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愛山渓から自転車リベンジ(1日目)~愛山渓倶楽部・層雲峡・黒岳・石室泊~

今週末は土日共に晴れ予報が出ていたので、自転車リベンジということで兼ねてから計画していた愛山渓から層雲峡経由で一周というのをやってみた。愛山渓温泉から国道39号まで約20kmを自転車で行き、バスに乗り換えて層雲峡へ...あとは愛山渓温泉まで縦走というプラン。

tarumae-yamaさんも今日は北鎮経由で愛別岳に登っているようだが、ルート的に会えそうもないので、軽い気持ちでメッセージカードを置いて自転車を用意。写真はtarumae-yamaさんの車とあこと自転車の3ショットに、今年初めての山泊装備を詰めたザック。出掛けに愛山渓倶楽部の女将さんから「温泉、入っていかないのー!」っと声を掛けられ、「今日層雲峡に移動して、明日帰って来るから、明日入りに来る~!」と返答。快適な夏晴れの中を出発した。

以前に大雪縦貫道路のレポートを書くときに読んだ「大雪山国立公園候補地昭和8年版」に、「直井温泉(現・愛山渓温泉)にゆくには」という項目があり、「石北本線安足間駅に下車し、ポンアンタロマ川に沿ふて徒歩で約二十粁をゆくのであるが、この道は早くから拓けてゐたもので非常に楽である」とあり、昔の人は約5~6時間掛けて歩いたらしい。そんなことを思い出しながら気持ちの良い林道を下って行くが、勾配が急な上、荷物が約17kgあるのでブレーキが平地のように効いてくれない。止ろうと思った地点から数メートル行きすぎて止まる始末。ゴムブレーキには過酷だなと思い、所々で小休止をはさみつつ、のんびりしたサイクリングを楽しむ。沿道にはエゾアジサイが青い美しい花を咲かせている。

20kmの道程と言えども大半は下り。ポンアンタロマ川は渓流から見慣れた大きな川へと変った頃に、道路が二車線になり、更に進むと畑が見えだす。上流側の畑は耕す人もいないのか遊んでいるが、国道近くでは蕎麦の花が満開だった。

沿道の景色を楽しみつつ、かなりゆっくり走って来たが所要時間1時間25分で国道39号の愛山渓入口バス亭に到着。時間は11時、次のバスは11時47分。そんなわけで早めに昼食を取ろうと、目の前の愛山渓ドライブインで舞茸ラーメンを頂いた。ラーメン自体は微妙な感じではあったにもかかわらず、塩ベースのスープと舞茸の風味は絶妙で、結果的には美味しく頂いた。あれで麺も美味ければ最高なんだろうけど...ちなみにこのドライブイン、「札幌180km←→網走180km」という中間点を示す昭和っぽい看板があるが本当なんだろうか...

5分ほど遅れてバスが到着。旭川-層雲峡のロングラン運行では±10分ぐらいはしょうがないか。そんなわけで車窓から見える大雪の山々を楽しみつつ層雲峡へ。層雲峡からはいつものロープウェー&リフトだけれども、こんなに天気の良い日に何故だが人が少ない。黒岳七合目からの道はいつも花が多くて目移りするが、今日は、チシマノキンバイソウ、ミヤマキンポウゲ、エゾレイジンソウ、ダイセツトリカブト、イワギキョウ、ハクサンチドリ、エゾウメバチソウ、ミヤマホツツジなどがポツポツと見られたぐらいでパッとしない。

そんな中、今日の主役はカラマツソウ。7合目リフト乗り場すぐのところから8合目まではモミジカラマツが所々で群落を作って白い花を楽しませてくれる。

8合目周辺はカラマツソウとモミジカラマツが混在しているが、9合目に近づくにつれてカラマツソウにバトンタッチ。中にはまだツボミの状態のものもあるが、この淡い紫のツボミのこの花の魅力だと思う。


黒岳山頂はいつものように人で賑わっている。時間もあるので以前から気になっていた三等三角点「温泉岳」を探しに山頂をウロウロするが見つからず...国土地理院の地図の示すところも一通り探したものの何も見当たらない。このときは撤去されたのかと思って探索はあきらめたが、帰宅してから基準点成果等閲覧サービスで確認したら「正常」となっている。一体どこにあるんだろう。


黒岳石室にチェックインして寝床を準備した後は宴会タイム。雪渓で取ってきた雪で冷やしたビールにレトルトのおでんに柿ピー、チーズ鱈とミニ居酒屋状態。いつもと同じく近くのテーブルにいた方々と話をしつつ意気投合した。今回のメンバーは北見のTさん(男性)、Yさん(女性)、そしてベルギーのMさん(女性)。写真の手前のテーブルの三人がそう。Mさんは言葉の通じない中、単独で十勝岳を目指しているとのことで一同心底驚いた。道具も全部持って来れなかったので、日本に来てから7,000円でテント買ったけどあんまり物が良くないとか話していて、中々のチャレンジャーっぷり。天候次第では天人峡に降りると話していたので、水場やテン場、コース状態や天人峡にはバスがないことなど出来る限りの情報は伝えた。そうこうしているうちに酒も進み、ビール二本とウィスキーのお湯割を何杯飲んだだろうか...酒が入ると英語が一段と話せるようになり、知らない間に私が通訳になって4人で話がはずんだ。

20時からはスターウォッチングイベントが始まる。公式にはペルセウス座流星群が多く見られる8月10日に行われるイベントだが、管理人の菅原さんが小屋番の時は、毎日やっていると話してくれた。天体望遠鏡で土星を見せてもらったり、レーザーポインタを使って「このあたりに動いている天体が人口衛星です」と示してくれたり説明も素晴らしい。撮った写真にも偶然人口衛星の奇跡が写っていた。ペルセウス座流星群のピークはまだまだらしいが、それでも、時折、見事なまでに星が流れる。

あっと言う間に1時間ほどのイベントが終わり、名残惜しいが皆と別れて就寝...と思ったが、消灯20時の石室もスターウォッチングに合わせているらしく21時なのに灯りがついている。昼間に足を攣ったと言ってツムラ68(芍薬甘草湯)をあげた縁で、鹿追から来た男性と少し山話をしていると管理人さんが「消灯します」とのことで21時30分に就寝。「きっと明日もいいことあるぞ」と思って素晴らしい一日に感謝して寝たのであったが...

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/sCB9a0W)で山行写真全てが御覧になれます。

[交通機関等移動]
愛山渓倶楽部(9:35)→自転車→愛山渓入口バス停(11:00←食事→11:55)→バス→層雲峡温泉(12:35)→ロープウェー層雲峡駅(13:00)→ロープウェー黒岳駅(13:10)→黒岳7合目リフト乗場(13:30)
 道北バス層雲峡・上川線、愛山渓入口11:47発、層雲峡12:35着、運賃1,000円
 層雲峡温泉からロープウェー&リフトで黒岳7合目まで、運賃合計1,400円

[登山道]
黒岳7合目(13:30)→黒岳(14:55)→黒岳石室(15:25)

今回のカメラ:「D7000」+「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」