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21回目の十勝岳を新得コースから

tarumae-yamaさんと昨年から行ってみたいと話していた十勝岳の新得コース。H原さんも参加して三人で出発。朝4時30分に道の駅サーモンパーク千歳で待ち合わせの後、登山口を目指す。登山口は林道三本を経由する複雑なルートだが、林道を走りなれたH原さんの運転で登山口まで無事に到達。待避所にあこを止めて仕度をする間も、我々以外に人の気配もなく静かな山中。

きっと通る人もいないから登山道も荒れているだろうと思っていたが、笹やハイマツ刈りが行われて道幅も広い気持ちの良い登山道で驚いた。赤く色付いた木々を写真に撮りつつ、このメンバーとしては比較的ゆっくりとしたペースで進んで行く。


月をバックにダケカンバとナナカマドの紅葉。このあたりの標高では少し紅葉には早かったようだが、気持ちの良い青空が気分を盛り上げてくれる。

森林密度も薄く、時折、木々の間から美瑛岳、オプタテシケ山、トムラウシ山などが顔を出す。

そして難所。水量の多い第一渡渉点。当麻乗越のピウケナイ沢を思いだす。渡渉点に沿って岩が並んでいて、一歩一歩、慎重に進めば問題なかったが、tarumae-yamaさんはジャンプで通過(^^;。ここからは笹被りも多くなってくる。第ニ渡渉点は穏やかな水流でここは難なく通過して休憩にする。

休憩後は沢沿いを少し辿りつつ登るのだが、振り返ると紅葉の風景、前には口を開けた雪渓、エゾノツガザクラが咲いていたりと、撮影の度に立ち止まって急速にペースダウン(^^;。しかも沢から右に折れるルートを見失って少し引き返したりというアクシデントもあった。写真はエゾノツガザクラを撮るtarumae-yamaさんと私にカメラを向けるH原さん。


そのエゾノツガザクラと、沢から右に折れたところで咲いていたエゾオヤマリンドウ。リンドウは季節的にまだ合っているが、それでも9月末でこれほど活き活きしているのも珍しい。ツガザクラに至っては奇蹟というか(^^;。コースは一変して背丈ほどのハイマツ帯で、時折、熊笹が被さるが、たまに視界が開けてナナカマドと紅葉する台地、そして下ホロカメットク山を始めとした十勝岳連峰の支稜線が見える。

標高1510mでハイマツ帯が終わりを告げて開けた場所にでる。そこから先はまだ残っている雪渓を登っていく...と書くほど実際は大したことはなく、実は、長そうな雪渓を登っているように写真を撮っただけで、実際は10mほどしか雪渓はない(^^;。

標高を上げて行くと下ホロカメットク山の全貌が見えてくる。裾野に拡がる黄葉と青い空がとても美しい。

下ホロカメットク山の写真を撮っていて少しおいていかれたが、その進行方向の紅葉も見事。

新得コースの森林限界はどうやら標高1500mあたりのようで、これより上は十勝岳らしい荒涼とした大地になってくる。足下には白骨のように変化したハイマツの死骸が大量に転がっている。かつて、ここがハイマツ林だったことは伺えるが、火山活動などの影響で死滅したのだろうか。

新得コース最後の紅葉ポイント。小さな紅葉のモコモコが可愛い。何だかミニチュアモードで撮影したみたいだが普通に撮影したもの。

最終、紅葉ポイントを過ぎるとずっと砂礫地が拡がり、十勝岳らしい風景が続く。正面に見えるのは十勝岳山頂直下にあるニセピーク。随分と手前から見えていたが中々近づかない。ここまでくると、ルートらしいルートどころか明瞭な踏み跡もなく、ペンキやピンクテープを頼りに進む。ルート上の足下も踏み固められておらずフワフワした感じで、周囲がガスに包まれたりして目印を見失ったら、何処を歩いているのか不安になりそうだ。

黙々と登るtarumae-yamaさん。このあたりでは、全然山頂が近づいてこない上に景色もあまり変わらないので、私もH原さんも黙々と登っていた気がする。

稜線直下の標高1900m付近はまだ雪渓が残っていて、所々で融雪水が流れている。秋も終盤のこの時期に、十勝岳の標高1900m付近で水が取れるってすごいことなんじゃないかと思う。雪渓近くで一旦ペンキやピンクテープが途切れるが、十勝岳のニセピークを頼りに暫く進むとまたペンキが出てくる。ただ、ペンキ方面は凸凹の激しいガレ場が続いているため、協議の結果、無理してペンキを辿らずに安全そうなルートを選んで稜線に上がった。

そしていよいよ十勝岳連峰の主稜線が間近に迫ってくるが、先週の雨の影響で火山灰の足下がズブズブ沈む。更に登山靴に大量の灰がまとわりついて重い。稜線に上がってから、先行する二人は山頂まで一直線にショートカットしようとしていたが、火山灰泥にさすがにたまりかねたのか、一旦登山道に合流して山頂へ。十勝岳山頂には多くの人が見える。もう昼近くだというのにまだ月も出ていて、十勝岳山頂と月という面白い組み合わせの写真が撮れた。

山頂は無風、快晴。いつもと違って食後も景色に見入っている二人。

そしてtarumae-yamaさんはいつものように自身のブログの布教活動へ(^^;。

その布教活動の相手が、十勝岳を最後に日本百名山を達成したというので、急遽みんなで撮影会に...左側の女性が「日本百名山完登」の新潟から来られたSさん、右側はSさんと一緒に登ってきた札幌の山岳ガイドYさん、手前の女性は山頂で一緒になった愛知県伊良湖から来られた方。みんなお祝いムード一色。他にも何枚か写真があるのでNikon image spaceで見て欲しい。


撮影会の後、互いの連絡先などを交換して下山。あまりの快晴に後ろ髪引かれる思いではあったが長いコースなので仕方がない。新得コースへの分岐は標識も明瞭な踏み跡もないため、行きに積んでおいたケルンをたよりに行きに通ったルートに合流。紛らわしいので下山時に崩しておこうと思っていたのだが、主稜線の登山道のほうに向かって私が作ったもの以外にもケルンが確認できたので、そのまま残してきた。せっかく重い岩を担いで作ったので、「スズケルン」とでも名付けようか(^^;。

そして下る。標高1900mあたりの雪渓の凹凸部の下りは所々で凍っていて難儀したけれど、それを過ぎれば快適。登りは砂に足を取られて辛かったのがウソのよう。


そして森林限界の標高1500m付近が見下ろせる高台に...ハイマツ帯に道が見えるというので、見てみると確かに明瞭なルートが。そしてハイマツ帯に入る前の最後の紅葉風景を撮影するH原さん。逆光の場面で手をフード代わりにするのって私だけかと思っていたけれど、結構、常套手段なのかも(^^;。

ハイマツ帯に入る前に二人の写真を...二人ともいい顔しています。

ハイマツ帯の中、私もtarumae-yamaさんも写真撮るのに四苦八苦していたナナカマドの実と下ホロカメットク山。アングルを工夫したりして、結果的に、きれいな青空にも助けられて良い写真になった。

第二渡渉点で休憩した後は、朝よりも増水していた第一渡渉点をビビりながら通過した。その後は美瑛岳やオプタテシケ山、トムラウシ山の眺望ポイントで何回か写真撮影で立ち止まったぐらい。いつものようにH原さんは遥か前方に行ってしまい、tarumae-yamaさんは写真を撮っているのか遥か後方へ...時折、tarumae-yamaさん鈴の音を確認するために立ち止まったりしつつ無事に下山。お疲れさまです。

そして林道を抜けていざ温泉へ。本日はH原さん提案の「湯宿くったり温泉レイクイン」。登山の後の風呂は最高~、というわけで最高の山行が終わって帰路につくんですが、千歳でお二方と別れた後、道央道の札幌方面事故通行止で千歳ICか高速に乗れず、結局、新千歳空港経由で千歳東ICまで戻り道東道から帰宅。終わり良ければ全て良しと思っていたが、最後の最後で少しケチがついてしまった。だけど最高の一日だったことには変わりはなく同行してくれた二人に感謝したい。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/eF6jZNN)で山行写真全てが御覧になれます。

登山口までのルートはGPSログ参照。

新得コース登山口(7:35)→第一渡渉点(8:40)→第二渡渉点(8:50)→H1510m森林限界(10:00)→十勝岳(11:25←昼食等→12:35)→H1510m森林限界(13:30)→第二渡渉点(14:15)→第一渡渉点(14:20)→新得コース登山口(15:10)


今回のあこの燃費:12.8km/L(今回はあこも長い林道をお疲れ様でした)

今回のカメラ:「Nikon D7000」+「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
「FUJIFILM XF1」