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十勝岳 ~春の根性登山~

蝦夷梅雨とめぐり合わせの悪さで週末の度に曇天や雨。いい加減我慢ができなくて、雨降られてもいいから十勝岳登ってこようということで行ってきました。札幌の山のほうが晴天で良さそうでしたけど、やっぱりここを登らないとシーズンが始まった気がしない。朝6時30分に札幌を出発して、道中比較的いい天気。あこと「今回は大丈夫そうだね」と言いつつ望岳台に...山頂には雨雲があるもののまぁまぁの天気です。風向き的に運がよければ晴れるかもと思って出発。

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序盤のハイキングコースからジワジワとやられ始める。「もうですか!」と自分にツッコミを入れつつも、やはり今年は春香山登って以来だから脚が重い。幸いなことに心肺は問題なしということで、今日は脚をいたわりつつゆっくり行くことに。標高1600mを越えるとガスの中に突入。なんかいやな感じですな。1720mピークに立つと視界は数十メートル弱、すぐ傍のスリバチ火口も全然見えない。1720m標識は誰かが補強してくれたようで去年より安定感を増して立っている。まぁ、ここまで来たことだし山頂までは行ってみようということで重い脚を上げて進む。溶岩ドーム手前あたりでは風向きが悪くて62-2火口からの硫化水素のイヤな匂いが混じる。幸いなことに風も強いので薄まって咳き込むほどではない。それにしても視界が悪い。もう10m先ぐらいしか見えない。

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いつもなら夏道をトレースして十勝岳の肩に上がるルートを通るが、このルートは崖の近くを通っているので視界がない中では怖くて直登ルートを取る。と言っても視界がないので、それらしき方向に向かっている足跡をトレースして行くだけ。直登ルートはひたすら山頂に向かって雪の急斜面を登るのだけど、アイゼンは付けてはいても所々雪が固いところが滑りそうで恐怖心を煽る。落ち着いて休める場所もないので脚もキツい。まぁ、そんなわけでボロボロになりつつ、山頂に付く頃には追い打ちをかけるようにミゾレっぽい霰が降ってくる。更に山頂ではショックな出来事が...去年きれいに完成した山頂標識がなくなっている。北海道・環境省の銘板だけが残った柱だけは転がっていたが、十勝岳連峰をモチーフにした美しい「十勝岳」の銘板は跡形もなく消え去っていた。強い季節風は仕方ないとしても一冬越せなかったかと思うと残念だ。

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山頂では2人(http://shimatancho.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/06/post_f63c.html)が昼食を取っていたが、悪天候の中、とてもそんな気分ではなくて行動食を取って早々に山頂を離脱。全く何しに登ったのやら。山頂から溶岩ドームを降りきった辺りでアクシデント発生。軽快に下ったのはいいが道を見失う。周囲の視界は行きよりは多少回復しているがそれでも20mも見えればいいほう。気温は4℃で悪天候の中、正直ヤバいなと冷や汗が出てくる。何十回も登った山で遭難とは目も当てられない。視界から見える地形と記憶を照らし合わせると鋸岳のほうに行ってしまったのかと思いつつ、それにしては斜面の勾配が下りすぎで変だという印象もあり、溶岩ドームを降りきってなかったのかと思いきや、でも一旦平坦な場所にでたのを確認したので辻褄が合わないなどど脳内で考えつつも、とにかく自分の位置がわからなくなってしまったことだけは事実で、冷静に基本に立ち返って登り返すことに。だが、登っても自分の位置がわからない...いよいよヤバイかなと思った矢先に足跡を発見。結局のところグランド火口に降りる斜面に脚を踏み入れたことがわかり安堵する。このあたりは、積雪期のグランド火口を直登するルートが交錯していて、この足跡をトレースしたのが原因だったようだ。

色々不運な出来事はありつつも無事に帰れてなによりと、小雨の降る中あこのテールゲートに腰掛け、お茶とお菓子を楽しんでいると雨が本降りに...まぁ、この雨に合わずに無事に帰れてのんびりと山を見ながら美味しいお茶を飲めるなんて幸せなことじゃないかと。いい加減冷え切ったので、温泉につかろうといつもの凌雲閣に...いつもはのんびりと寝そべっているゴン太(犬)がいない。別な部屋にでも行ってるんだろうと思いながらも、寒いので温泉に。温泉を満喫した後もゴン太の姿がない。凌雲閣の女将さんに聞いたら3月に亡くなったそうで...女将さんは悲しいのでもう犬は飼いたくないと言っていたが、また新たに飼うような計画はあるようだ。凌雲閣前の駐車場を走り回って営業活動してたゴン太みたいに人見知りしない犬が来てくれたらいいなと思いつつ、凌雲閣を後にした。写真は在りし日のゴン太。幸せそうに寝ています。

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望岳台(8:50)→美瑛岳分岐(9:35)→1720m標識(10:35)→十勝岳山頂(11:35)→十勝岳避難小屋(13:10←昼食→13:35)→望岳台(14:10)

今回のあこの燃費:11.4km/L(半分は街乗りということで)今回も桂沢湖から富良野までのワインディングで軽快に走りました。あこの限界がわかってきたので、正直安心してコーナーに突っ込めるようになってきました。でもあこの限界が高すぎて逆にこっちが怖い。60mコーナーに80km/hで突っ込んでも平然としてるんだもんこの娘。

春香山 ~春の桂岡コースで足慣らし~

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今日の最高気温は18℃。何だかいきなり春になった気がする。管理人にとっての山開きということで、ここ数年ゴールデンウィークは春香山と十勝岳に行ってるが、今年も春香山からスタート。コースは例によって桂岡の砂防ダムコース。去年から不法投棄防止の規制線が随分手前に張られて、あこの駐車スペース探しに随分と苦労しました。不法投棄は問題でしょうけど、登山する身としては人気の山だけに何とか駐車スペースを確保してもらいたいものです。

砂防ダムを出発して、裏手にまわるとキクザキイチゲの白い花が見えて来る。なんと幸先のいいことかと思いきや、華やかだったのはここだけで、去年は福寿草やエゾエンゴサクが咲いて春の明るい感じに満ち溢れていた砂防ダム周辺はなんか寂しい感じ。確かに残雪も多くさもありなん。天気は快晴だが、爽やかな春の風が吹くわけでもなく、春一番のような強風に煽られつつ、ひたすら登っていく。冬眠で増えた重い身体の割には順調に高度を上げていく。山頂付近の直登は傾斜がきついので夏道をトレースしつつ2時間ちょっとで山頂到着。

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山頂に立つと風がいよいよ強くなって、ああ山に来ているなぁと実感しつつ10分ほど山頂を堪能。風のせいでお湯を沸かすのが面倒そうなので、山頂ランチは諦めて久々に銀嶺荘を使ってみようということで早々に下山。

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銀嶺荘は人気の山小屋で、春香山のピークを踏まずとも小屋を目的に来るという人も多くいるほど。この日もおばちゃん御一向様で大賑わい。さっきまで山頂の静寂に身を置いていただけに落ち着かないといったらないです。幸いだったのが4年前に訪れた時に当時の小屋の管理人さんに撮ってもらった写真を、膨大なアルバムの中から見つけたことでしょうか(今の管理人さんになってからは写真は撮ってないみたいですね)。御一向様が下山してからは、山小屋らしい静かな雰囲気の中、お茶とお菓子と花の本を楽しんだ後、荷物をまとめて下山。

下り道は気持ちに余裕があるのかエンゴサクが所々咲いているのを見つける。そして紫色の細長いツボミの花も...これ何だっけなと思いつつ下っていくと、咲いているやつを発見です。カタクリかぁ!折り紙で折ったような無機的な花弁が印象的な花です。去年は春香山の登山道では見つけられなくて稲穂ひだまり公園まで見に行ったのに、今年はアッサリ発見。「今年もきっといいことありますよっ!」、なんかそう言われたような気がして、雪解けでぬかるんだ道を軽快に降りていった。

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桂岡砂防ダム(8:57)→分岐(9:15)→土場(10:03)→山頂(11:14)
山頂(11:23)→銀嶺荘(11:45→休憩→13:05)→桂岡住宅街(14:40)

今回のあこの燃費:10.6km/L
(ガソリン少し安くなってたので入れてみた。多分3月中旬頃の安値反映だと思うので、これからまた上がるかなぁ。)

藻岩山 ~冬の旭山記念公園コース~

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ようやく雪もいい感じに積もったことだし、今日は藻岩山に行きました。ここのところダラダラしっぱなしだったので丁度良い運動です。管理人の冬の定番コースである旭山記念公園から登ります。ここは尾根沿いにアップダウンしながら登って行くので、以外と体力を使うため冬場のトレーニングには持ってこいで、途中のいくつかのピークからは札幌の鳥瞰風景も中々良いコースです。前回問題となった登山靴はシューフィッター代わりにスリッパを突っ込んでおいたら足にピッタリ馴染みました。積雪は30cm程度でアイゼンがたまに下の岩に当たって、少し歩きにくい場所もありますが十分です。スノーシューやスキーの人も見かけました。

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藻岩山魅力アップ工事のため、山頂展望台の建物は完全に工事モードで網で囲われて立ち入り禁止になってますが周囲は歩けます。今回の工事では山頂展望台と登山者休憩施設が新築されるようです。前の登山者休憩施設はただのプレハブ小屋だったので、どんな感じに仕上がるか楽しみです。リフト乗り場も撤去されて、ポールはまだ残っているものの随分と開放的になりました。

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藻岩山小林峠ルート ~登山靴のレビューなどを添えて~

昨日ボロボロになった登山靴を修理に出そうと秀岳荘に行ったら「何とかできないこともないけど、もうここまで使ったら十分でしょう」と言われ、セール中だったのもあって新調することに。以前の靴はキャラバンのGK-47でしたが、非常に気に入っていたので後継であるGK-69にしました。

で、本日、慣らしを兼ねて藻岩山へ。せっかくなので、夏道を歩いたことがない小林峠コースにします。以前はなかったトーガードがつま先とかかとに付いて岩場で早速の活躍。耐久性ありそう。内側は皮から布地になって安っぽさもあるが最初から履き心地が良い感じ。唯一気になったのは、頼りなかった靴紐がより貧弱になったこと。フックがボールベアリングになっているためか紐自体も少し滑りやすく、案の定、途中で何回か紐がゆるむ。これは結構危険かも。ベアリング機構が使えなくなってもいいから紐だけは昔のものに変えようと思った。

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冬に小林峠コースを歩いた時はピークを直登で繋いでいったのに対して夏道はトラバースやジグの連続。冬には標識の表示と歩いた距離感にかなりの差があった理由がよく分かった。今日は北の沢コースを経由して藻岩山と思っていたが、分岐の406mピークに着くと国土地理院の地図ではあるはずのルートが熊笹で埋まっている(↑)。しょうがないので、そのまま進み慣れた旭山コースと合流。特に新たな発見もなく山頂に。展望台が工事中で登山者休憩所やリフトなどもなくなっていた。

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昼食の後、下山すると下り坂で足が痛くなってくる。さすがにまだ靴が合ってないみたいだ。片道4.5kmと藻岩山で最長コースだけに慣らしには選択ミスだったかなと思いつつ下りきった。

あことお茶した後、じゃあ帰ろうとあこをバックさせるとガリガリと嫌な音が...駐車スペースに停めた時に気がつかない内に縁石に乗り上げていたらしい。降りてよく見たら前オーナーが着けた古傷が更に広がっていた。まぁ、同じ部分だし下側なので見た目には何の変化もないが、一応帰宅後に補修。罪ほろぼしに汚れていたアルミホイールも掃除してやる。おおぅ。アルミがピカピカになったので見た目的にはむしろ良くなったんじゃ(^^;。

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今回あこの燃費レポートはありません(移動距離が短か過ぎるし)。

十勝岳 ~Last two thousand in this year~

今年、最後の2000m登山ということで十勝岳に行きました。朝6時に前日の酒が残った気持ち悪い目ざめと共に準備をして出発。江別あたりでスパッツと手袋を忘れたのに気付き取りに戻り、結局10時前に望岳台到着。

山頂は雪も少なく例年よりもぬるいラストになりそうだと出発したが、前半のハイキングコースから脚が鉛のように重く胸がムカムカと気持ち悪い。日本酒がいけなかったかと後悔しつつも、気力で少しずつ標高を上げていく。十勝岳避難小屋を過ぎると気持ち悪さがピークに達して何回か広大な大地にリバースしてしまうが、おかげて胸のほうは幾分すっきりしてきたので少なくとも1720m標識までは行こうと気持ちをきり変えて進む。1720m手前のジグでスノーシューを担いだ若い男性と出会う。山頂は晴れて風も穏やかですごく気持ちよかったと言っていたが、こちらは気持ち悪くてどうにかなりそうだ。体のいい挨拶をかわして1720mの高台に登る。

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うっすらと雪化粧をした溶岩ドーム、所々岩肌が見えて白黒のコントラストにモクモクと噴煙が立ち上る62-2火口、スリバチ火口の向こうに白くなった美瑛岳、ああ冬が来たなぁと思って景色に見入って腰を降ろしたら動けなくなった。どうやら体調的に今日はここが限界らしい。以前に修復した標識のケルンにお店を広げ昼食。気温は7℃。時折吹く冷たい風のせいか寒くなってきたので、山フラー含め持ってきたもの全部着込み暖かいスープをすする。

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その後、帰り支度をしていると気持ち悪いのがおさまっているのに気付く。雪の少ない山頂のコンディションからすると、もしかして山頂アタックできるかもと思い、溶岩ドームの手前まで行ってみることにする。しかし脚はまだ鉛のようで息も荒い。手前から見上げると岩肌がポツポツと見えていて例年よりも楽勝ムードが漂っている。時間は13時前と少し遅く、管理人が本日のラストアタッカーらしいが、この機を逃す手はないとアイゼンを付ける。雪は所々固いが先人達が道をつけてくれているので楽に登っていく。例年、積雪期は十勝岳の肩の手前の急斜面で恐怖を感じるが、道を辿っていくうちに知らない間に通過していた。

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肩まで来ればあとは比較的楽な登りだ。息は上がるが順調に高度は上がっていく。標識に残されたロープには、氷が張りついて芸術作品のようになっている。俗に言う樹氷、海老のしっぽだ。空気中の水蒸気が吹きつけられ凍結してできた氷で、通常は風上に向かって成長していく。ふと山頂を見上げると人影が見える。てっきり最後だと思っていたが山頂に到達すると3人パーティが、話を聞くと富良野岳から縦走してきたらしい。しばらく話した後、下りると言うので、てっきり望岳台に下りるのかと思っていたら上ホロ方面に向かって行った。この積雪期に縦走するだけでも大変なのに凌雲閣まで戻るんかとあきれて見送る。写真は彼らが戻っていった稜線だ。

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この時期は空気が澄んで遠くまでハッキリと見わたせる。望岳台方面からは一人が登って来ている。管理人がラストではなかったようだ。山頂の巨岩の影はほぼ無風で暖かく、お茶でも沸かして彼の到着をのんびり待つ。トムラウシ山を眺めつつ思えば今年は登らなかったなとか、ニペソツ山来年行くぞなどと、思いをめぐらせている内に時間が過ぎていく。時計を見たら14時を回っている。もうそろそろ下りないと思って荷物をまとめて下山すると、山頂手前の吹きさらしの雪の上で休憩している彼を発見。なんでこんな寒いところで休憩してるんだろうと思って声をかけたら、この時期に来るのは初めてで山頂のほうが風が強くて寒いと思ったらしい。ここより全然暖かいからと言うとじゃあ上でゆっくりして来ますと登って行った。

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帰り道は身体を気づかいながらゆっくりと下りていく。望岳台に近づくに連れ日が傾いていく。何とか一日無事に終わって良かったと夕日を写真におさめつつ、薄暗い中、あこの元に帰り着いた。


望岳台(10:00)→美瑛岳分岐(10:40)→1720m標識(11:50←昼食→12:35)→十勝岳山頂(13:35←休憩→14:15)→1720m標識(14:50)→美瑛岳分岐(15:55)→望岳台(16:40)

今回のあこの燃費:12.1km/L (冬タイヤドライ路面での初計測です。夏タイヤと変わらない。んっ? 夏タイヤはY浜のエコタイヤなんだけど変わらないっておかしくないか? Y浜は夏タイヤもXXということなのか。 ※XX内は御想像におまかせします。ええ、もちろんそういう意味です。)