大雪の紅葉が見頃だと言うので、層雲峡-大雪高原温泉の紅葉時期限定のバスを利用して日帰り縦走をしてみました。
例によって札幌を4時前に出発し6時に層雲峡着。あこをロープウェーの真下に停め第2便で山頂を目指す。ロープウェーはNHKの取材や観光客、登山者などでごった返している。7号目では入林届の記帳で10分以上の足留めを食らうなど驚きの経験が相次いだ。
花の誘惑の多いこの区間も、この季節はさすがに彩りが薄れてニセや平山など夏に登った山々を眺めつつ標高を上げていく。結局、夏には下りで2時間かかった道のりを1時間ほどで登り切った。黒岳山頂に着くと急に冷たい風が吹きつける。山頂での第一声は「さむ~い!」だった。山頂から少し黒岳石室のほうに下ると、赤く色づいた石室から北鎮岳への稜線が一望できる。先週、反対側から眺めたときは緑一色だったのにと、急速な季節の移り変わりを実感した。
黒岳石室で休憩後に北海岳を目指して歩く。同じ方向に行く人達と話しながら歩いていると高原温泉に下りるなら白雲岳も登ればいいと言われる。白雲岳はそんなに好きな山じゃないから素通りするかもとか話していた矢先にふと思いついた。これから進む方向には白雲岳、赤岳、緑岳と色を冠した山々が隣接している。そして先程黒岳も通過したばかりじゃないか。時間はまだ9時過ぎ。全部のピークを踏んでも間に合う...かも。急遽、ただの日帰り縦走から大雪山四色巡りへと計画を変更。どうせなら五色岳できれいに〆たかったが、日帰りではこれが限界。
北海岳で見事な御鉢を堪能した後、白雲岳を目指す。このルートを塞いでいた大きな雪渓も殆どなくなり、雪渓のあった付近にはミヤマリンドウやアキノキリンソウもまだ咲いている。ここで管理人の知らない青い花を発見。後で図鑑を見るとエゾヒメクワガタという結構ポピュラーな夏の花らしい。
雪渓を通過すると白雲岳分岐はすぐそこだ。ここは表大雪の静かな交差点だが、この日ばかりは銀泉台と高原温泉から次々に人が押し寄せてくる。デポされたザックは数十はありそうだ。管理人も横にザックをおき白雲岳に向かう。荷物がないと身体が軽いと軽快に飛ばすも、すぐに渋滞につかまる。ありがたいことに、その都度道を譲ってもらい20分ほどで山頂に到着。
とりあえず2色目ということで達成感はある。独立峰的な360度の眺望が魅力の山なんだろうが、管理人はそもそも独立峰はあまり好きじゃない。多分、ライブで見た景色の壮快感に反して、写真では被写体のボヤけたただの鳥瞰図にしかならないのが気に入らないのだと思う。その意味では旭岳山頂も同じだなと思う(いつも素通り)。とは言え、せっかく登ったのだから何とかいい絵を探して写真を撮って見る。秋晴れの青空と北鎮-比布-安足間の稜線を背景に、白雲岳山頂標識と人々がアクセントになった比較的満足できる一枚になった。
白雲岳から下りて白雲分岐で大量のザックに囲まれて昼食。時間を見るともう12時近い。高原温泉からの最終バスが16時なので、その前に温泉に入ることを考えると13時には緑岳に着いていたい。結構ギリギリだ。急いで昼食を食べて3色目の赤岳に向けて出発。ザックは途中の小泉岳分岐に置いていく。1/25000地図で数センチだが実際に歩くと結構長い。午後に入って風も強くなっている。20分ほどで赤岳着。
山頂標識裏手の巨岩に登るとダイナミックな景色が広がる。管理人はやっぱりこういう景色が好きだ。左側には雄滝の沢が削った谷は紅葉で色づき向こうには先程登った白雲岳が見える。正面は巨岩の向こうに烏帽子岳、凌雲岳、北鎮岳を始め御鉢平の稜線もきれいだ。強風の中、時間を忘れて見入ってしまった。ここは少し離れたところに三角点があるので、そこも踏んでいこうかと思うが時間がかなり押しているので諦めて駆け足で小泉岳分岐に戻ることにする。
分岐に戻るともう12時45分。ここから緑岳まで約2km、緑岳から高原温泉までは約5km。慌ただしいが 13時30分に緑岳、15時に高原温泉を目標に設定する。そして、最終バスの16時まで温泉にゆっくり浸かるという寸法だ。ここまで来るとさっさと山を下りて温泉に入ろうという思考が頭を占拠し始める。何だか本末転倒だ。
分岐からすぐの小泉岳には人だかりが出来ている。学生パーティーっぽい。時間は押してるが写真を撮って欲しいというので撮ってあげる。管理人にも「撮りましょうか?」と言うので記念に撮ってもらった。学生パーティーと別れて進むと一段と風が強くなる。油断すると身体が持っていかれる。このあたりは地形的に風の通り道にでもなっているのだろう。
緑岳に着いて後ろを振り替えると、なだらかな稜線が美しい。白雲小屋分岐から来た人達がゆっくりと山頂に向かってくる。高根ヶ原方向も忠別岳までクッキリだ。本旅の目標も達成で、予定よりも早く着いたので少しゆっくりしようと思ったが風が強くて冷たい...結局10分ほどで下山することに。
もう山より温泉だ。しかしこの下りが辛かった。山頂からは延々続く巨岩帯で、強風の中、足場を確保して下りていく。全然スピードが上がらない。巨岩体を下りきった時にはもう14時、温泉まであと4kmぐらい。時間キツいなと思いつつ歩く。しばらく平坦で木道もあり遅れを取り戻す。しかし温泉まで500m標識が出たところで階段道に突入...高度計を見ると標高1500m、目的地の温泉は1200m。つまり500mの道程で300mも高度を下げるというわけで、勾配は tan-1(300/500)より31度に達する。高原温泉ルート恐るべし。ここは絶対に登りには使わないぞ心に決めて、階段道をひたすら下りていく。まだかまだかと思っていると硫黄の匂いが届き始める。視界が開けて来て、だいぶ近づいたと思ったらブワっと湯気が道を横切る。熊笹で見えないがすぐ横に源泉があるらしい。
下山届を書いて温泉に...結局予定通り15時着。ここは温泉らしい白いお湯が落ちつく。最終バスは超満員。席もなくタラップに腰かけ、乗り心地のわるいダート道をレイクサイドまで...ここでバスを乗り継ぐ。ここに車を置く人が多く層雲峡行きはガラガラだ。最後部に陣取りお菓子やジュースを飲み食いしつつ層雲峡に。バス料金は合計800円と良心的。紅葉時期だけでなく通年運行してくれればいいのにと思う。層雲峡で食事をしてロープウェー乗り場にあこを迎えに行く。ロープウェーは18時まであるらしく、まだ順番待ちの列ができていた。
[層雲峡(6:15)→ 黒岳7合目(6:50)→★黒岳(7:50)→北海岳(9:40)→★白雲岳(11:20)→白雲分岐(11:40←昼食→12:10)→★赤岳 (12:30)→小泉岳(12:50)→★緑岳(13:20)→第ニ花畑(14:30)→第一花畑(14:35)→高原温泉(15:00←温泉 →16:00)→バス→レイクサイド(16:35)→バス→層雲峡(17:00)]
P.S. 今回のあこの燃費 13.7km/L
未承認 2013年05月18日(土)11時50分 編集・削除
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