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十勝岳は三度美味しい ~三.十勝岳山頂の眺望~

症状は良くなったものの、油断するとすぐに足が攣りそうな状況の中、慎重に残り距離を縮めていき無事に山頂着。いやぁ、体調はともかく今日の景色は最高だ。昨年ポッキリ逝った山頂標識の代わりに、案内標識に十勝岳のプレートが貼ってあった。その向こうには富良野岳がクッキリ。上ホロ小屋周辺もだいぶ雪融けが進んでいる。

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下ホロカメットク山の向こうには日高の山々も見えている。望遠でも撮影してみる。

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鋸岳に続く稜線上はこの時期ぐらいしかお目に掛かれない雪の縞模様。雪の量も絶妙だ。向こうにはニペソツ山を中心に東大雪の山々。

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昼食後は上ホロ小屋近くまで行ってきたという旭川のKさんと談笑。ポカポカと暖かい山頂で話もはずむ。Kさんが降りるというので下山するKさんを見送ってふと時計を見たらもう14時過ぎ。もう1時間半近くも山頂いるのかと私も荷物をまとめて下山。午後に入って気温が上がり雪の状態は更に悪化。いつ埋まるか気が気でなく1720mより下は輪カンを付けた。快適に下山と思いきや途中で当りクジを引いて腰まで埋まった。丁度、巨岩の周囲の雪が溶けていてそこを踏み抜いてしまった格好だ。輪カンで埋まったら下手すると抜けなくなるので冷や汗が出たが、無事に抜けてくれたので良かった。

そんなわけで多少のハプリングがありつつも、ポカポカの春山を満喫できた一日でした。


望岳台(9:25)→美瑛岳分岐(10:10)→十勝岳避難小屋(10:20)→1720mピーク(11:20)→十勝岳(12:30←昼食・休憩→14:10)→1720mピーク(14:55)→十勝岳避難小屋(15:20)→吹上温泉分岐(15:35←teatime→15:40)→望岳台(16:05)

今回のあこの燃費:13.6km/L

十勝岳は三度美味しい ~ニ.1720mピークから十勝岳山頂~

標高1720mからは景色が一変。砂漠のようななだらかで広大な空間が拡がり、正面にはこれまで見えなかった十勝岳山頂、左手には美瑛岳や鋸岳なども一望できる。ここで先発隊夫婦から山頂の雪の情報を聞くことに。山頂付近の雪は結構沈むらしく腰まで埋まったとか話を聞いた。雪が軟らかいので直登はやめたほうが良いとのことで、崖近くの岩場を足がかりにして行くことにする。

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お礼を言って進んで行くと左手にはスリバチ火口がポッカリ見えてくる。この時期は積雪に筋がついて本当にスリバチみたい。火山特有の硫黄の匂いが緩やかな風に乗ってやってくる。

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で、問題の山頂に続く溶岩ドームの急斜面に取りつく。岩場なので輪カンはやめてアイゼンだけ付けて登る。とにかく足が沈む。足が埋まるので安定感は抜群だが(^^;、先人の足跡を外すと雪が崩れてもう全然登れない。時折、振り返って写真を撮っていく。ここは標高を一気にあげるので、振り返る度に高度を増しているのが実感でき「えっ、もうこんなに登ったんだ」っいう印象。毎年ガチガチの氷斜面になる恐怖の肩斜面も今日はキックステップでちゃんと足が入っていく。

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で、肩に到着。ここまで来れば山頂は間近...といつも思うんだけど、ここからが一番精神的に長い。標高も高くて空気が薄い。息もあがりっぱしで10m進んで小休止が続く。

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山頂直下ではまた雪が深くなって来る。何クソと雪斜面に足を掛けたときにハプニング発生。体重を支えていた両足共に雪が崩れて体勢を立て直そうともがいた時に足が攣った。「うぉぉ、痛い痛い!またかよ」。3年前に丁度この場所で足攣って山頂を諦めた苦い思い出がよみがえってくる。すぐに筋を延ばして対処して危機を脱した。

十勝岳は三度美味しい ~一.望岳台から1720mピーク~

ゴールデンウィーク恒例の十勝岳登山。Wethernewsの週間予報ではGW前半が好天とのこと。高層予想天気図(http://www.hbc.co.jp/pro-weather/)ではGW前半は29、30日は強風予報ということで、チャンスは今日しかなく少々体調悪いのを押して登って行ってきました。朝7時前に札幌出発。うーむ眠い。久々の長距離走行であこは御機嫌ですが、あこのナビはセンターポケット取付では電波が弱いらしく起動時の衛星補足に10分以上掛かる始末(http://www.saboten.sakura.ne.jp/~suzu/cgi-bin/diarypro/archives/116.html)。こんどGPSアンテナ付けてやるかと思う。

上富良野に入るとドーンと十勝岳連峰が目に入る。やっぱものすごく高い。冬の間、札幌近郊の山々しか目にしていないと、この毎年のファーストインプレッションがたまらない。登れるだろうかとゾクゾクしてくる。望岳台着は9時20分。上富良野から日新・白金温泉経由にしては結構早く着いた(注:吹上温泉~望岳台間はゲートが閉まっていますよ)。

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望岳台周辺はライブカメラ(http://www.seisvol.kishou.go.jp/vo/32.php)の状況から予測していたよりも大幅に雪が少ない。もうはっきり言って夏山状態。手元の温度計は気温16℃、そして無風。大正火口と62-2火口からの噴煙もほぼ真っ直ぐに上がっている。

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そんなわけで歩き始めると暑くてしょうがない。スキー履いて登ってる人も何組か見掛けたが気の毒になるぐらい。登山道の状況も5月下旬並み。十勝岳の望岳台ルートは登る過程で視野が劇的に3回変わるので管理人のお気に入りコース。標高1720mピークまでは美瑛・富良野の鳥瞰と緩やかなに続く稜線が美しい。

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標高1720mが近づくと、それまでは高い位置から見えていた大正火口の噴煙と緩やかなピークも間近になって何とも言えない美しさ。

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