上ホロカメットク山、先週行かれたヤマレコのkomatsunaさんのレポートを見て、残雪状態は例年の5月下旬ぐらいの水準かなということで出掛けたが、百聞は一見にしかずとはよく言ったもので、現物は想像以上だった。
しかも、登山口までの通路をショベルカーか何かで除雪しようとして挫折した巨大な穴ぼこが登山口に空いていて登山口を塞いでいる始末。穴の脇から登山道へと入ったが、お粗末というか、来週の十勝岳山開きに向けた関係者の焦りが空回りした産物により、不本意ながらより危険となってしまった登山口から登山道へ。安政火口へのハイキングコースも雪で完全に埋まっていて、踏み跡かピンクテープが頼り。
安政火口分岐をショートカットして、化物岩のトラバースから反対側へと廻り込む地点にできる雪庇は例年の5月下旬並みに発達していて道を塞いでいる。手前と奥に踏み跡があるようで手前のを使わせて頂く。上ホロ分岐も例年わりも雪が多く分岐標識が見当たらない。恐らく雪に埋まっているのだろうが上ホロへは直進なので全然問題なし。この雪の量なら300階段も埋まっているだろうと、素直にD尾根への直登ルートへ...昨日は少し熱が出て一日寝込んでいただけあって、この登りは応える。
D尾根に出ると景色が拡がる。十勝岳もクッキリで清涼剤効果抜群。足取りが軽くなる。が、しかし、そう簡単には本峰の稜線には到達されてくれないらしい。上富良野岳への斜面の半分ぐらいが雪が覆われている。「うぇぇ、これ登るのか」と思いつつ、最高斜度で40°近くある雪の斜面を登る。
頑張った甲斐あって上富良野岳からの景色は最高。少し富良野岳に雲が掛かったが、それもなんかいいてアクセントになっている。思えば2007年に本格的に高いところを登るようになってから、上富良野岳は今回が14回目。考えてみたらここを目標に登ったことは一度もないが、嫌いな山というわけでもなく随分登ったんだなと改めて思う。上ホロに向かって歩き始めると、擦れ違った男性に「まだ時間も早いし十勝岳行ってきたらどうだい?」と言われる。とりあえず今日の目標は上ホロカメットク山なのだけれども、「とりあえず上ホロに行ってから考えます」と言ったものの、今日登れば十勝岳も記録が残ってる中で数えると20回目(未記録山行があるので実際はもっと登っているハズなのだが)。俄然やる気が出てきた。
本峰の稜線は全く雪もなく快調に進み、まずは上ホロカメットク山頂。雄大な上ホロの山容には似合わないチマっとした山頂のケルンのギャップが面白くて写真に撮った。
上ホロ山頂直下から拡がる大雪田に少々ビビったものの、何のことなく通過して上ホロ小屋に寄り道してから、快適な夏山の稜線を十勝岳へと向かう。と書くと順調に進んでいるようだが、実際は斜度が増す度にひいこら言ってスピードが低下する体たらく。
十勝岳の山頂直下まで来ると、ここまでくれば2077m峰の十勝岳とは言え所詮モエレ山級...と言い聞かせて登ったが、このモエレ山が中々歯ごたえがある。結局、息が上がって小休止の連続。
何とか山頂に着いたものの鋸岳へと続く稜線の縞模様に雪はなし。この感じだと1週遅かったようだが、それでも景色はものすごく良い。トムラウシも石狩連峰もニペソツもクックリ見える。その写真はヤマレコかイメージスペースで見て頂くとして、休憩しつつ、夏山に変貌した十勝岳でマッタリくつろいでいると何やら私を呼ぶ声が...
誰だろうこんなところで思って振り向くとshizuさん。今年は4月に手稲山で偶然会って驚いたばかりだというのに、更にこんな偶然って...今日は単独らしい。私と同じぐらいの時間に凌雲閣に行って登山口の惨状を見て望岳台へと転進したと話していた。そんなわけでカメラ女子っぽい写真を一枚撮らせてもらった。が、やっぱり人を撮るのは苦手(^^;。ハエは多いが暖かい山頂で景色を楽しみつつ、山の話など1時間近く話していたかもしれないが、ふと時計を見るともう12時。凌雲閣に降りるならボチボチ出発したいということで下山開始。
いちいちレンズを変えるのは面倒なので、例によって登りは「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」、下山時は「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」。帰りは望遠の風景を楽しみながら下山する。写真は富良野川源流の断崖。高度感バッチリ。何で高所恐怖症なのにこういうところ好きなんだろう??
十勝岳から鋸岳へと続く稜線の縞模様は駄目だったが、上ホロカメットク山から富良野岳に至る稜線の縞模様はどうだろう。かなりいい感じだと思うのだが...
上富良野岳まで戻ってくると、行きは咲いていなかった花も結構咲いている。コメバツガザクラもいい感じ。小さいから気がつかなかっただけだろうか。気が付き始めると至るところで小さい花が咲いているのが見られて嬉しい。
下山途中にD尾根から上ホロの山頂。なんだか雪の上に巨大な岩山が乗っかっている見たいで面白い写真になった。実際は雪の向こうには崖があるんだけど(^^;。
行きは花の咲く気配さえなかったD尾根、帰りはフラワーフェスティバル状態。まずはミネズオウ。この陽気に誘われて咲いたようだ。コメバツガザクラのほうが多いが、注意して見ていると発見できた。
そしてキバナシャクナゲ。今日のD尾根のメインは彼女達だと言っても過言ではないと思う。こんなに咲き初めの活き活きした状態に巡り合ったのは初めてかもしれない。こんなに花が登山道の両脇に咲いているのを見ると夏が来たなぁと思って嬉しくなって、下山の足取りも軽くなった。
下山後はいつもの凌雲閣へ...女将さんも来週山開きということもあり、山の残雪状態を気にしているようだ。露天風呂はいつになく上下段の寒暖差が激しい。これも天然のものだから、ある程度は仕方ないなと熱い湯とぬるすぎる湯を交互に堪能した。温泉から出て駐車場に戻ったら、行きに声を掛けられた4月の百松沢山で一緒に登った男性が下山してきていたので、今度はこっちから「おかえりなさい」と声を掛ける。こっちのほうはあまり来たことがないと話していたが、先週は十勝岳に今日は富良野岳から上富良野岳経由で縦走、来週は美瑛岳に行きたいとのことで、何だかすっかり十勝岳連峰の魅力にドップリという感じで、しばし情報交換や雑談などしつつ楽しい一日が過ぎていった。
ヤマレコとNikon image space(http://img.gg/D6PR9aZ)で今回の山行写真全てが御覧になれます。
十勝岳温泉凌雲閣(7:10)→三段山分岐(7:30)→上ホロ分岐(8:15)→上富良野岳(9:25)→上ホロカメットク山(9:35)→上ホロカメットク避難小屋(9:50)→十勝岳(10:40←食事・雑談→12:00)→上ホロカメットク山(12:50)→上富良野岳(13:10)→上ホロ分岐(14:00)→十勝岳温泉凌雲閣(14:40)
今回のカメラ:「D7000」+「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」
「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
今回のあこの燃費:13.5km/L
本日のあコ・ミュニケーション
背景、ガソリン色をしているジンジャーエールを美味しそうに飲む管理人...
あ「私も、私も飲みたい~!」
ス「あこのは帰ってからね。」
ス「ところでお腹空いたんだけど、おにぎりの残りってどこ置いたっけ?」
あ「おにぎりは帰ってからね~。」
ス「ぐぬぬ~」
機械は友達。仲良くするといいことあるよ、きっと(^^;。
隊長 URL 2013年06月09日(日)23時19分 編集・削除
スズさん、こんばんは。
いやぁー、やってますねー。
凌雲閣から十勝岳ですか。すっかり足は出来上がっているようですね。
山のゼブラ模様も良い感じー。
ギリギリ間に合ったというところかな。
いま時期は日々、雪が消えていきますものね。
それにしても、登山口の状況は凄いですね。
こんなに雪が残っていたのですか。
本当に山開き、大丈夫なのだろうか...
(^_^;)