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チョウノスケソウを探しに小泉岳へ

チョウノスケソウ、今年は雪解けが遅いため7月に入ってからが見頃かと思っていたが、ヤマレコ諸氏の情報ではもうピークが過ぎつつあるらしい。それでも遅咲きの花が残っているかと思い、高原温泉から小泉岳を目指した。

天気は「曇り後晴れ」という予報に反して良好で高原温泉の周囲だけが晴れている。そういえば以前も夏に似たような予報でこの周囲だけ晴れていたなと思いつつ登山口へ。朝7時という時間を考慮しても駐車場はガラガラで先発体も7組ほど。人気の山にしては珍しいなと思いつつ入山。今日のカメラは2台体制。「D7000」は花用に「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」、「Nikon1 V1」には動物用に「SIGMA AF APO 400mm F5.6(Aマウント)」を付けてある。この望遠用のセットが以外と曲者で、水を少し減らしたにも関わらずザックがズシっと来た。おまけに昨夜は暑くて殆ど寝れずに体調が悪いのと周囲の湿度が高いのが影響して、林間の急坂コースに入った途端にペースが落ちる。

林間コースはミツバオウレン、ゴゼンタチバナ、エゾイワハタザオ、エゾイチゲなどが咲いていて、これらを見ながらゆっくり進むことにする。ゴゼンタチバナは時期が早いらしく緑花が多い。第一花畑が近づくとエゾザクラが一輪だけ咲いていた(写真はゴゼンタチバナとエゾイワハタザオ)。

第一花畑に出ると大雪田が拡がっていてベンガラの丸印を繋いで行く。第一花畑と第ニ花畑の境目あたりに雪の溝が出来ていて、これを迂回するようにベンガラルートが描かれている。先発隊はベンガラルートを通らず直進し溝に出くわして困惑していたようだ。ベンガラも少し薄くなっているので、しょうがないか...パトロールの人に熊が出たとの話を聞いたのもここらあたり。これだけ暑ければ熊さんも寝ていられないわな。



第ニ花畑では青空が拡がって雪の反射がまぶしい。ここまで天気が良くなることは想定外だったのでサングラスを持って来なかったことを後悔した。とりあえず日焼け止めだけは塗っておくことに...

第ニ花畑と山頂への巨岩帯を繋ぐ低木帯に入る手前の岩場はパックリ割れた雪渓が剥き出しになっていて少しいやな感じ。踏み抜かないようにソ-っと通過した。雪渓周囲が霧掛かり写真で見ると涼しげなのだけど、実際は直射日光に高湿度で不快指数はかなり高い。

低木帯はミツバオウレン、エゾイソツツジ、マルバシモツケ、ゴゼンタチバナ、コケモモ、の他にアオノツガザクラとメアカンキンバイが少しだけ見られた。なかでもコケモモの群落はすごくて、暫くコケモモの道が続くほどだった(写真はコケモモ)。

山頂への取付き部から見上げると山頂方面はきれいな青空が拡がっていが、高根ヶ原は分厚い雲に覆われている。ラッキーなことに本当にこの周囲だけ晴れている。山頂への巨岩体に突入すると最初はエゾイソツツジが多いが、標高を上げると共にイワブクロ、メアカンキンバイ、コマクサ、イワヒゲなどが目立ってくる。

緑岳山頂に立つと誰もいない。稜線すら誰も歩いていない。時間は10時少し前。こんなに人が少ない日も珍しいと思って歩き始める。ちなみに山頂はイワヒゲパラダイスで少しだけメアカンキンバイ。板垣新道の分岐点を越える手前でようやく一人の男性とスライドした。話をしつつこの人どっかで会ったことあるなと思っていたが、他人の空似ということもあるので聞くのも躊躇われたが、別れてばらくしてから剣山の山頂で写真を撮らせてもらった人だと思い出した。来週はニペかトムラウシかと言っていたので、その内、また会えるに違いない。

その次はキタキツネと出会った。何だかフカフカの毛に包まれていて暑そうだ。キツネと言えば私の中では害獣扱いで、殆ど写真に撮ってなかったなと思って、早速、換算1080mmの超望遠で撮ってみるが意外と良い表情をしてくれる。

小泉岳への稜線はエゾツツジが目立っている。ホソバウルップソウは下半分がもう茶色い。チョウノスケソウは小泉岳へと進むに連れて花の状態が良くなってくる。その他、クモマユキノシタ、エゾオヤマノエンドウ、チシマキンレイカ、ミヤマキンバイ、エゾタカネスミレ、キバナシオガマ、ホソバイワベンケイ、イワウメ、エゾイワツメクサ、レブンサイコ、ミヤマアズマギク、ミヤマタネツケバナそして驚いたことにリシリリンドウ(写真は上段がチョウノスケソウとリシリリンドウ、下段がレブンサイコとエゾオヤマノエンドウ)。

中にはこんなユニークなのも...タカネスミレとウルップソウが作り出した亀さん。ウルップソウの頭に、タカネスミレの花咲く甲羅、そしてタカネスミレの葉が足に見える。見た目、本当に歩みがのろそう...というか実際には微動だにしないのだが。

白雲岳周辺はミヤマキンバイ、エゾオヤマノエンドウ、エゾノハクサンイチゲ、ミネズオウ、キバナシャクナゲ、イワウメ、クモマユキノシタ、チングルマ、ミヤマリンドウ、エゾノツガザクラ、エゾコザクラなど、もう春・夏・秋の花が入り乱れて季節感も何もあったもんじゃない。あと、ここでまたShizuさんに会ってビックリ。今年に入ってから山でバッタリ会うのはもう三度目。山の趣向が似ていると言うか、しかも3回ともyahさんが一緒じゃない時という...(写真はエゾノハクサンイチゲとチングルマ)

白雲の山頂も天気は良好だが対岸の旭岳は雲の中。逆にその雲がゼブラの絶景にプラスされて夏らしい絶景となっていた。この時点で12時になったので昼食にする。食事にした途端に少しハエにたかられたが天気も良くて気持ちの良い山頂。カッコーがやって来たので写真を撮ったりしつつのんびりした。

昼食後は巨岩帯まで戻って岩場でナキウサギさん捜索。鳴き声は聞こえるもののハイマツの中や地下深くから...ようやく動くものを見つけたと思ったらシマリスだった。最初、1匹だけかと思ったが、まだ小さな個体も含めて全部で4匹いて周囲をものすごいスピードで走り回っていた。ナキウサギさんには会えなかったけど、シマリス親子?には会えたので良しとしよう。

白雲小屋はまだ雪深く、水場がポッカリと雪が空いている。テント場も結構苦労の後が伺えるが何とか地面が出ている。ここでは海外から来ている人と話をした。オーストラリアっぽい訛りの英語だったので、多分そっち方面の人だろうが、出張でやって来て合間に山に登っているらしく、旭岳温泉から黒岳石室、忠別岳避難小屋泊でトムラウシを目指したが天候悪化で断念して、白雲小屋まで戻って来たと話していた。こんな出張なら私もしてみたい(^^;。小屋の管理人さんは先週の羊蹄小屋で教えてもらった通りに今野さんが復帰。昨年は下界で仕事していたそうだが「やっぱり山のほうがいい」と話していたのが印象的だった。「今度はビール上げてくるから一緒に飲みましょう」と言って小屋を後にした。


板垣新道は完全に雪の下。緑岳の稜線への登りできれいに咲いているチョウノスケソウに出会った。グルっと一周まわったが、結局、ここが一番綺麗なのかと、少しがっかりしたような、嬉しいような複雑な心境で稜線に立つ。

時間は14時過ぎ。もう誰もいないだろうと思って緑岳まで戻ってくると、旭川から来たという青年がカップ麺を食っている。朝、起きるのが遅くなって12時スタートでここまで来たと言っていたが、朝寝坊して12時スタートできるのが羨ましい。高根ヶ原の雲も大分弱くなって来ている。夕暮れ時にはきれいな空が拡がるかなと思いつつ下山した。


ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/q9K9NfY)で山行写真全てが御覧になれます。

大雪高原温泉(7:10)→緑岳(9:45)→板垣新道分岐(10:05)→小泉岳(10:55)→白雲岳(12:00←昼食→12:30)→白雲岳避難小屋(13:45)→板垣新道分岐(14:10)→緑岳(14:20)→大雪高原温泉(16:05)

今回のカメラ:
「D7000」+「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
「Nikon1 V1」 + 「SIGMA AF APO 400mm F5.6(A-mount・換算1080mm)」

今回のあこの燃費:16.0km/L