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十勝岳連峰・大雪縦走期1日目 ~白金温泉涸沢林道から美瑛富士避難小屋~

夏休みを利用して、毎年、悪天候で中止を余儀なくされた3年越しの十勝岳連峰縦走にチャレンジ。本当は望岳台から十勝岳を越えて行きたかったが、前日の熱中症気味の仕事疲れが抜けなくて白金温泉涸沢林道の美瑛富士登山口からスタートする。林道ゲートを通って、一番奥の駐車場に着くと車は四台ほどで空いている。あこもここで四泊するので状態の良さそうな場所を選んで駐車。

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このコースは森の中を延々と進んだ後はトラバースが連続する味気ないコース。一緒に出発した御年配とゆっくりと登って行く。照りつけるような日差しに暑さを感じていたら、雨が降ってきた。山頂は雲が発達して雷がゴロゴロ言っている。文字どおり嫌な雲行きだ。とはいえ樹林帯では木が傘代わりになって殆ど濡れなかったが、やがて樹林帯が途切れ始めると雨具を着るしかない。ブッシュの中では湿度も100%近くゴアテックスも効果がない。不快指数が極めて高いので、雨の状態を見ながら雨具を脱いだり着たりを繰り返して登っていく。

十勝岳連峰は7月を過ぎると水の確保に苦労する山で、途中の水場で水を汲もうか迷うが、小屋の直下にも雪渓があったはずで、一昨年は同時期に水が取れたから上で汲もうということに決め進むとなんと涸れている。「しまったぁ」と思いつつも「3L近く残ってるので何とかなるだろう」と、あまり気にしなかったが、後程、水の確保に苦労することになる。

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美瑛富士避難小屋には先客が二人。彼らは同じ涸沢林道を早朝に出発、オプタテシケ山まで往復して今日は小屋で一泊のようだ。オプタテ山頂は霧で何も見えず、ベベツ岳あたりで落雷にあって恐い目にあったと話していた。小屋の外は相変わらずのガスの海。夕食を取った後、ラジオの気象情報に耳を傾ける。明日は高気圧の圏内だが、台風の湿った空気の影響で大気の状態が不安定だと伝えている。特に2000m級の山々が連なるような地域は雲が発達しやすいだけに「これは今年もダメかなぁ」と溜め息を一つついて、気分的には殆ど明日山を降りるつもりで就寝した。

白金温泉涸沢林道登山口(12:10)→天然庭園(14:10)→美瑛富士避難小屋(16:20)

高根ヶ原通信(2日目) ~台風一過の晴れ間を満喫~

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暑くて寝苦しい夜だったが気がつけば周りが明るい。ガバッと飛び起きて朝焼けの高根ヶ原を写真に収める。天気が悪ければ下山しようと思っていたが、今日も晴天に恵まれそうだ。朝食にした後、テントや寝袋など重い荷物は小屋に預けていざ高根ヶ原に。コガネイチゴ、チシマノキンバイソウなどが鮮やかに咲いている。トカチフウロはまだ少し早いようだ。礫地に出るとコマクサが一段と目立つ。そんな中、ケルンから顔をのぞかせているエゾシマリスにも出会う。身体が小さいので、まだ子供かもしれない。

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チシマギキョウやリシリリンドウなど表大雪でも珍しい花が見え始めると高根ヶ原に来たと実感する。三笠新道分岐を越えると熊の匂いが風に乗ってやってくる。匂いの感触から遠く離れているのはわかるが、念のため笛を吹いて「こっち来んな!」信号を発信しておく。今まで8月にしか歩いたことがなかった高根ヶ原は、花のない印象が強かったが、今回はエゾカンゾウ、チシマキンレイカ、タカネシオガマ、イワブクロ、エゾツヅジなどが群落を形成しているのを目にしたのは新たな発見であった。「ガーガー」という声がするほうを見ればホシガラスも上空を飛び交っている。今日は動物との遭遇が多そうだ。

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平ヶ岳を過ぎて忠別沼への登りで、年代物のザックを降ろして休憩している埼玉からの縦走者と出会う。彼も銀泉台に降りるそうで、層雲峡まで車に乗せてもらえないかとお願いされ、もちろん快諾。私は白雲小屋まで身軽なので、そのうち追い付くだろうということで、その場は別れて忠別沼に向かう。彼の話では忠別沼の花はあまり良くなかったということなので、今日の目的地を忠別沼を見下せる1833mピークに決め歩き出した矢先、何やら大きい物体と目があった。エゾシカじゃないか。標高1800mだというのに上がってきたらしい。高山植物も食べてしまうというので結構問題になっているのは知っていたが、こんな高地で見たのは初めてだ。

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忠別沼が見渡せる1833mの高台はチシマキンレイカの黄色一色。花と沼と忠別岳の景色を楽しみつつ、お茶にする。化雲岳の辺りは若干雲がかかっているが、本当にいい天気。熊除け代わりのラジオを聞きながらのんびりする。そうこうしているうちに、昨日一緒に白雲岳に登ったじいちゃんが追い付いてきた。今日はヒサゴ沼で一泊するようだ。うらやましい。ガスったら忠別小屋にすると言っていたが、多少のガスならヒサゴまでは道に迷うようなところはないから安心して行ってきたらいいと言って別れる。

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その後は来た道を戻る。白雲小屋からここまでざっくり片道7kmはあるので、帰りは結構つらい。容赦ない日差し。吹かない風。たかる蠅。たまに花の写真を撮るのにしゃがんで立っては立ち眩みをおぼえる。結構このルートはキツかったかなと思いつつ、それでも「来て良かった」が打ち勝つ。白雲岳避難小屋まで戻ると層雲峡まで一緒に行く約束をした埼玉の彼がいて「ここで追い付かれるとは」と言って驚いていたが、私は昼食の予定だったので、また彼が先行する。食事の後、小屋に預けていた荷物を詰めたザックを背負ったら重いこと。水も食糧も予備の一食分しかないのに、なんでこんなに重いんだ。出がけに管理人さんに、札幌からなら、また週末にでも来てくださいよと言われて体の良い返事を返しておく。週末の一泊山行で来る人が常連さんには少なくないらしいが、体力のない自分がうらめしい。

昼食後も昨日歩いた道を折り返していく。白雲岳分岐はすごい人、昨日よりも人数多いなぁと思っていたら、赤岳のほうも大勢の人であふれかえっていた。若い女の子も多い。華やかなのはいいが、さっきまで高根ヶ原の静寂の中にいたのが信じられないような喧騒だ。賑やかすぎる山というのも正直あまり好きではないので、降りる脚に力が入る。気が付いたら14:30には銀泉台に到着していた。埼玉の彼とも無事に合流し、あこに荷物を積み込んで、層雲峡を目指してダート道をゆっくりと下りていった。

白雲岳避難小屋(5:45)→三笠新道分岐(6:50)→忠別沼見晴台1833mピーク(8:20←休憩→9:00)→三笠新道分岐(10:15)→白雲岳避難小屋(11:15←昼食→11:50)→白雲分岐(12:10)→赤岳(12:40)→銀泉台(14:30ぐらい)


今回のあこの燃費:14.4km/L (ダートの山道が長かった割には良好。もうこのぐらいは普通になってきた。私がオーナーになってから定速の長距離走行ばかりなのでエンジンがいい具合に仕上がってきているのかも。)

高根ヶ原通信(1日目) ~台風一過の晴れ間を満喫~

今週は待ちに待った土日晴れマーク。白雲岳避難小屋に1泊して高根ヶ原を満喫しようと出掛けてきました。一泊荷物を背負うのは今年初めてということで、大雪でも比較的楽な銀泉台からスタートです。

道央道に鹿が侵入して通行止めになり、一般道を迂回して予定よりも30分以上遅れて登山口に到着すると、ものすごい車の数。駐車場に入りきらなくてとんでもないことになっている。可哀想にあこは砂利道路駐で一泊決定。「今日は登山会でもあるんですか」とゲートの管理人さんに聞いてみるが、何故こんなに人が多いのかよくわからないとのこと。天気がいいからかなぁなどど話をしつつ記帳をすませて入山。

登山道に入るとシオガマギク、エゾウメバチソウ、ゴゼンタチバナ、カラマツソウ、ミヤマキンポウゲ、アオノツガザクラ、エゾヒメクワガタ、ヨツバシオガマ、チングルマ等々、花三昧。第ニ花畑は大半が雪渓の下だが、雪のない所ではエゾコザクラが鮮やかに咲いている。この花がこんなに活き活きと咲いているのを見たのは初めてかもしれない。

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第ニ花畑の雪渓を抜けて、コマクサ平に着くとコマクサをはじめイワブクロ、エゾツヅジなど礫地の花が多くなってくる。ここから第三雪渓の間でシマリスを発見。茂みの中にはエゾノハクサンイチゲがひっそりと咲いている。第三雪渓の途中からは標高1900mに入り、息があがる。第三雪渓を抜けるとチシマキンレイカの黄色い花が目立つようになってくる。気の早いチングルマはすでに綿毛になっている。第四雪渓は夏道が出ているので安心して登っていけた。これを越えれば赤岳山頂。山頂についた頃には久々の大荷物が効いたのか腰が痛い。時間は13時。お腹も空いたので昼食にしつつ山頂の岩に登ってみる。この岩に登らなくては赤岳の良さはわからない。

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昼食の後はとりあえず白雲岳分岐まで行って見る。体力もかなり消耗しているらしく、小泉岳に上がる緩い勾配ですら結構キツい。分岐では愛知からの縦走者と出会う。旭岳からスタートしてトムラウシで折り返して天人峡に降りるらしい。せっかくなので、荷物をデポって一緒に白雲岳に登る。当たり前だが身体が驚くほど軽い。途中で道警の山岳警備隊と出会う。一人は大きな幟をザックに立てて歩いている。重くないのか聞いたら「今日は風がないから平気ですよ」とのこと。身体の作り込みが違うなぁと関心しつつ、よくよく考えたら山岳警備に会ったのは初めてのことで、大雪にも警備隊いるんだと変なところに感心してしまった。

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白雲岳が間近になると雪壁がドーンと迫って来る。別にここを登るわけではないが、スケールに圧倒される。山頂からはトムラウシ山はもとよりオプタテシケ山や美瑛岳までがきれいに見える。本当に今日は大当たりだ。景色を十分堪能してから本日の寝床、白雲岳避難小屋へ向かう。途中の雪渓横には初夏の花キバナシャクナゲも咲いていて、雪渓が色々な季節を演出しているのを実感する。遠くに見える小屋の横にはテントの花が咲いている。ざっと15張りぐらい。以外と多いなと思いつつ、このぐらいなら小屋にも入れるだろうと安心する。明日の天気が微妙なので、できることならテントは張りたくないし、そもそもテントは孤立しがちなのであまり好きではない。

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白雲小屋の2Fに陣取ると、水場で汲んできた水を明日の飲み水用に煮沸する。「もう夕飯ですか」と声がかかり、「いや、水作ってます」と...これをきっかけに山話が弾む。17時前に夕飯をすませると、消灯の20時までは外のテーブルで酒を飲んで過ごす。標高が2000m近くあるため、無風の屋外でも少しひんやりして焼酎のお湯割りがとても美味しい。管理人さんを交えて話しをしつつ、たまに写真を撮ったりして、あっという間に消灯時間。寝袋に包まるも予想外に暑くて寝苦しい。ふと気が付いたら窓の外が明るい。もう朝?と思って時計を見てみると23時。なぜと思って窓の外を見てみると、満点の星空。こうなったら写真を撮りたくてしかたがない。カメラ片手に外へでる。もう絶景で、高根が原からトムラウシまでの稜線がくっきりと見える。「こんなに明るいとライトなしでも歩けますねぇ」と一緒に起き出してきた人と話をしつつ白雲小屋での一夜は過ぎて行った。

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銀泉台(10:00)→コマクサ平(11:50)→赤岳(13:00←昼食→13:35)→白雲岳(14:45)→白雲岳避難小屋(15:35)

黒岳山開き ~恐怖の雪渓と御鉢平一周コース~

高速道路無料化実験と1000円特別割引が先週で終わり、何か安い方法はないかと色々調べていると休日特別割引(50%引き)は有効だということに気付き(マスコミ報道がまぎらわくて休日割引が全部終わったと思ってた。)、だったら全然問題ないじゃんということで、黒岳が丁度山開きということもあり層雲峡から黒岳~御鉢平一周というのをやってみました。

忘れ物のないよう入念にチェックをした後、朝4時に札幌発。あこの巡航速度も大体分かって来て、100km/hというか2000rpm巡航ぐらいが御機嫌らしいので、高速道路をのんびりと走行し3時間ほどで層雲峡に到着。6時50分のロープウェーに乗り込んだが、グローブをあこに忘れてきたのに気付き出発前に降ろしてもらう。あれほど注意してたのにお粗末な話だ。五合目では山開きらしく、なっきーの着ぐるみが愛敬を振りまいている。とは言え人も少なくて、静かな山になりそうな予感がする。

リフトで七合目に到着して登り始めるといきなりの残雪。その後も殆ど登山道は雪に埋まっているが、雪割りで道が付けられていて安心して登って行く。所々に初めてみたソウウンナズナの白い花が咲いている。季節を変えると色々と違った花も楽しめそうだ。ショウジョウバカマやジンヨウキスミレなども咲いている。

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八合目を越えるとボチボチと雪が少なくなってきて、もういらんだろうと一応付けていたアイゼンを外す。しかし、九合目に本日一番の難所が待っていた。道は付いているが足場が狭いうえに急斜面の雪渓が100mぐらい続いている。まぁ、何とかなるだろうと進むが以外と滑る。気温が低いのでキックステップも使えない。足下を確認しながら一歩一歩確実に進みつつ、帰りは絶対アイゼン付けようと心に誓う。難所を抜けるとご褒美のようにエゾノハクサンイチゲが咲いている。黒岳山頂ではメアカンキンバイやイワウメも満開に近い。ここまで同じペースで上がってきた女性は体調が万全でないので桂月岳で折り返すらしい。山開きとは言え、御鉢平一周までする人はあまりいないようだ。

黒岳小屋で赤石川の情報を聞くと、今年はまだ雪渓に埋まっているし、他の雪渓もマーキングしてある上に、今日は登山会でいっぱい登ってるから安心して行ってこいということだったので、北鎮方面から左周りルートで行くことにする。登山道は所々雪が残っているがルートは明確。少しずつ標高を上げると視界が開け、赤石川に水の流れを確認する。小屋のおっちゃんの情報は大丈夫かと少し不安になるが、残雪期の御鉢平はどこから見てもダイナミックで景色を堪能しつつ進んでいく。ここまで来ると北鎮岳の雪渓を登っていく御一向様が見えてきた。結構な人が登ってるなぁ。

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遠くから見ていると大した傾斜に見えなかったが、実際に雪渓に辿りつくとドーンと雪の斜面がそびえ立っている。マーキングではそこを直登していくが、「いや、それはないでしょ」と、迷わず先ほどの御一向様が通っていたトラバースルートを通る。このあたりから標高2000mを越えてきて息があがって辛い。空気が薄いのを実感する。雪渓を抜ければ北鎮岳分岐。少し心ひかれたが今日は素通りで中岳を目指す。中岳周辺では別な御一向様とすれ違う。どうやら各々旭岳と黒岳からスタートして縦走する登山会のようだ。この時は、山開き初日から何とハードなことを思ったが、よくよく考えてみると御鉢平を一周する自分のほうがルート的にキツいことを後で気付く。

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中岳分岐で休憩していた旭岳に向かう御一向様を追い抜いた後、ものすごくお腹が空いてきたので間宮岳の分岐点で昼食にする。先程抜いた御一向様に囲まれて気まずい思いをしつつ食事をしていると4人ほど旭岳のほうからやってきた。二人は中岳温泉を通って一周、もう一人も北鎮岳方向、もう一人は後程同じルートを通ることになる。食事を終えると後は未踏の荒井岳・松田岳ルートに入る。ここからは砂礫の尾根が続くようだ。

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一つ目のピークを何気なく通過してコルに降りて気付いたが、このピークが荒井岳だったようだ。山頂碑もなくなだらかなピークに気がついたら過ぎていたという表大雪にありがちなトリックに引っ掛りつつ次の松田岳を目指す。このコルでは青年と出会う。赤石川の情報を聞こうと思ったが、彼は白雲岳から来たらしい。今日は色んなルートの人と会うなぁと思いつつ、黒岳に向かっているパーティーに北海岳で会ったという情報をもらって別れる。2つ目のピークに着くと、かつて案内標識だったろう木片が転がっており、地形的にもここが松田岳だということにする。そして3つ目のピークを登り切ると北海岳。こちらはちゃんと山頂碑やベンチも健在だ。しばらく休憩していると先程、間宮岳で食事中に会った男性が追い付いて来た。同じルートだということで気をつけて行きましょうと話をして、私が先に出発。頂上下の亀岩のところで御鉢平の写真を撮る。

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ここまで砂礫地が続き花もなかったが、ここでキバナシャクナゲを発見。と思ったらルートが消え雪渓に突入。急な斜面だが夏道の上は足場が広いので難なく通過。その後、ミヤマキンバイ、イワウメ、コメバツガザクラなど続々と咲いている花の写真を撮りつつ進んでいると、先程の男性が追い付いて来て即席パーティで黒岳小屋を目指す。北海沢は完全に雪で埋まっているが、何度か通ったルートでマーキングもしてあるので安心。いよいよ赤石川徒渉点まで来ると雪渓に大穴が空いているのを発見。「これは後一週間もすれば通れなくなるので運が良かったねぇ」などと話しつつ川の上を通過し、黒岳小屋に帰還した。何故かいつもここまで帰ってくると気がゆるんでしまう。ベンチに腰かけて小屋の管理人さんも交えて山話に夢中になり気がついたら45分も過ぎていた。

下りの雪渓もあるということでお開きにして小屋を出発。行きに見かけた雄のノゴマが同じ枝に留まって鳴いている。鳥にもお気に入りの場所があるようだ。下りの雪渓がまた大変で雪割りで作った道が溶けてなくなり、緩い斜面で滑落したり色々とあったものの、お互い無事にリフト乗り場に到着。五合目の売店で山開きの記念バッチを買い、なっきー着ぐるみにお別れを言って下山した。


層雲峡(7:00)→黒岳7合目(7:35)→黒岳(8:40)→黒岳石室(9:00←情報収集→9:05)→北鎮岳分岐(10:15)→中岳(10:30)→中岳分岐(10:40)→間宮岳分岐(11:00←昼食→11:30)→松田岳(11:55)→北海岳(12:10)→赤石川徒渉点(13:10)→黒岳石室(13:15←休憩→14:00)→黒岳(14:15)→黒岳7合目(15:30ぐらい)


本日のあこの燃費:14.4km/L(10.15モードしか公開されてませんけど、カタログ値を大幅に越えました)

東ヌプカウシヌプリと白雲山 ~初夏の晴れ間を目指して~

今週末も好天の兆し見えず。どうせなら少しでも天気の良い所に出掛けようということで、予報の良かった十勝方面に。然別湖周辺の低山で登ったことのない東ヌプカウシヌプリに登って時間があったら白雲山に行こうということで計画。で、朝、起きられず。8時に眠い目を擦りつつ、あこに荷物を乗せて札幌を出発。今日は高速無料最終日という割には道路は至って空いている。おかげで11時30分に登山口に到着。

東ヌプカウシ山頂は薄くガスが掛かっている。まぁ、こんなもんかと思いつつ出発。停まっている車の台数から、生憎の天気にも関わらず結構構な人が登っているようだ。この季節の森の中の山道は久しぶりで、高い湿度に汗が噴き出るが軽快に登っていく。途中で家族ずれが集まっているのを発見して、鈴の音を消して静かに近寄る。案の定、ナキウサギしゃんがいるらしい。指差すほうを見るとかなりの至近距離で草を食べている。で、今年始めの出会いをカメラに収めたつもりがシャッタースピードが遅すぎてブレブレに(T_T)。

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出会いを楽しんだ後も急な勾配を登っていく。地図で見る限り、尾根に出るまでは結構急勾配が続いている。ナキウサギの住処でもある苔むした岩々と所々にある松が庭園のよう。そんな山道をしばらく進むと視界が明るくなって来る。所々にウメバチソウの白いが咲いている。大雪では8月終わりでも咲いている個体があるのを考えると、長持ちする花だなぁと関心する。山頂は特に薄曇りの中これと行った景色もなく人の姿も見えず。山頂碑の近くで昼食を取った後、続いていた道を辿ってみる。しかし道は結構標高を下げてずっと続いている。一体どこまで続いているのかと途中であきらめて引き返したが、後で降りて来た人に聞いたら、この先の岩場にナキウサギの観察をする人が結構いたらしい。

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山頂に咲いていたメアカンキンバイを写真に収めた後、雨雲が拡がり始めたので撤収し下山。ナキウサギにウメバチソウにメアカンキンバイと結構見どころ十分だった東ヌプカウシヌプリだった。今度はナキウサギの岩場にも行ってみようということで次に行く楽しみも出来た。結局。雨に降られたが今回は森の恩恵にあずかって一切濡れずに、登山口に着いた頃にちょうど晴天になる。

なんだかツイてるのでこのまま白雲山も行ってみようと、その足で登山口まであこを走らせる。登山靴で運転したの初めてかも...なんか勝手が違う。数分で白雲山の登山口着。時間は13時38分。結構な駆け足登山になりそうだけど、まぁ、山頂まで1時間、下り、40分としたらまだ間に合う。こちらは大雪の悪名高き天人峡ルートと良く似た登山コースで一気に300mぐらい高度を上げて尾根道に出る。登り初めて少し後悔するが、もう後には引けない(いや気持ち的に引きたくない)。山頂手前で御一向様とすれ違ってからは山には人の気配もない。山頂につくと思いのほか良い景色。然別湖が一望できる。静寂の中、時折、ナキウサギの声も聞こえる。

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山頂付近にはトカチフウロが多く咲いていて、これだけ夏の花があればゴゼンタチバナもあるだろうと思って探したら一株だけ見つかった。前回登ったのが雪の十勝岳だったので二週間で一気に夏山になってしまって気分的には戸惑いを隠せないが、もう6月も19日だし、さもありなんという感じ。なんだか、このまま今年の夏おわっちゃうんじゃいかと、イヤな考えも頭をよぎる。

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さて低山とは言え、時間帯的に誰もいなくなってしまったことだし、とにかく気をつけて降りる。もう何かあっても誰も助けてくれない。とは言え、こういう状況は慣れっこなので落ち着いたもので花の写真などを撮りつつのんびり降りる。

山を降りた後はすぐ傍の然別湖温泉「風水」で温泉に漬かる。もう一軒の「福原」は日帰り入浴をやっていない(以前フロントに訪ねてみたら10kmほど離れた山田温泉に行けと言われてしまった)ので必然的にここなのだが、ここはここで湖と登って来た山の稜線が一望できるのでとても気に入っている。

せっかく十勝まで来たので、管理人お気に入りのラーメン屋さん士幌の「あけみちゃん」に行ってみようと早めに温泉を切り上げて出発するが、鹿追側から行ったことがなく、士幌の街中を南へ北へと迷走したあげく、ようやく辿りついたら「本日終了」の看板が...あこの迷惑そうなオーラが空腹の身に突き刺さる。後で調べたら、営業時間が16時30分までということで、迷ってなかったらおそらく間に合っていただろう時間だ。まぁ、しょうがないのでそのまま帰路につくという何とも中途半端な旅の終わりになってしまった(しかたなく帰りのサービスエリアでラーメンを食べたが何とも言えない虚しい味であった)。

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東ヌプカウシ登山口(11:25)→東ヌプカウシヌプリ山頂(12:13←昼食・散策→12:43)→東ヌプカウシ登山口(13:35)

然別湖畔登山口(13:40)→白雲山(14:35←休憩→14:50)→然別湖畔登山口(15:30)


今回のあこの燃費:14.2km/L(あこに乗り始めて最高記録です。高速をのんびり走ると驚くほど延びますね)