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表大雪南ルート縦走4日目 ~トムラウシ山-短縮登山口~

朝4時起床。十勝岳連峰の夜明けの絶景が見れるかと、とりあえずテントの外を確認。う~ん、微妙、何だか薄曇り。それにしても寒い、気温は体感的に確実に1桁に達している。すぐにテントの中に戻りストーブを焚いて暖を取る。写真を撮りに出ようか迷ったが、4時18分、意を決して着れるものは全部着て外に出る。空はさっきよりも晴れてきた。いい感じだ。二人のテントからはモゾモゾと動く音が聞こえるが、まだ寝てるかもしれない。景色が良ければ起しに戻ろうと誓い、南沼のテン場からオプタテシケへの縦走路向かう。ここを100mも歩けば十勝岳連峰の絶景が拡がる。ウソみたいに晴れてきた。二人のことはすっかり忘れて、更に150mほど歩いて南沼が望める標高1940mの岩場を目指す。丁度、夜が明けてきた。

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うつくしー...これは二人を呼びにいかねばと走ってテン場に戻る。「十勝岳がきれいに見えますよ。見に行きませんか?」とテントに向かって声を掛けると、「寒い」とか「スズさん、元気ぃ・・」など妙にテンション低い。とにかく絶景だということを伝えつつ、私も絶好のチャンスを逃したくないので「オプタテの縦走路にいますからねっ!」と言い残して再び戻る。しばらくするとshizuさんが眠そうにやってくる。でも景色を見て目が覚めたようだ。yahさんは待てども来ない。何やってるのかなと思った矢先、テントから出てくる姿を発見。到着する頃にはすっかり日は登っていたが、それでも満足してくれたようで南沼の手前あたりまで行って写真を撮っていた。

さて、昨日メカニカルシャッターが完全に逝かれたNIKON1だったが、陽気のおかげですっかり回復。動きのない風景や花を撮っている分にはメカニカルシャッターも電子シャッターも同じだが、やはりメカシャッターの音がしないと写真撮っている気がしない。液晶画面も復活してファインダーと両方使えるようになった。新たな症状として液晶欠けが発生したがそんなものは些細なことだ。一方、昨日好調だったGPSはまた結露したようで、電源が切れなくなり一晩中動きっぱなし。充電用の電池も底を着いたので今日の行程のどこかでGPSログが途切れそうな予感がする。

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テントはそのままに荷物のパッキングだけすませて、テン場でのんびりしたいというshizuさんを残して再びトムラウシ山に登る。先客が一人いたが早々に北沼方向に立ち去り、山頂には我々だけに...今日は正真正銘の360°で大雪独り占めだ。火口を挟んで向こう側にはニペソツ・ウペペサンケの上に綺麗な青空が拡がる。私はまったりしてお茶とお菓子を食べている。山頂で飲むお茶は本当に美味しい。yahさんは再び720°の動画に挑戦していた。

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石狩連峰のやや北寄りには謎の単独峰が見える。例によってyahさんも「あの山は何?」と聞いてくる。かなり存在感のある山でトムラウシ山に登るといつも話題になるが、結局いつも分からずじまいだ。北見富士という意見が大勢を占めるが標高1291mの低山がこんなに高く見えるものなのか...しばらくすると日帰り登山やヒサゴから縦走する人達で山頂が混雑してくる。やっぱり人気の山だ。あまり邪魔しちゃ悪いと思い、テン場に戻る。テン場では「北海道大学歩く会」のメンバーと話ができた。彼らも13日の悪天候の中、石狩岳からの縦走で沼ノ原分岐のあの笹薮を歩いたそうで妙に親近感がわき、お互いの労を労った。

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テントを撤収した後は早々に下山。トムラウシ公園を見下ろすエセ金庫岩(勝手に命名)からのニペソツ山も美しい。後はトムラウシ温泉ルートでは定番のナキウサギ観察をしながら下山を続け、コマドリ沢で昼食。

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その後は特に記事にするようなこともない新道の悪名高き登り返しと泥道が延々続く。新道にそびえ立つ白樺が青空に映えて癒されたので写真を撮ってみる。白樺の上にはトンボも飛んでいる。もう秋も近いなぁと思いつつ下山を続ける。それでもカムイ天上分岐付近から木道が二ヶ年計画(yahさん情報)で整備されつつあり以前よりは楽になっている。yahさんは目的地が近づくに連れ元気になっているが、私とshizuさんはペースが落ちていく。膝も痛くなってきた。この下りは本当に退屈だし全然終わらなくて大嫌いだ。

今歩いているトムラウシ温泉ルート、一昨日歩いたヌプントムラウシ温泉ルート、それに悪名高き天人峡ルートを加えて「表大雪三大酷道」に認定したい、いや俺が認定する!...そんなことを考えながら下山して行った。

おまけ

南沼キャンプ指定地(7:35)→トムラウシ山(8:10←休憩等→8:40)→南沼キャンプ指定地(9:15←テント撤収→9:55)→前トム平(11:40)→コマドリ沢(12:40←昼食→13:10)→カムイ天上分岐(14:40)→温泉コース分岐(15:25)→トムラウシ短縮コース登山口(15:45)

今回のあこの燃費:12.4km/L

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syokann 2012年08月18日(土)14時02分 編集・削除

スズさん表大雪南ルート縦走4日間の山旅本当にお疲れさまでした。当初直ぐにコメント入れようと思ったのですが四日目を見終えてと思い、今日も朝から以前のブログも含めて何度も何度も読み返しました。改めてスズさんの行動力には驚きと感動で胸いっぱいです。到底僕には出来そうもありませが、何時かはスズさんの撮った風景を観たいと思います。
それにしても山のグラデーション素晴らしいですね。

yah URL 2012年08月18日(土)14時50分 編集・削除

こんにちは!

一気に最終日まで書き上げましたね!
僕はやっとこさ1日目をupすることが出来ました。
まだまだ先は長い・・・

昨年の黒岳石室の時もそうでしたが、一番「寒い寒い」と言っていたスズさんが、今回もまた一番早起きでしたね。

天人峡ルートは歩いたことがありませんが、「表大雪三大酷道」には大いに賛同します。
木道の完成によってトムラウシ温泉コースがそこから外れてくれることになればいいのですが、、、

天人峡ルートはヌプントムラウシよりは歩く機会がありそうです。
ヌプントムラウシは果たして2度目があるのかどうか・・・(;^_^A

これから秀岳荘に失くしたストックのキャップを買いに行って来ます。

motti 2012年08月18日(土)19時12分 編集・削除

表大雪三大酷道・・・(笑)
しかし壮絶な行程でしたが、読んでいる内にこちらも充実感に浸ることが出来ました。
昔充実していた縦走装備はもはや失われ、日帰りしかできない今日この頃ですが、改めて最新の軽量テントやシュラフを揃えたくなってきました・・・やばい、金欠の予感。。。
ここは落ち着いて考えたいと思います。

例のあの存在感のある山ですが、私もずっと気になっています。先日も愛山渓からの帰り道、比布町から旭川に向かう途中、国道沿いにずっと見えていました。
でも北見富士ってもう少し山頂がペチャンとしてませんか?
謎ですね。謎を解くには現地に行くのが一番なのかも・・・。

とにかく、お疲れさまでした!

隊長 URL 2012年08月19日(日)18時39分 編集・削除

スズさん、全部見ましたよー。
(^o^)

まあ、色々あったようですが、でも結局は楽しそうだなぁーと思いながら拝見いたしましたー。
GPS、役に立っていましたね。持って行って正解!

カメラも一時、不調になったようですが、動いて良かったですね。
やはり結露が大敵でしたか。精密機器ですからねー。

写真、空気の透明感があって、感動する気持ち、『分かる、分かる!』でありマース。
(^_^)

スズ(管理人) 2012年08月19日(日)21時26分 編集・削除

syokannさん、こんばんは。
もう自分の山行記録で手一杯でsyokannさんのブログも見に行けてなくてすみません。
南沼キャンプ指定地にテントを張れば、
トムラウシ山からの360度の絶景と、十勝岳連峰が一望できますからトライして見て下さい。
このテン場から見る朝の景色が最高なんです。
今となっては私がテント張るのは南沼オンリーです。他は小屋に入っちゃいますしね。

スズ(管理人) 2012年08月19日(日)21時49分 編集・削除

yahさん、こんばんは。
書き上げました。そして今日また山に登ってきた(^^;。

南沼テン場の標高は1970mで、大雪山系で最も標高が高く故に寒いんですよ。
気温1桁なんて当たり前です。
2009年9月20日に泊りましたが、この時の寒さは尋常じゃなかったです。
着れるもの全部着てシュラフに包まり、ストーブを暖を取りつつ、
それでも寒いのでザックを空けて足突っ込んだのはこの日のことです。

山にいるときは基本的に日が登る頃には起きています。
(石室みたいに中が暗いと話は別ですが...)

天人峡は荒廃する前から悪名高き登山道でしたが、
私にとっては退屈ではあるが、そんなに酷い道でもなく、実際のところよく利用してましたが、
2010年に訪れた時の荒廃ぶりを見て、もう使う気がしなくなりました。
特に樹林帯の荒れようが目に余ります。
昔、化雲岳日帰りをやった頃が懐かしいです。もう今のコース状況だと日帰りは辛いかもです。

スズ(管理人) 2012年08月19日(日)22時03分 編集・削除

mottiさん、こんばんは。
今ではお金さえ積めば軽くて良い装備が簡単にてに入りますもんね。
私の持ってるシュラフはモンベルの2番で大雪山系だとこれに勝るものはないです。
これより厚いと暑いし、薄いと寒くて使えないんです。
一時期ラインナップから外れて中古でも欲しいという人が結構いたんですが、
今年からラインナップに復帰したみたいですね。

件の存在感のあるピークですが、今日、武利岳から北見富士の現物を見て、
やはりこれが濃厚かと思うんです。
確かにmottiさんの言うように武利岳から見たら山頂がペチャンとしてましたが、
トムラウシの方向から見たらペチャンとしたところが裏になって見えないかもしれません。

スズ(管理人) 2012年08月19日(日)22時09分 編集・削除

隊長さん、こんばんは。
そうなんです。色々ありましたが楽しかったのです。
GPSがこんなに役に立つとは思いもしませんでした。
高度計と地形図だけでは迷ったときは限界がありますね。

カメラの結露は酷かったですよ。
だって電子ビューファインダーの内側に大量の水滴が見えるんだもん(^^;。
こんな経験初めてです。
よくこんな状態でちゃんとした写真が撮れたもんだと。
偉いぞ、いっちゃん(NIKON1の私的愛称)褒めてつかわす(^^)。

スズ(管理人) 2012年08月19日(日)22時14分 編集・削除

yahさん、ごめん。
一番標高が高いのは旭岳のテン場だった。
でもこんな場所にテント張ることなんて殆どないから、
存在すら忘れていた(^^;

yah URL 2012年08月19日(日)23時01分 編集・削除

裏旭のテン場ですね。
確かにここにテン場なくてもよさそうな気がしますが、先日通った時は2張りくらいありました。
南沼のテン場は僕も気に入りました。

スズ(管理人) 2012年08月21日(火)12時15分 編集・削除

yahさん、こんにちは。
そうそう裏旭のテン場です。ここに泊まるって非常手段ですよね。
普通なら黒岳の石室かテン場を利用するでしょうし。
お金払いたくない人向けとか(^^;。

未承認 2013年09月13日(金)13時58分 編集・削除

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未承認 2013年09月14日(土)15時40分 編集・削除

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未承認 2013年09月14日(土)18時04分 編集・削除

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