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紅葉の当麻乗越 ~泥んこ道を行く愛山渓ルート~

三連休最終日にギリギリの晴れ予報ということで、愛山渓温泉から当麻乗越の未踏だったルートを繋げつつ大雪山の紅葉を楽しもうということで行ってみる。

薄曇りの中、愛山渓温泉をスタートすると登山道はいきなり泥道に。水芭蕉の大きい葉があちこちに見られる。ここ数日の雨のせいもあるけど、元々水の溜まりやすい地形なのかもしれない。上に登るにつれて多少は良くなるかと思ったが、ずっと変わらずで、三十三曲りを越えて視界が拡がり初めると、今度は道が泥から水場に...そして沼ノ平の木道に安堵しているとまた泥。なんだか歩きにくい道だなぁと。

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沼ノ平から熊笹とハイマツのブッシュ。所々鬱陶しいがそんなに酷い状態でもない。1591mピークに達するとそれまで先端しか見えていなかった旭岳がきれいに見えてくる。何度も見ている山だけど、なんだか少し感動。そんなに鮮やかではないが紅葉も絵になっている。

1591mピークからは少し下ってから当麻乗越まで登っていく。足下は相変わらず悪い。標高1600mぐらいまで来るとピウケナイ沢が作り出した渓谷の左右に小さな沼が点在している光景が見られる。当麻乗越は去年も来たが、沼の景色は少し標高を下げたこのあたりのほうが奇麗かもしれないなと思う。

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当麻乗越に到着して気がついたら、レインスパッツの丈を越えて膝上辺りまで泥だらけになっていた。ここまでちょうど3時間。昭文社地図のコースタイムと全く同じ。いやウソでしょ。日帰り装備だと大体いつも地図の5~7掛けぐらいの時間で歩いてるのに、それほど道の状態が悪かったのか。時間に余裕があって、晴れていれば当麻・安足間・永山の1週ルートをとろうと思ったが、天候も曇りで疲れたし、今日はここで終わりということで昼食にする。

しかし寒い。気温6℃。高層天気図だと850hPa点(標高1500mぐらい)の9時予報で3℃だったから、予想よりは暖かいが、風があるせいで体感温度はグッと低く感じる。岩場の風のないところでお湯を沸かすが、イソ(ブタン)燃料だと火力が弱くて元気がない。来週の小屋泊まりはプロパンの入ったものを持って行こうと思う。一応、暖かい食事をしたが寒くなってきたので、もう少し山に登ってみようと当麻岳の標高1800m辺りのちょうどテラスのようになっている高台を目指す。途中、ウラシマツツジの紅葉が美しい。紅葉では、今日一番の光景かもしれない。

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高台に到着すると何だか鳥がいっぱい飛んでいる。全然鳴かないのでわからなかったがホシガラスだ。あたりを忙しくウロウロしては高山植物の種のようなものをつついている。彼らにとっては忙しくて鳴いてる暇もないようだ。私の存在も気付かずに食料集めに集中している。しばらく、そんな様子を観察していると、最初は10羽ぐらいいたのが、1羽また1羽と次なる目的地に向け去って行く。なんだかとてもいい瞬間に居合わせたようだ。

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高台の岩場ではエゾシマリスも忙しそうだ。なんだか動物達が忙しそうにしていると、少し気が早いが、冬が近いなぁという気がしてくる。長期予報では10月まで暖かい日が続くという話だったけど、山の上は平年並みのようだ。

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その後は、泥んこ道を六ノ沼まで一気に下りて当麻乗越で作っておいたお茶の時間にする。もう何だかグッタリだ。ここで追い付いた北見の4人パーティーが去った直後、何やら「ガーガー」という鳴き声と「鴨がどうこう」いう話声が聞こえて、こんな高地に鴨なんてとと思っていると、目の前をスイーっと鴨が通り過ぎる。あらぁ、本当にいたんですね。鴨を見送りつつ、お菓子を食べて木道横のスペースに寝転ぶと丁度良い心地。目を閉じると何だか寝てしまいそう。いや本当にヤバい気持ち良さ。眠ってしまう前に起き出して、延々続く泥道を下って行った。


愛山渓温泉(8:10)→三十三曲分岐(8:35)→沼ノ平分岐(9:25)→当麻乗越(11:10←昼食→11:50)→当麻岳のテラス1800m点(12:05←ホシガラスタイム→12:30)→当麻乗越(12:40)→六ノ沼(13:35←ティータイム→13:55)→沼ノ平分岐(14:15)→三十三曲分岐(14:50)→愛山渓温泉(15:10)


今回のあこの燃費:12.6km/L