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有珠外輪山 ~誰もいない外輪山遊歩道~

伊達紋別岳に登った後、せっかくここまで来たので有珠山と近場の貯金山に登ろうと有珠登山口に来たわけだが、貯金山へと通じる林道は大型車両がひっきりなしに通っている上に登山者通行禁止の標識が...貯金山は四等三角点のある標高243mの低山だが地形的に噴火湾のいい景色が見れるのでは期待していただけに正直がっかりしたが、せまい道を大型車両と行き交うなんでゴメンなので諦めて有珠山に向かった。

有珠外輪山まで案内図では2.6kmでそれほど大したことはないと思っていたが、本日2座目ということで足が重く、周りは落葉しているとはいえ密度の濃い森林で景色が単調なのも拍車を掛け、思ったよりも進まない。登山道はよく整備されているが、登っても登っても目指すピークらしいものが見えず、写真のように外輪山のすぐ近くまで来ているハズの標高473m点でも山頂側の情報は目視できず、心理的に辛いルートだった。


それでも1時間15分掛けて何とか外輪山の展望台に立った。写真は外輪山展望台から小有珠。山裾の曲線がとても美しくて奥に洞爺湖も見える。

小有珠の右側には有珠新山と大有珠のダイナミックな景色もバッチリ。外輪山の稜線を辿って行くとロープウェー駅近くにある標高573mの火口原展望台も見える。景色はいいんだけど平日とはいえ有名な観光名所に誰もいないのが妙に無気味で、双眼鏡でロープウェーに続く稜線を追ってみたが本当に人っ子一人いない。

ロープウェー運休してるのか?とか思いつつ、稜線をロープウェー駅のほうに辿りつつ午前中に登った伊達紋別岳が見えるポイントに来た。肉眼や写真では、どれが伊達紋別岳か判別不明だけど、双眼鏡ではちゃんと伊達紋別岳の特徴ある鳥居型の山頂標識が見えていた。双眼鏡って本当にすごい。直線距離で11kmも離れているのに、たかだか1mほどの山頂標識が見えるんだから。

ついでなので標高464m点の火口原展望台にも行ってみたが観光客とは遭遇せず。ロープウェー駅のほうはどうなってるんだろうと興味が出てきて先に進もうとしたら、ロープで規制されていた。どうりで人が来ない訳だ。改めて双眼鏡で標高573mの火口原展望台を覗いて見ると今度は6人ほどの人が確認できた。ちゃんとロープウェーも営業してるみたい。とはいえ人間心理は不思議でマイナーな山頂で誰もいなくても全然平気なのに、人間の痕跡の強いところに誰もいないというだけで妙に気味悪く感じ早々に下山することにした。

下山中は進行方向から絶えず獣臭のようなイヤな匂いが風に乗ってやって来て、ヤバいなぁとか思いつつ降りたが、結局、何とも出会わずにすんだ。下界はポカポカ陽気で、帰り道にあこの窓を全開にしてたら畑のほうから、さっきと同じ匂いが漂ってきて、先程の心配の種は堆肥の臭いだったのかと納得したが、紛らわしいなと思いつつ帰路についた。

ヤマレコとNikon image space(http://img.gg/2D9UuPt)で今回の山行写真全てが御覧になれます。

登山口(12:45)→外輪山展望台531m(14:00)→旧火口原展望台477m(14:25)→登山口(15:15)

今回のカメラ:D7000+AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED

海の見える山を求めて伊達紋別岳

全道的に快晴ということもあり、以前たびんちゅさんに薦められ行きたいと思っていた伊達紋別岳に行くことにした。朝の通勤ラッシュを回避するために、久々に早起きして出発して7時40分には登山口に着いていた。登山口は全く雪がなく久しぶりに夏山気分で登り始める。ほどなくして尾根に取付き、明るい緩やかな尾根を左右の景色を眺めながら登っていく。

いよいよ4合目あたりから積雪が出てきて夏山気分も終わりを迎えたが、対岸に山肌が段々畑のように亀裂が入ったとても興味深い光景が見えてきた。全く木々も生えていないため最初は畑の残骸かなと思ったが、よく見ると対岸だけでなく、今歩いている稜線の急斜面にも段々形状になっていて、且つ、畑の作業道にしては亀裂と亀裂の間隔が開きすぎていて妙だなぁと思いつつ登っていく。

時折ずぼっと踏み抜くがツボ足で7合目のいっぷく広場に到着。間直に稀府岳が見え、その向こうには2月に登った室蘭岳か...暫く景色を楽しんでいたが、ふと気付いたのは、この急峻な山にも先程と同じ段々畑のような亀裂が入っていること。「こんなところに畑はないだろう」と管理人の中では人工物の線は消えて、このあたり一帯の地層的な影響で自然にできた地形ではないかと勝手な推論を展開するが詳細は不明。

7合目から先は少し雪庇が残っていて、キックステップ効かない硬い斜面を腰が引けつつ通過すると後は快適な稜線が続いていた。遮るもののない稜線を歩く感覚が随分と久し振りな気がして妙にウキウキしてしまう。

途中、前紋別岳に着くと、これまで歩いてきた尾根が描く曲線と向こう側に見える伊達の市街地と噴火湾がとても良い景色だった。ちょっとポジションが悪くて一望とまではいかないけど、さすがはこの行程の最高標高点だけのことはある。

前紋別岳を越えると本日の難所らしい難所、9合目近くの700m峰の急斜面トラバースがデーンといく手を阻んでいた。この高度感がプチ高所恐怖症には辛いのです。一旦、引き返してアイゼンを付け、再び挑もうと思ったが、結局、斜面の緩いところを迂回した(^^;。実際、向こう側から見ると足場のない区間は写真で見えているところだけで、その向こうにはちゃんとした足場があったので、そこまで恐怖を感じるほどでもなかったかなと思いつつ怖いものは怖い。


伊達紋別岳の山頂に立つと素晴らしい絶景が...というのを期待していたが、薄モヤが掛かっていてハッキリと見えない。森の向こうに洞爺湖、と有珠山、そして右手奥に後方羊蹄山、肉眼でもうすぼんやりしか見えないのでしょうがない。噴火湾の方角もスッキリしない。風が出てきたので多少改善するか思って待っていたがダメだった。

そんなわけでカメラから双眼鏡に持ち変える。7合目手前のガンバレ岩あたりを二人パーティが登って来ている。てっきり平日なので誰とも会わないと思っていたが結構人気の山のようだ。これから向かう予定の有珠山のほうは雪が山頂にチラホラぐらい。セットで登ろうと思っている貯金山は、低山にも関わらず山頂に木々らしきものが見られず、思っている通りの眺望が楽しめそうな感じ。

下山は途中に転がっている雪庇の残骸を見ながらのんびりと...何というか面白い光景。前紋別岳では女性一人と先程双眼鏡で確認した二人パーティと出会った他、途中の林でドラミングのするほうを双眼鏡で探してアカゲラを発見。一応、写真にも撮ってみたが見るに耐えない仕上がりに...楽しい出会いではあったが、こういう時に望遠レンズがあればと悔やみつつの下山となった。

ヤマレコとNikon image space(http://img.gg/AhSS95l)で今回の山行写真全てが御覧になれます。

太陽の園駐車場(7:40)→登山ポスト(7:50)→7合目いっぷく広場(8:50)→前紋別岳(9:25)→伊達紋別岳(9:50←食事・双眼鏡タイム→10:20)→前紋別岳(10:45)→7合目いっぷく広場(11:10←いっぷく→11:20)→登山ポスト(12:00)→太陽の園駐車場(12:10)

今回のカメラ:D7000+AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED