記事一覧

夏のオプタテシケ山 ~1日目~

美瑛富士に一泊でオプタテシケ山に行った。山は風もなく穏やかで、数週間前に凍死事故が発生したのが信じられないぐらいの暑い山行だ。最短ルートの涸沢林道駐車場からすぐのところから暑さにやられ始め、噴き出る汗と格闘すること2時間半、美瑛富士避難小屋に着いた。周囲は夏山とは思えないほど静かで誰もいない。今晩の寝床となるテント張り小屋で昼食を取る。「いただきます」のついでと言っては何だが、小屋で亡くなった方に手を合わせて「明日、貴方の行けなかったオプタテシケ山に行きますから一緒に行きましょうね」と声をかけてみる。まぁ、当然何も起こらんわけだが。

その後、夕方まで周囲を散策しようと美瑛岳分岐まで行ってみるが、美瑛富士も美瑛岳も見事にガスっている。ならばと美瑛岳のトラバースに良い雪渓を見つけたので水を汲みに行く。水量が多く冷たくて快適。顔を洗い体を拭き、リフレッシュ。写真にも撮ってみると雄大に思えた雪渓が思いのほか涸れ気味。まぁ、8月だしね。

ファイル 18-1.jpg

その後、美瑛岳分岐まで戻ると美瑛岳が快晴。おおっ!これは登れということなのか。この区間はまだ歩いたことがなくルートをつなげる意味でも登ってみた。噴き出る汗、なくなる水、何がリフレッシュだ、せっかく水を汲んだのに、帰りに行けば良かったと思いつつ山頂。美瑛岳にしては御機嫌な天候だが、山頂碑が随分とくだびれた様子。去年はドッシリとしていたのに、これは来年はなくなってるなぁと思いつつ写真を一枚と。

ファイル 18-2.jpg

日も傾きだし、結局汗だくのまま美瑛岳から降り小屋に戻る。この間で出会ったのは「上ホロ小屋に行く」という兄ちゃんと、「これから降りる」と言ってた二人パーティのみ。さすがにこの時間だし、小屋に戻れば誰か来ているだろうと思っていたが、小屋に着いても誰もいない。

泊まり山行の楽しさは、見知らぬ人達との山話だというのに...まぁ、こういう日もあるかと夕食を取り、すぐ傍の石垣山のガレ場から聞こえてくるナキウサギの合唱に耳をかたむけていると、チリーン、リーンと金属音が聞こえてくる。明らかに誰もいないのに鈴の音や人の声などの幻聴を聞くことが山ではあるが、時間も遅いし今回もそんなもんだろうと思っていたら、石垣山から降りてくる2つの人影発見。

近い水場ということで、登る途中にあった雪渓を案内し(かなり涸れ気味)、戻ってくると二人が三人になっていた。石垣山から降りてきた二人は本州からの登山者で、旭岳から縦走中。当日は各々三川台と南沼から出発して途中で合流したらしい。今夜は小屋に泊まると。もう一方は旭川の人でテント泊は初めてということで、色々と情報交換をしているうちに夕暮れにつつまれる。

ファイル 18-3.jpg

冷えてきて三人が休むと言うので、少し下って小屋の夕景も撮ってみる。西側と対称的に東側は真っ暗。三脚を準備して、撮影していると下のほうから、ガサガサと熊笹のゆれる音。風はない。そういえば、三人目の人が近くでクマを見たといってたなぁと、いうので撮影はこれにて終了。念のため、小屋の二人に断って、食料とゴミは小屋に置いてテントで就寝。

ファイル 18-4.jpg

1日目の行程
[涸沢林道(09:20)→美瑛富士避難小屋(11:50←設営・昼食→13:30)→美瑛岳雪渓(14:20)→美瑛岳(15:20)→美瑛富士避難小屋(16:20)]

トラックバック一覧

コメント一覧