメンテ不足がたたったか、手袋やレインの上が濡れて寒くなってくる。しょうがないので姿見駅に引き返し始めると標高1800mまで降りたところで何だか視界が開けはじめる。あれっ?と思っているうちに、遠くに青空が広がり、姿見の池もくっきりと見えるように。姿見の池まで降りた頃には日差しがまぶしいぐらいで、天気の急変ぶりに唖然。まだ時間もあるので、姿見園地を散策してから裾合平まで行って戻ってこようと思って歩き始めた矢先に見つけましたよっ。コマクサです。高根が原や赤岳のほうでは多く見ますが、こんなところにも咲いてるとは...驚きでした。

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姿見園地のベンチで食事を取った後、裾合平に向け再出発。情報掲示板ではミヤマリンドウが咲いてるとのことだったが、まだ、つぼみが殆どだろうと思ってたら、結構、多く咲いている。早速写真におさめると水滴とのコラボが中々良い。

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更に進むと、驚いたことに秋の代名詞エゾオヤマリンドウが咲いている。ミヤマが咲いているなら、もしやと思ったが、姿見近くの群生地はまだつぼみもない状態だったので、まさか、まだ早いよねと思っていた矢先の出来事だった。それにしても、例年より雪渓が多く残っている状況で、まだ8月にもなってないのに、夏のチングルマが散って、リンドウが咲いているとは...今年の大雪は何かおかしい。

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その後、ゴゼンタチバナ、エゾコザクラ、ツガザクラ、ミツバオウレンなど高山植物を堪能しつつ裾合平到着。ここは広大なチングルマの群生地があり、元気なものに出会えるかもと思っていたら、ここもやはり元気がない。しかしながら、つぼみもまだ多く残っていて今後の天候次第では期待できそう。

花はともかく、この頃には天気はほぼ快晴のポカポカ陽気。コーヒー入れて、しばしのんびりしつつ、北鎮岳を背景に写真を撮る。午前中の天気が信じられないぐらいのどかな風景。やっぱ夏山はこうあって欲しいなぁ。

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風景を満喫した後、姿見駅に引き返す。途中でまた雨雲がルート上に入ってきて、降られるかと思ったが駅の手前でパラッと来た程度。本当に山の天気は変わりやすい...特に、今年は平地の天気も変わりやすいのでなおさら。ロープウェーで旭岳温泉に降りて車で道具を片づけていると、おっちゃんが話かけてくる。翌日(今日)に登るため情報収集らしい。晴れた裾合平の写真を見せてあげると喜んでいた。今日の天候から想像するに、きっといい山になったんじゃないかと思う。

ちなみにこの車は中古で買い替えたアコードワゴン。愛着が湧くかなと思ってあこと名付ける。旧車は名前はなかったが当面CBと呼称しよう。あこは、今回が初遠出で2.4Lとは思えないほど燃費も上々。とにかく良く曲がるし、良く止まるし、走行性能的には超優等生。唯一、気に入らないのがメーター類...なんかタコもスピードもレスポンス悪いし、Fuelは満タン近くからは一気に減るのに半分近くから全然減らなくなるし...ああ、車のレビューじゃなかったですね。まぁ、そんなことで久々に山を満喫して無事に帰宅しました。出かける時に見た晴れ一色だった天気予報は、オセロを返したかのようにまた曇/雨一色に...なんなんだろう一体。


[ロープウェー姿見駅(9:00)→旭岳(10:30)→姿見園地(11:40←昼食→12:20)→裾合平(14:00)→姿見園地(15:30)→ロープウェー姿見駅(16:00)]

今回のあこの燃費 12.9km/L

夏のオプタテシケ山 ~2日目~

寝たのか寝てないのかよくわからん内に朝。それでも体の疲れは取れている。旭川の人は14:00までに家に帰らないといかんということで、明け方前にオプタテシケ山に出発して行った。残る三人の内、一人は上富良野岳から十勝岳温泉に降りるというが、足がないので下山してから私の車と合流しようということになり、電話番号を交換して出発して行った。もう一人は上ホロ小屋でもう一泊するということで、かなりのんびり。私のほうが先に食事をすませ出発した。

小屋の外はもうナキウサギの大合唱。これだけいれば一匹ぐらい見れるだろうと岩場を観察しながら進んで行く。案の定一匹がすばしっこく動き回っている。今まで見た奴らの中で一番落ち着きがない。写真を取るのも大変だ。なんとかまともに写った一枚がこれ。遅くまで雪渓に包まれた彼らの夏は短そうだし、まぁ、わかるけどさぁ。

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石垣山から更に進んだ、2つ目の名もなき1820mピーク。休憩しようとザックをおろした瞬間目があった。ケルンだ。ケルンの中に何かいる。前足を岩に置いてニゅ~っと顔を出していたのはテンだ。多分エゾクロテンだろう。「初めて見た。カメラカメラ!」とあわてふためいてカメラを構えた瞬間、バイバーイとケルンの中に消えていく。ああっ、撮れなかった残念。と、いうわけで無駄に時間を過ごしつつオプタテシケ山頂へ。途中で旭川の人とも会い、「天気も良くて無事に見れたと、でも急がないと時間が」と(^^;。

私が山頂についたときも、まだ薄雲がかかっているがまずまずの天気。複数のピークの後ろにはトムラウシの2本ピークが鮮やかだ。火口がU時型になっていて、こちら向きに開いているので2本に見える。左側には旧道のあった硫黄沼までうっすらと。ここでもう一人と出会う。この人も本州の登山者で旭岳から縦走してきたらしい。昨日は双子池に泊ったと、今夜は上ホロ小屋にもう一泊して、翌夕方に旭川空港から帰るらしい(後で美瑛小屋で出会った人と十勝岳温泉で合流したときに聞いた話によると、南沼からこの人と一緒に来たらしいが、ペースが違ったので途中で置いてくるような形になったとか...おいおい(^^;)いや~、しかし私もいつか美瑛富士-トムラウシ間、縦走してみたいと思っているが、改めてこの凸凹の稜線を見てしまうと心が折れそうだ。みんなよくやるなぁ。

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しばらく山頂でのんびりし、ガスが出てきたので帰るかと降りはじめた矢先に、またも動物発見。シマリスである。しかもコイツはほっぺが大きい。しばらく追跡すると、穴を掘りはじめた。ほっぺに溜めた食料を埋めるらしい。穴が掘り終わると、ほっぺに手を当てて一生懸命出している。少し距離があるので、中身はわからんが、ほっぺがみるみる小さくなる。そしてすべてが終わると、サッサッっと砂を掛けて埋めている。お見事っ。その瞬間を写真にと思って撮ったがどうだろう。イマイチ微妙だが、右前足で砂をかけた瞬間だ。ブレている右前足が素早く動いた証拠だ。しかし、こうやってきれいに埋めて、場所わかるんだろうか? それにもう二ヶ月もしたら雪が積もるっていうのに。それまでに掘りにこないと...などと余計なことを...

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食料を埋めてシマリスは何処かにいったかと思いきや、また現れて、今度は岩の上で一仕事終えて満足したかのようにじっとしている。同じ個体だろうか? シマリスの識別なんて正直できんので、話的に同じ奴が戻ってきたとしておこう。こいつはほんとにのんびりだ。私から1mぐらいの距離にある岩場でのんびりしている。カメラを構えても微動だにしない。シマリスもこんなにジッとしている時があるんだなぁと感心。

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その後、美瑛富士避難小屋に戻り、水がなくなったので雪渓まで降りて水を汲みに行き、昼食を取った。またもや「いただきます」のついでではないが「無事にオプタテシケ山まで行けましたよ」と手を合わせて、荷物を詰め直して下山した。

下山中、積乱雲が2つ3つ出来ていく過程を観察しつつ、その内の一つが願いもしないのにルート上に入ってきて、にわか雨に降られる。じきにやんだが、かっぱを着てザックカバーまでしてしまったがために、脱ぐのも面倒くさくてそのまま下山。おかげで下山中なのに暑さにやられ終始不機嫌でいると、一匹の蝶がやって来て先導していく。

どうせすぐにいなくなるだろうと思いつつ、ず~っと蝶の先導は続くので、「こいつはどこまで先導するつもりだろう」と興味本意でイライラ感が消えていく。そして、数十分ぐらいして登山口が近くなったころにフイっといなくなった。なんか、避難小屋で亡くなった方が、オプタテシケ山のお礼に登山口まで案内してくれたような不思議な感覚であった。

山にいると不思議なことが多いもんだ。と、下山の記入をして駐車場に向かう途中でケータイが鳴った。向うも無事に降りたようだ。こちらは白金温泉なので、「30分かからないぐらいで行ける」と言って電話を切り、十勝岳温泉へと車を走らせた。

[美瑛富士避難小屋(6:00)→オプタテシケヤマ(7:50)→美瑛富士避難小屋(10:30←水汲み・昼食→11:50)→涸沢林道(14:00)]